月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

明日返事

2011年10月27日 22時10分00秒 | 仏々相念(住職日記)

ポンポンと・・・

 

坊守と一緒に御取り越しのお参りに行ってきました。

午前中に各御門徒宅に・・・

昨日の夜、坊守を案じ電話を下さるのです、「何時から巡るの?」

毎年、坊守の道案内で一緒に巡って下さる御門徒のオバサン。

楽しいお方で歯に衣着せない喋りで引っ張って下さいます。

坊守を大事にして下さるのです、案じて下さるのです。

本当に有難く、手を合わさずにはおれません。

 

帰りの車の中はいつも二人の反省会。

「今日は、どうだった?変わったこと無かった?」

「大丈夫です、何も心配事はありませんでしたよ。でも、Sオバチャンって面白いですよね!・・・」

耳が遠い御門徒さんと話していたのでしょうね、大きな声で話しかけるも反応がない・・・

間髪いれず「明日返事すらい・・・」って。

「こうポンポン出ると凄いよね~」って坊守が笑うのです。

「本当だね、オレには到底無理やわ・・・」

 

夜、御座にお参りすると夫婦の会話という話題に・・・

お宿をしてくれた奥さんに、「会話あるんですか?」って尋ねると「ウチはね、よく話すのよ!」

「え~、そうなんですか?オジサン、会話するん?」

「I LOVE YOU. 言わんだけよ!」って大笑い!

「最高やね!」

 

ポンポンと楽しい話が出来るといいですよね。

羨ましく思います。

坊守との会話って弾んで弾んで堪らないって感じではありません。

ボソボソ話す私に話の内容を想像で返す坊守・・・

弾む訳はありません。

でも、気長に付き合ってくださる坊守に癒されていることです。

 

坊守なら明日の返事でも今聞いたように微笑んでくれそうです。


木枯一号

2011年10月26日 18時06分36秒 | 仏々相念(住職日記)

寒くなるよな~・・・

 

今朝の宇和島も冷え込みました。

パーカーのフードも被っていると「そこまで・・・」って笑われたことです。

苦手です、寒いの・・・

 

近畿地方でも木枯らしが吹いたと聞いたことです。

初めて一人で感じるこの寒さ・・・娘はどうしているのか、と案じていました。

温かくしているのだろうか・・・

何か食べただろうか・・・

「いつも一緒だよ」と言いつつ何も分かってやれない私です。

 

寒い時の一人の生活ってもの凄く寒く感じていました。

炬燵に入り込みついウトウト・・・

目が覚めると外も暗くなっていて・・・寒かったな~。

何もかも寝た時のまま・・・

あの時ほど里がいいよな~って思ったことがありません。

お腹も空くし・・・

自炊もできないのでコート着込んでホカ弁買いに行っていました。

このホカ弁屋さん、から揚げ弁当が絶品でこればかり食べていました。

オジサンとも顔見知りになり、「いらっしゃい、いつものね!」って感じに・・・

一日で話したのこのオジサンとだけだな~って時もあり余計に寒さが身に浸みたことも・・・

懐かしく、もう一回食べたいと以前上京した時に行ってみたのですが無くなっていました。

いい思い出です。

 

娘はどうやってこの冬を乗り越えるのでしょう・・・

明日も冷え込みそうです。

今晩電話が掛かってきたら「温かくしておくように・・・」って言わなくては・・・

「分かってる!」って叱られそうですが・・・

 

こちらからは電話しない私を案じ偶に掛かってくる母の電話に面倒臭そうに話していた自分を思い出します。

申し訳なかったことです・・・

 


位牌御飾

2011年10月25日 19時13分29秒 | 仏々相念(住職日記)

お母さん・・・

 

3年忌のご縁をいただきお寺にお参りをいただきました。

私方に位牌を預かっている為、その法名をご覧になりながら母を呼ばれました、呟くように・・・

 

親を呼ぶ声に温かいものを感じたことです。

「お母さん・・・」そう呟きながらどのような自分の日常が見えてくるのでしょう・・・

 

「忘れていてごめんね・・・」

 

位牌から視線を上げると優しく立ち向かわれる阿弥陀さま。

大丈夫、ず~っと一緒におるからと微笑まれて喚び通し・・・

嬉しいような恥かしいような・・・

ここに出遇えて本当によかった・・・

 

「ナンマンダブ・・・」

 

浄土真宗では位牌ではなく過去帳を用います。

しかし、私方では昔から過去帳を用いず位牌をお飾りなされる御門徒が大半であります。

決して位牌を奨励している訳ではないのですが・・・

ま~、なんと立派な御位牌があるもんだとしんどくさえ思うご縁もあります。

位牌に執着なされ御仏飯まで御供えなされている御門徒も多くあることです。

それはお浄土のお飾りということではなく、亡き方にご飯を御水を・・・というお心なのでしょう。

否、ひょとしたら腹を空かし喉が渇く自分と重ねるのでしょうか・・・

 

住職の指導させていただく力のなさなのです・・・

これいりません、あれいりません・・・強く言って納得されればそれに越したことはありません。

がしかし、要らないと言われるその位牌を抱きしめながら死を見つめていかれるのです。

最初から仏さまの方が大事なんておっしゃる方が何人おられるでしょう・・・

言ってすぐに気付く人もおれば長く時間が掛かる人もおられることでしょう・・・

その僧侶の態度で仏さまへの思いも失われては申し訳ないことです。

 

それぞれの寺院での御指導方法もあるのだと思うのですが、私の場合は徐々に・・・

位牌から仏さまに向きを向けることが出来るように一緒に考えさせていただいています。

でも、なかなか位牌から過去帳に移行されることは難しい・・・

そんななかでも決して0ではなく徐々に過去帳を用いて下さる方もおられることです。

あ~、そうだったんだ。位牌を拝むのではなく阿弥陀さまを拝ませていただきながら、今、そのおはたらきのまん真ん中におらせていただいたことを喜ばせていただくんですねって・・・

愛するあなたもそのおはたらきのまん真ん中にあればこそお浄土に往き生まれさせていただいたのですね・・・

そして、今ここに・・・

 

あっ、この家の御位牌飯(そんな言葉・お荘厳はないのですが・・・)・御水無くなったよな~っていうご縁もあります。

昔は立っていた御線香も寝かされてお荘厳されるようになってきたよな~・・・

徐々に、焦らず・・・

 

大切なことをお味わいしつつ、一つ一つ一緒に考えさせていただこうと思います。


鼻歌坊守

2011年10月25日 18時42分27秒 | 仏々相念(住職日記)

歌う歌う・・・

 

鼻歌のレベルではなく熱唱する坊守。

好きなアーティストの曲を歌ったり、口笛吹いたり賑やかです。

楽しい時は楽しいままに、辛い時は辛いままにそれに応じて出てくる曲たち・・・

自然に出てくる曲たちに奮い立たせる自分があるのでしょう。

私が悩ましてばかりの為に曲たちに力をいただくのでしょうか・・・

 

私はあまり鼻歌を歌うとか口笛を吹くということがないような気がします。

気がするだけで歌っているのでしょうか・・・

ただ・・・原チャリに乗っている時だけは鼻歌が出ている自分を自覚していることです。

なぜなんでしょうね・・・

お参りに行く時であろうとチョッとしたことで乗る時であろうと、歌っているのです。

「キツイ旅だぜ~・・・」って。

気合を入れているのか、リラックスしているのか・・・

ちょっとした風を感じながら気持ち良くなるのでしょうか・・・

 

坊守の自然に出てくる鼻歌を聞きながら自分の日々を見つめます・・・

辛い思いをかけていないでしょうか・・・


宅配仏壇

2011年10月24日 20時19分23秒 | 仏々相念(住職日記)

小さいんですけど・・・

 

御入仏のご縁に会わせていただきました。

小さな御仏壇ですがきれいなお飾りがなされていました。

 

「このお仏壇は東京の娘が送ってくれたんですよ。こちらでお迎えするからと言ったのですが娘が選び送ってくれたのです。どうしてもって言って・・・」って嬉しそうに話して下さる奥様。

「え~、わざわざ・・・有難いですね!どんな思いでこのお仏壇をご覧になったのでしょうね!」

「父に対する思いなのでしょう・・・迷惑かけてばかりだったから・・・」ってお姉さん。

「そうですか・・・」

 

そんなお話を聞き改めて見せていただくと、温かいものを感じるようでした。

「お父さん、ゴメンね・・・」娘さんの精一杯の感謝の気持ち。

 

立ち向かい下さる親心を尋ね聞かせていただくと「これからも一緒だから・・・」

どんなに逆らっていようとも、喚び続けていて下さいます。

気付きながら気付きながら、大切に過ごさせていただきましょう。

ず~っと抱きしめて下さる親心に気付きながら生かさせていただきましょう!

 

そんな大切な空間をありがとうございました。

御里の御仏間が賑やかになりましたよ。