「少年よ野心を持て」の方が好きで

　東北のみなさん　こんにちは

　「少年よ大志を抱け」。札幌農学校の初代教頭、米国人・クラーク博士が離任に当たって生徒らに残した言葉として有名です。この言葉には諸説があって、英語で言うと「Boys, be ambitious」の後に、「like this old man」（この老人のように）と続くとあるとか。それはそうとしても、どうも「ambitious」を大志と訳するのにちょっと違和感も持ちます。ambitiousを素直に訳すると「野心、野望」です。名声とかお金とか地位とかを熱望する気持ちです。もちろん一つの言葉には数々の意味があるでしょうが、ここは「大志」よりストレートに「少年よ野心を持て」という方が、ええ感じがします。

　「大志」はクラーク博士の言葉をなんかあいまいにし、耳触りの良い言葉に置き換えているようです。さらにいうと、ある若者が利己的な欲望を追い求めた人生を送った時と、敬虔に「大志」を極めた生涯を終えた時に、どちらがよく生きたなんか比べようもない。そんなことさえクラーク博士は考えていたんじゃないだろうかと思うのです。
　
　英語のネイティブスピーカーでもなく専門家でもない者のたわごとですが。

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