これや、これ・・・
松山の御門徒がお参り下さいました。
若い家族がお爺ちゃんのご縁に会われたのです。
親のご縁でさえお勤めなされない家があるなかでようこそお参りを下さったことです。
お勤めが終わり「さあ、失礼しようか・・・」と立ち上がり椅子を片付けておられると写真が目に入ったのでしょうね。
「これ何時頃のですか?」
「それは先代の継職法要の写真ですから34年程まえでしょうか。」
「あ~、そしたら私が写っているかもしれん。」と探されます。
「おったおった!これや、これ!」って残念ながら目を瞑っておられましたが今も当時の面影が残る姿でした。
懐かしそうに当時の思い出話をいろいろして下さるのです。
一緒に稚児に出た弟のこと・・・
お母さんとお婆ちゃんと一緒に行ったこと・・・
交通手段・・・
お婆ちゃんの手縫いの着もののこと・・・
本当に嬉しそうでした。
帰りには感慨深そうに当時立っていたところに立っておられました。
いいもんだな~・・・
何も分からず着なれない衣装を身につけ歩かれたのでしょうね。
さぞ、その姿を見ながらお婆ちゃんやお母さんも喜ばれていたのでしょう。
優しいその微笑みに出会われていたことでしょう。
仏縁の喜びとはこういうものなのでしょう。
忘れていたあなたに出会える・・・
忘れて下さらんあなたに出会える・・・
当時、小学生だった私は強制的に出勤させられました。
ああしなさい、これしなさい・・・
嫌で堪らんかったんでしょうね、スネタような顔で写っています。
あまり当時と変わっていないコイツがここにいました・・・情けないかな。