オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

フェアーとは?

2006年07月08日 | Weblog

フェアー(fair)とは欧米でよく使われる言葉である。

 日本語では公平、公正なことの意味であろうか。よく日本では「欧米のやり方がフェアーであり、日本のやり方はフェアーではない」「欧米のフェアーなやり方を取り入れるべき」といった批判がなされるが、果たしてそうなのであろうか。私流に言わせると、日本のやり方も欧米のやり方もフェアーである部分とフェアーでない部分があるということになる。考え方はフェアーであっても結果的にフェアーでない場合もあることを反省すべきである。これがフェアーですという側と、それはフェアーではないという側の対立概念があることも確かで、あくまでも契約社会の中で定義づけられた「フェアー」であって、契約の同意のない者にとってはフェアーではない。

例えば、能力主義、実力主義がフェアーだという考えがある。

 能力や実力を評価する期間の長短によって、または評価の要素によってフェアーの考え方が変わってくるはずである。1年間の売り上げ成績をもって能力、実力を評価した場合、過去の売上実績や将来の期待性は評価されず、売り上げ金額の比較だけで人物評価もない。そういう意味ではフェアーではない。反対に雇用期間のすべてをもって能力、実力を評価する場合は、年功序列となり新人に不利でフェアーではないことになる。短期の特定要素の評価も、長期の総合的評価もどちらもフェアーだといえる。ライフサイクルで評価する場合は新人と古参の不平等があっても、いずれ新人も古参になるのでありフェアーといえる。問題は、短期の特定要素の評価を全人格評価として絶対視することであり、長期の総合評価に甘んじて努力を怠ることである。この両方を調和させてフェアーを追及しなければならない。

日本の年功序列がフェアーではなく、欧米の能力主義、実力主義がフェアーであるという考えはおかしい。

 たぶん、日本と欧米の考え方には全体と個々の違いがあると思う。日本の場合は全体を捉えてフェアーを追求しているが、欧米は個々を捉えてフェアーを追及している。日本の場合は島嶼国家で単一民族で農耕民族で長期の信用関係を重視した考え方をするが、大陸国家で多民族で牧畜国家の欧米では短期契約の考え方が主流であり、国民性が異なると思う。だから、日本は欧米型の能力主義、実力主義を安易に追求するのではなく、日本の古来の長期レンジでの考え方である年功序列制度をどうしたらフェアーにできるかを考える必要があると思う。日本には日本のやり方があるのであり、このやり方をさておいて欧米流の短期契約型の考え方を持ち込んでフェアーではないと文句を言ってもしょうがない。

短期契約型の社会も問題を含んでいる。

 決められた期間内に具体的な結果を出さなければならないので相当の無理を生じる。長期的にはちぐはぐなやり方をつなぎ合わせたおかしなものになってしまう。短期契約であるので信用関係も希薄で長期の大規模な事業には向いていない。短期の数値と結果のみが重視され、長期的な展望、一貫した施策、総合的な評価が欠落してしまう。常に勝ち続けるゲームはゲームとして成り立たないのである。勝つこともあり負けることもある。勝率をいかに上げるかが問題であり。常に勝たなければならないという考えは現実的でないし架空の幻想である。通常、連敗を避けるぐらいの考えが現実的であり、連敗をなくすだけでも勝率は50%以上になり、これでも勝ち過ぎで通常は勝ち組であっても勝率は3割以下ではないだろうか。たとえ負けても最善を尽くしているのであれば正当な評価をすべきであろうし、この負けた経験が次の勝ちへつながるのであろう。

「グローバルスタンダード」という言葉がある。

 果たして今現在、地球規模の「グローバルスタンダード」が存在するのであろうか。日本で言う「グローバルスタンダード」はほとんどが「アメリカ流」だと思う。日本流のやり方をしっかりと世界に向かって提言してゆくのが本当のグローバル化だと思う。そして日本のすばらしさと価値を世界に主張して売り込むことだと思う。幻想の「グローバルスタンダード」に日本を合わせようとすると日本の良さと価値は消滅してしまう。世界の各国が自国の個性を主張しあっているのが現在の世界情勢であろう。それを得体の知れない「グローバルスタンダード」という言葉を使って統一化しようとするのは昔の専制政治に近いのではないか。「グローバルスタンダード」とは戦うべきであり降伏すべきではない。日本のやり方がグローバル化によって通用しなくなったのではなく、通用するように世界に向かって理解と協力を得るように努力すべきだと思う。 

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