つらねのため息

写真や少し長い文章を掲載していく予定。

オランダ領アンティル

2008-08-18 22:59:50 | 海外のこと
オリンピックを何気なく見ていて気になったこと。

野球なんかのオランダチームのユニフォームには

Nederland

とオランダ語で書いてあるのだが、
オランダ領アンティルの選手のユニフォームには

Netherlands Antilles

と英語で書いてある。

何故だ?と調べてみたところ、オランダ領アンティルではどうやら2007年度から英語も公用語になったようだ(Wikipediaしか情報源がないのがやや不安だが)。うーむ、なるほど。

ところで、外務省によるとこのオランダ領アンティル、2008年12月15日をもって解体されるようである。今大会が、オランダ領アンティルとして最後のオリンピックになるのではないだろうか。ぜひ、選手には頑張ってもらいたいものである。

労働と平和

2008-05-23 23:24:29 | 海外のこと
前々から注目していた前新潟市議の中山均さんのブログ、ナカヤマヒトシ通信が更新されていました。

そのなかの記事が面白かったので紹介します。

「労相サミット-その2」
http://green.ap.teacup.com/nakayama/331.html

詳しくはリンク先を読んでいただきたいのですが、注目したのはこの記事の中の「■ITUC書記長、空気を変える!」というくだりです。ITUCの書記長でもちゃんとした考えを持った人がいるんですねぇ。労働運動なんて、しかも国際労働運動なんてもう可能性がないかと思っていたのですがちょっぴり見直しました。

「日本の連合の幹部で、このようにリアルに、力強く、労働と平和の問題をトータルに語れる人間はいるだろうかと感じるほどの、期待以上の発言でした。国際自由労連を無批判に賞賛することは新左翼諸氏からは批判されるかもしれませんが、正直言って、プチ感動しました」という中山さんの言葉に心よりの賛意を表明したいと思います。

デンマーク総選挙

2007-12-05 01:51:11 | 海外のこと
遅まきながら、11月14日にあったデンマークの総選挙結果を載せてみます。

総議席:179議席

与党:
左翼党(Venstre):26.2%(-2.8)46議席(-6)
保守国民党(Det Radikale Venstre):10.4%(+0.1)18議席

閣外協力
国民党(Dansk Folkeparti):13.9%(+0.6)25議席(+1)
新同盟(Ny Alliance):2.8%(+2.8)5議席(+5)

野党:
社会民主党(Socialdemokraterne):25.5%(-0.3)45議席(-2)
急進左翼党(Det Radikale Venstre):5.1%(-4.1)9議席(-8)
社会主義人民党(Socialistisk Folkeparti):13.0(+7.0)23議席(+12)
統一リスト(Enhedslisten):2.2(-1.2)4議席(-2)

という結果になりました(投票率は86.6%)。

そのほかにグリーンランドとフェロー諸島から2人ずつ議員が選ばれています。

まず、各党の説明ですが、
左翼党は名前は左翼ですが農民中心の保守政党。
急進左翼党はそこから出てきたリベラルな中道政党です。
新同盟は今年になってから、急進左翼党の左派的な姿勢に批判的な人たちが離党してつくった政党です。
保守国民党は経済界の後押しが強い党、
国民党は移民排斥を訴える極右政党、
社会民主党はその名の通り、
社会主義人民党は60新左翼政党、
統一リストは左翼の小政党の統一リストです。

結果としては与党とこれまで閣外協力をしてきた国民党の議席をあわせても89議席と過半数に1議席足りず、与党はとりあえずフェロー諸島選出の議員の協力を得て過半数を確保することにしたようです。

一方、上述の通り今年になって結成された新同盟はその行方が注目されましたが、事前の世論調査での予想ほどは得票が伸びず。

そもそも新同盟は移民であるNaser Khaderが急進左翼党の左派的な姿勢を「社民党との連立を目指していても現実的ではない。現政権と連立を組むことによって、極右の影響力をそぐべきだ」と批判してつくった政党です。一応与党との協議に応じる姿勢を見せているのですが、そもそも移民の政党と反移民の極右・国民党では協力できるわけがないので、どうなるか見ものです。その後の報道では、新同盟は少し政権と距離を置いた感じになりそうですが…。

新同盟が党を割ってしまったために急進左翼党は後退。前回選挙ではリベラルな姿勢を前面に出して、極右との対立軸をつくりだし躍進したのですが…。

それにかわって伸びたのが、社会主義人民党。今回は移民問題に加え、福祉や税、社会保障なども争点となっていたのが良かったのかもしれません。

社民党は前回に続き、歴史的敗北でした。与野党全体の比率でいうと少し持ち直したので、党首の責任論とかは今のところ出てきていないようですが。

与党の方も体制は磐石とはいないので、しばらくは注目です。

そういえば日本での一部報道などで「自由党中心の中道右派・与党連合と、社会民主党を核とする左派連合が競り合う展開」などという記述が見られましたが、イタリアの様に左右の政党がブロックごとに統一リストをつくるとかそういうことはありません。

一応参照先(デンマーク語ですが):http://politiken.dk/


魔力通じず

2006-07-01 00:32:44 | 海外のこと
オランダのハリー・ポッター(顔が似ているからそう呼ばれるらしい)ことバルケネンデ首相が内閣総辞職の意向とか。

移民問題がらみで総辞職とは今の欧州を象徴して余りありますな。

ところで、このひとオランダが欧州憲法条約の批准に失敗したときに、ベルギーの外相に「ハリーポッターと頭の固いブルジョアを足して二で割ったような人でカリスマのかけらもない」とその指導力を非難され、両国間で外交問題になったんだよね。

なんだか微笑ましいような、ばかばかしいような(苦笑)。

ズリンダ敗れる!

2006-06-18 19:51:51 | 海外のこと
先日もスロヴァキアの専門家にお話を伺ってきたところだが、総選挙の結果、中道左派、スメル(Smer)が第一党になったようです。ただスメルの得票(29.1%)はやはり事前の予測よりは少なく、逆にズリンダ首相の中道右派、スロバキア民主キリスト連合(SDKU)は事前の予測よりは善戦した模様(18.4%)。

さて、連立の組み合わせはどうなるのか。メチアル氏(だいぶ丸くなって好々爺になったようですが)のHZDSの結果も知りたいところ。

また、仮にスメル主導の政権ができたとしても、新自由主義的グローバリゼーション、欧州統合の流れの中で、格差の拡大などの経済政策でどれだけ左派らしさが打ち出せるかは、課題と言えるだろう。

新自由主義批判は政権獲得の方法として有効だが、実効性のあるオルタナティヴを示せるかどうかは、各国の左派にとって共通の課題といえるのではないだろうか。