甘酸っぱさに・・・

冷え込んだ庭先に、明るく西日に映えて
金色の金柑の実が輝いている。
小さな木なのに、毎年鈴なりに実を付けてくれる。
実を一つ採って、シャツでごしごし拭いて
そのまま、皮ごとかじる。
皮を歯でかじりとるようにして、剥いで口に入れる。
甘酸っぱい香りと味が、口の中に広がる。
懐かしい味だ、
おばあちゃんが縁側で食べさせてくれた味、
遠い昔の記憶がよみがえる。(以前にも、何かに書いた気がする)

残りの実を皮のまま口に放り込んで、むしゃむしゃ食う
口の中に広がるこの甘酸っぱさは、
金柑の味とおばあちゃんの思い出が
交じり合った、複雑な味だったんだ。