月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

呼声之中

2011年10月19日 21時46分17秒 | 仏々相念(住職日記)

帰っておいで・・・

 

切ないご縁でした。

でもご往生なされた方の雰囲気そのままに優しい空気が流れます。

涙涙なのですが優しいのです、空気が・・・

 

目に入れても痛くないほど可愛がっておられたお孫ちゃんが花一輪を手向ける時、「爺ちゃん、帰って来い!そう言って・・・」って喪主さんであるお婆ちゃんが言いながら目をハンカチで押さえるのです。

ひょっとしてこの子がそう言ったら・・・って思ったのかもしれません。

お孫ちゃんも涙いっぱいでした。

 

「お爺さん、また会いましょうね・・・ゴメンね。」そう言って押した火葬場のボタン。

押したくはないボタン・・・

これを押さなかったら、まだあなたの頬を擦ることが出来るのですから・・・

軽いボタンですが、とてもとても重い重いボタンなのです。

でも、必ず会えますから・・・

これからも一緒ですから・・・

 

大切にお念仏申させていただきながら生かさせていただきましょう。

「ここにおるよ」の御呼声を胸に・・・


外出億劫

2011年10月19日 20時49分13秒 | 仏々相念(住職日記)

スタート・・・

 

今年のお取り越しが始まりました。

K講中からのスタートなのですが、本年より御座を昼にお勤めしてくださいとの提案をいただき、午前中から昼までのひと時をいただいたことです。

私がこちらに帰った頃は皆さんお元気で若かったのですが、皆さんそれぞれに年齢を重ねられてきていることです。

「夜、外に出るのが億劫になりましてな~。明るかったら出易いのでよかった。」っておっしゃっていただきました。

夜座というのが定番でしたが高齢化になるにつけ夜の外出は危険になります。

参り易いようにすればいいのです、ひとりでも多く御聴聞できるように・・・

 

今日は、法務の都合上私一人でのお参りとなりました。

坊守ファンの多い村なので皆さん残念そうでした。

私自身も道中、いろんなことを話しながらお参りさせていただくのが楽しみなのです。

ま~、殆ど助手席で眠っているのですが・・・誰よりも心強いおはたらきです。

 

時間は変わったものの何ら変わらない優しい空気・・・

有難くお勤めさせていただいたことです。

 

昔からこうやって、それぞれの方々が大切にお勤めされ続けてきたお取り越し法要。

親鸞聖人がご往生なされて750年・・・

その時代その時代の方々が喜ばれ繋いで下さった温もり・・・

確かなる繋がりのなかの今をいただいたことです。

 

今までゆっくりと話すこともなかったお宿を受けていただいたところのお姉さんともゆっくりお話させていただいたことです。

法事等でお会いすることがあってもゆっくり話すってあまりないのです・・・

これもお取り越しっていう独特な空気のお陰なのでしょう。

昔は交通の便がなく泊まりがけで巡っていたそうです。

有り余る時間、膝を突き合わし話す中で僧侶と御門徒の絆も深まっていたのでしょう。

未だに口下手の上に出不精なものですから人と接し難くて・・・。

でも、この様な私でも優しく接して下ることに有難く勿体なく思うことです。

 

さぁ、徳正寺お取り越しツアーは始まったばかり、どんな出会いがあるのか楽しみです。

今年も願生って御取り次ぎさせていただこう!