馬鹿息子だから・・・
お取り越しのご縁が続いています。
お取り越しにお参りさせていただくと1年ぶりにお会いする御門徒もおられ不義理をすることを反省することです。
「こんにちは、徳正寺で~す。オジサン、如何ですか?」って部屋に入るとおられなくて・・・
「今年の一月に施設に入ったんですよ・・・」
老々介護の現実・・・
「すいません、御無沙汰してばっかりなものですから・・・」
「いろいろありましてね・・・介護してあげたいけど私の身体も痛いところばかりだし、お爺さんも身体が不自由な分イライラして・・・どうしても喧嘩になってしまう。辛くてね・・・」
「オバチャン、しんどかったね・・・でも、少し間を置くことができれば身体も楽になるし、お互い会うのも楽しみになるよね・・・」
辛い現実を教えて下さいます。
抱えられないしんどさを胸にどうしたものかと思いながら普段見慣れない田んぼの横を通りながら次のお家に・・・
「おはようございま~す。徳正寺で~す。あ~、帰られてたんですか?ようこそお帰りです!会えるなんて思っていなかったので嬉しいです。」
同年代の御門徒さん、お父さんのご縁から親しくしていただいているお方です。
お仕事のことから、御家族のこと、日常のこと・・・お茶をいただきながら長話になってしまいました。
「最近はですね、釣りを初めまして・・・」
「そうなんですか…流行ってますもんね。」
「親父が好きでしてね、道具が一式あるものですから息子と一緒に行っています。」
「そりゃ、お父さんがおられたら喜ばれますのにね・・・」
「馬鹿息子なもんですから・・・いなくなって分かるんですね。」
命の尊さを話して下さいました。
魚を釣り、魚の命をいただく、そして、この命を生かさせていただく・・・
このことだけは息子に厳しく言っているのです。
粗末にしてはダメだと・・・
最近は狩猟の免許も取ったのだとか・・・
「どうなんでしょうか、これも殺生ですもんね・・・」
「・・・願われているのであればされたらいいと思います・・・」
「息子とね、鳥の羽もむしるんですよ・・・命をいただいているんだって深く思います。」
素晴らしいお父さんだな~って思いました。
釣りにしても狩猟にしてもこの命を生かさんが為なのです・・・
だからこそ、この命を大切にしよう!そう、幼き息子に教えこまれます。
有難いご縁でした。
この命、生かさんがためにどれだけの命を奪い、踏みにじり、傷付けるのでしょう・・・
支え合い、思い合い、共に育みながら生きていければいいのに・・・
でも、何よりも大切なこの命!
切羽詰まればホンマの自分が出てきます。
恐ろしかな、この命・・・
愛しきかな、この命・・・