いよいよ明日が投票日であるが、選挙戦の議論を聞いていて一番引っかかるのがこの論点である。
ワンフレーズポリティクスの悪いところが出たというか、どうも様々な言葉が一人歩きしている感がある。
まずそもそも日本は本当に大きな政府なのかという問題がある。確かにこの国の政府は公共事業に莫大な投資をしているけど、一般に大きな政府といった場合考えられるのは一昔前ならば主要産業の国営化、それと年金や福祉などの社会保障分野での支出であろう。そういったところで国が支出している額というのは比較すればそんなに多くないはず。日本は既に小さな政府なのであり改革という言葉がイコール小さな政府を目指すというのであればじつはそんなに改革をするところはないのではないだろうか。もしどうしても改革をするというのであれば公共事業費を削る意外に大きな部分はないはずなのである。
それに大きな政府から小さな政府へと変えることがすなわち改革ではない。確かに国営事業を民営化し歳出を削減し小さな政府を目指すというのは、一つの立場である。しかしそれはひとつの立場(新自由主義)であってそれがすべての国民の利益になるかのようにいうことは誤りであろう。
民営化するということは利益の上がらないところは切り捨てるということであり、それは市場原理の下では当然である(民営化するけど郵便局をなくさないというのはこの意味でおかしい。それは郵便局をなくさないというのが嘘であるか、実際には完全に民営化しないかのどちらかだ)。ハリケーンの被害までいわなくても、自国最大の自動車企業を二束三文で外国企業に売り飛ばした国がその実態をよく表現している。
当然のことながら大きな政府のままでもよいというのも一つの立場であってなんら臆することなくそういってかまわないはずである。それは様々な多様性の中の一つの立場なのであって「改革に賛成か反対か」などという二者択一で切って捨てることはできない。
さらにおかしいのが増税とのつながりである。本来小さな政府を目指す勢力が増税をするかも知れないというなどおかしな話である(理の当然として増税をすれば支出が増えるのだから)。もちろんその裏にはありえないほどの膨大な借金が存在するからこそ、こういうひっくり返った議論になるわけだが。
本来のあるべき対立軸にそえば(改革イコール小さな政府を目指すという前提に立つと)、改革反対‐大きな政府志向‐増税賛成という勢力と改革賛成‐小さな政府志向‐増税反対という主張にならなければいけないはず。
どうも、なかなか研究者が考えてるようには実際の政治は動いてくれないが…。
ワンフレーズポリティクスの悪いところが出たというか、どうも様々な言葉が一人歩きしている感がある。
まずそもそも日本は本当に大きな政府なのかという問題がある。確かにこの国の政府は公共事業に莫大な投資をしているけど、一般に大きな政府といった場合考えられるのは一昔前ならば主要産業の国営化、それと年金や福祉などの社会保障分野での支出であろう。そういったところで国が支出している額というのは比較すればそんなに多くないはず。日本は既に小さな政府なのであり改革という言葉がイコール小さな政府を目指すというのであればじつはそんなに改革をするところはないのではないだろうか。もしどうしても改革をするというのであれば公共事業費を削る意外に大きな部分はないはずなのである。
それに大きな政府から小さな政府へと変えることがすなわち改革ではない。確かに国営事業を民営化し歳出を削減し小さな政府を目指すというのは、一つの立場である。しかしそれはひとつの立場(新自由主義)であってそれがすべての国民の利益になるかのようにいうことは誤りであろう。
民営化するということは利益の上がらないところは切り捨てるということであり、それは市場原理の下では当然である(民営化するけど郵便局をなくさないというのはこの意味でおかしい。それは郵便局をなくさないというのが嘘であるか、実際には完全に民営化しないかのどちらかだ)。ハリケーンの被害までいわなくても、自国最大の自動車企業を二束三文で外国企業に売り飛ばした国がその実態をよく表現している。
当然のことながら大きな政府のままでもよいというのも一つの立場であってなんら臆することなくそういってかまわないはずである。それは様々な多様性の中の一つの立場なのであって「改革に賛成か反対か」などという二者択一で切って捨てることはできない。
さらにおかしいのが増税とのつながりである。本来小さな政府を目指す勢力が増税をするかも知れないというなどおかしな話である(理の当然として増税をすれば支出が増えるのだから)。もちろんその裏にはありえないほどの膨大な借金が存在するからこそ、こういうひっくり返った議論になるわけだが。
本来のあるべき対立軸にそえば(改革イコール小さな政府を目指すという前提に立つと)、改革反対‐大きな政府志向‐増税賛成という勢力と改革賛成‐小さな政府志向‐増税反対という主張にならなければいけないはず。
どうも、なかなか研究者が考えてるようには実際の政治は動いてくれないが…。