「南部高速道路」というお芝居を観に行きました。
会場はシアタートラムという三軒茶屋にある劇場で
ここ数年はよくお世話になっている劇場です。
今回は客席がステージを360度、
四方を囲んでいる形になっています。
青山円形劇場と違うのは
こちらはステージが高くなってないので
お客さんが見下げる形になります。
自分は舞台正面1列目で
前述の通り、ステージが高くなっていないので
演者さんが移動するときに、自分の目の前を通過したり
そのまま腰を降ろしたりします。
あまりにもその距離が近いので
荷物も前に置けないし、足を伸ばせないほどです。
ステージを挟んで対面や左右にもお客さんがいて
その中ですごい感情移入しやすい女の人がいて
劇中で険悪な場面になると
もう自分が悪いことしたみたいに苦渋の表情を浮かべたりして
本当にその中の一部になっているようでした。
今回観に行った動機は
長塚圭史演出というのもありますが
毎度毎度のことながら出演者によるところが多く
安藤聖、江口のり子、黒沢あすかとそうそうたるメンバーで
その中でも真木よう子は一番楽しみにしていました。
ドラマ・映画に出ていても見たことないんですが
なぜか前々から気になる女優さんで
言葉では表現しづらい求心力があります。
生で観てとりあえず、顔が小さい。
江口さんも背に比べたら断然小さいんだけど
この顔が小さいというのは
テレビに出る人にとっては一種の才能でしょうね、
しかも小さくてブサイクな人ってみたことないし。
目の前を何回か通過したりしましたが
意識しすぎて逆にあまり見れないって
今思えばもったいないですね。
ステージセットが小道具以外はほとんどないので
このメンバーで5000円というのはかなりお買い得だと思います。
例えばライブなんかでこんな1列目なんていったら
オークションで数万円でやり取りされる位の価値で
それもステージとの間にはそれなりに距離があって
今回のように手を伸ばせば触れちゃうような近さっていうのは
実はとんでもないことなんだと思うんですけどね。
肝心の内容ですが、高速道路上で原因不明の渋滞に巻き込まれた人たちが
様々な人間関係を形成していく様子を描いたある種の密室劇で
アルゼンチンの作者による原作があるそうです。
ワークショップを通してシナリオを構築していったらしいですが
このワークショップっていうのを体験したことがないので
実際にどんな感じでできていったかはあまりよく分かりません。
素人考えで、セリフがない方が自然に演じられそうでいいと思うんですけど
そんなことないんですかね。
渋滞は本当に嫌いで、車を運転したくない理由の一つでもあります。
理屈でいえば時間が経って解消されないわけはないんですが
フロントガラスから見る限り、テールランプが連なっていると
このまま進まないんじゃないか、って気になってしまいます。
この劇中でも言及されることですが
絶対に動かないなら動かないで諦めもつくのですが
断続的に数メートルは進んでいくもので
それも定期的ではないので
気を緩めるわけにも寝るわけにもいかずに
緊張を保っていなければならないのがひどく疲れます。
このお話では結局1年近く渋滞に巻き込まれるという
ありえない設定ですが
それ故に一時的な共同体のようなものを作って
その中で人間関係もできていくのですが
最初はバスの運転手がトイレを貸さなかったり
夜中でもステレオをガンガン鳴らしたりして
いざこざがあったりしますが
最後の方はみんないい人になってしまうのが
いいのか悪いのか。
もし自分がこのメンバーの中にいたら
どの立ち位置に立つかなぁって想像してみると
面白いんですが、マーチのおじさんみたいにはなりたくないなぁ。
劇中では本名が語られることはなく
車種がハンドルネームのように使われます。
男女13人(男7人、女6人)で
当然のようにそこでカップルができていきます。
バスとグロリアのカップルには子供もできます。
しかし最後にとうとう渋滞が解消し車が進むにつれて
1台、また1台とこのグループからいなくなってしまいます。
人生でも、例えば学校生活で卒業を迎えると
昨日まで毎日のように顔を合わせていたクラスメートと
一人、また一人と会うこともなくなり
その共同体は消滅し、
進学や就職をすることでまた新たな共同体がつくられ
その中に所属して、それを死ぬまで続けていくわけで
そのせつなさをラストでは結構感じました。
たぶんもっと深いメタファや含蓄のあるセリフもあると思うんですけど
自分の感受性ではこのへん位しか読み取れませんでした。
もう一回みても新たな発見がありそうな
そんな厚みのある舞台だと思います。
会場はシアタートラムという三軒茶屋にある劇場で
ここ数年はよくお世話になっている劇場です。
今回は客席がステージを360度、
四方を囲んでいる形になっています。
青山円形劇場と違うのは
こちらはステージが高くなってないので
お客さんが見下げる形になります。
自分は舞台正面1列目で
前述の通り、ステージが高くなっていないので
演者さんが移動するときに、自分の目の前を通過したり
そのまま腰を降ろしたりします。
あまりにもその距離が近いので
荷物も前に置けないし、足を伸ばせないほどです。
ステージを挟んで対面や左右にもお客さんがいて
その中ですごい感情移入しやすい女の人がいて
劇中で険悪な場面になると
もう自分が悪いことしたみたいに苦渋の表情を浮かべたりして
本当にその中の一部になっているようでした。
今回観に行った動機は
長塚圭史演出というのもありますが
毎度毎度のことながら出演者によるところが多く
安藤聖、江口のり子、黒沢あすかとそうそうたるメンバーで
その中でも真木よう子は一番楽しみにしていました。
ドラマ・映画に出ていても見たことないんですが
なぜか前々から気になる女優さんで
言葉では表現しづらい求心力があります。
生で観てとりあえず、顔が小さい。
江口さんも背に比べたら断然小さいんだけど
この顔が小さいというのは
テレビに出る人にとっては一種の才能でしょうね、
しかも小さくてブサイクな人ってみたことないし。
目の前を何回か通過したりしましたが
意識しすぎて逆にあまり見れないって
今思えばもったいないですね。
ステージセットが小道具以外はほとんどないので
このメンバーで5000円というのはかなりお買い得だと思います。
例えばライブなんかでこんな1列目なんていったら
オークションで数万円でやり取りされる位の価値で
それもステージとの間にはそれなりに距離があって
今回のように手を伸ばせば触れちゃうような近さっていうのは
実はとんでもないことなんだと思うんですけどね。
肝心の内容ですが、高速道路上で原因不明の渋滞に巻き込まれた人たちが
様々な人間関係を形成していく様子を描いたある種の密室劇で
アルゼンチンの作者による原作があるそうです。
ワークショップを通してシナリオを構築していったらしいですが
このワークショップっていうのを体験したことがないので
実際にどんな感じでできていったかはあまりよく分かりません。
素人考えで、セリフがない方が自然に演じられそうでいいと思うんですけど
そんなことないんですかね。
渋滞は本当に嫌いで、車を運転したくない理由の一つでもあります。
理屈でいえば時間が経って解消されないわけはないんですが
フロントガラスから見る限り、テールランプが連なっていると
このまま進まないんじゃないか、って気になってしまいます。
この劇中でも言及されることですが
絶対に動かないなら動かないで諦めもつくのですが
断続的に数メートルは進んでいくもので
それも定期的ではないので
気を緩めるわけにも寝るわけにもいかずに
緊張を保っていなければならないのがひどく疲れます。
このお話では結局1年近く渋滞に巻き込まれるという
ありえない設定ですが
それ故に一時的な共同体のようなものを作って
その中で人間関係もできていくのですが
最初はバスの運転手がトイレを貸さなかったり
夜中でもステレオをガンガン鳴らしたりして
いざこざがあったりしますが
最後の方はみんないい人になってしまうのが
いいのか悪いのか。
もし自分がこのメンバーの中にいたら
どの立ち位置に立つかなぁって想像してみると
面白いんですが、マーチのおじさんみたいにはなりたくないなぁ。
劇中では本名が語られることはなく
車種がハンドルネームのように使われます。
男女13人(男7人、女6人)で
当然のようにそこでカップルができていきます。
バスとグロリアのカップルには子供もできます。
しかし最後にとうとう渋滞が解消し車が進むにつれて
1台、また1台とこのグループからいなくなってしまいます。
人生でも、例えば学校生活で卒業を迎えると
昨日まで毎日のように顔を合わせていたクラスメートと
一人、また一人と会うこともなくなり
その共同体は消滅し、
進学や就職をすることでまた新たな共同体がつくられ
その中に所属して、それを死ぬまで続けていくわけで
そのせつなさをラストでは結構感じました。
たぶんもっと深いメタファや含蓄のあるセリフもあると思うんですけど
自分の感受性ではこのへん位しか読み取れませんでした。
もう一回みても新たな発見がありそうな
そんな厚みのある舞台だと思います。