選挙について書こう、書こうと思っていたのだが、ついつい先延ばしにしているうちに、投票日目前になってしまった。
さて、今回の選挙に至る過程で一番注目に値するのは総理大臣のアジェンダセッティング能力の高さであろう。郵政三事業の問題が財政投融資の問題とのつながりで大きな問題の一つであることは確かにそうかもしれない。しかし、それでもとりあえず黒字である郵政の問題は喫緊の課題ではなかったはずである。
事実、国会ではこれまで年金の問題が重要な政策課題であったのであり、だからこそあの馬鹿らしい未納劇場がくりひろげられたのではなかったか。
そんな郵政問題が衆議院解散を要するほどの重要な国政課題となったのはひとえに小泉総理大臣のライフワークだからという理由以外にない。いわば小泉さんの趣味だからであり、その意味ではかのXjapanを首相が愛好しているのと大差はない。
しかし、なぜ首相がやりたいといっただけでこれだけの問題にまで発展するのか。それはやはり小選挙区制の導入によって、自民党内のパワーバランスが執行部に有利な形で大きくシフトしたからであろう。今回の刺客騒動で明らかになったように、一人しか候補者を立てられない小選挙区では党執行部が候補者選任の最終的な力を持っている。二大政党制に向かいつつある現状では公認を得られずに選挙に臨むことは大変に厳しい選択であろう。かつての「中選挙区制」では無所属で出馬しても三位や四位にもぐりこむことができたが、現在では衆議院議員にとって首相の意思に逆らうことはほぼ確実に失業を意味するようになったのである。
この制度上の構造こそが、首相が「郵政民営化」をごり押ししえた要因であり、郵政問題を構造改革の「本丸」に押し上げた原動力であり、BSE問題で醜態をさらした人間が、偉そうにしていられる理由であろう。
善悪は別として首相のアジェンダセッティング能力は小選挙区制の導入によって飛躍的に増大したといえる。今回の一連の騒動はそのことをまざまざと見せ付けてくれた。
さて、今回の選挙に至る過程で一番注目に値するのは総理大臣のアジェンダセッティング能力の高さであろう。郵政三事業の問題が財政投融資の問題とのつながりで大きな問題の一つであることは確かにそうかもしれない。しかし、それでもとりあえず黒字である郵政の問題は喫緊の課題ではなかったはずである。
事実、国会ではこれまで年金の問題が重要な政策課題であったのであり、だからこそあの馬鹿らしい未納劇場がくりひろげられたのではなかったか。
そんな郵政問題が衆議院解散を要するほどの重要な国政課題となったのはひとえに小泉総理大臣のライフワークだからという理由以外にない。いわば小泉さんの趣味だからであり、その意味ではかのXjapanを首相が愛好しているのと大差はない。
しかし、なぜ首相がやりたいといっただけでこれだけの問題にまで発展するのか。それはやはり小選挙区制の導入によって、自民党内のパワーバランスが執行部に有利な形で大きくシフトしたからであろう。今回の刺客騒動で明らかになったように、一人しか候補者を立てられない小選挙区では党執行部が候補者選任の最終的な力を持っている。二大政党制に向かいつつある現状では公認を得られずに選挙に臨むことは大変に厳しい選択であろう。かつての「中選挙区制」では無所属で出馬しても三位や四位にもぐりこむことができたが、現在では衆議院議員にとって首相の意思に逆らうことはほぼ確実に失業を意味するようになったのである。
この制度上の構造こそが、首相が「郵政民営化」をごり押ししえた要因であり、郵政問題を構造改革の「本丸」に押し上げた原動力であり、BSE問題で醜態をさらした人間が、偉そうにしていられる理由であろう。
善悪は別として首相のアジェンダセッティング能力は小選挙区制の導入によって飛躍的に増大したといえる。今回の一連の騒動はそのことをまざまざと見せ付けてくれた。