少年

2006-08-07 23:55:47 | 徒然に
先日、電車に乗った折の事である
快速電車では留まらない駅に行くので、各駅停車に乗り換える
夏休みだから、海に向かう人たちが多い
もう、そのまま、海に入れそうな露出度の高校生とおぼしき集団

もう乗せなくてもい良いんじゃないのっと、思う子供を乗せて、
三台のベビーカーを連ねて話してる若いママたち
女高生もビックリのいで立ちである

進行方向に向かって座っている私には、何とも、刺激的で
猥雑な車内の風景である

目のやり場に困って、通路の先を見ると・・・
なんと、先頭車両に乗り込んだようだ

通路の突き当たりに運転席のドアがあり、
進行方向の景色が飛び込んでくるように迫ってくる

そのドアの前に、Tシャツに半ズボンの小学3年生くらいの男の子が立っている
次から次へと変わる景色に、見とれているように見えた
肩から袈裟懸けに掛けた水筒を片手で持ち、
両足を開いて電車の揺れに体を揺すられながらも
顔は、正面を向いたままの姿が、頼もしく見える

トンネルの多いこの路線は、次から次へと、短いトンネルの闇に突入する
暗闇に入ったと思うと、出口のまぶしい明かりが近づいて、
直ぐ又次の闇に突入する

近くで続いているヤングママ達の、ざわめきから逃れて、
私も少年の脇に立ちたい、衝動に駆られた

長いこと忘れていた、電車の先頭で見る風景を切り裂いて進む興奮に
私も浸りたいと思ったのだ

子供の頃に、弟と出かけた海水浴場をなぜか、思い出していた
あの頃も先頭車両に乗って、あの少年のように、
あたかも自分が電車を運転しているかのような、
甘美な錯覚の世界で遊んだ、思い出

まだ、綺麗な遠浅の海があった頃、
真っ黒になって海で遊んだ夏の日の思い出に
浸っている私にお構いなしに
周りでは、思い思いの賑やかな会話が飛び交っていた

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4 コメント

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「家」から離れて (たけぞう)
2006-08-10 00:23:22
静岡舞阪の浜辺で遊ぶセーラー服の乙女3人



いいですねぇ、

普通のよゐこが、そんなことを気まぐれにしても、

許された良き時代だったのでは



人間って、保護された、いや保護をされてしまう

しがらみの「家」を離れて、独りになって

初めて、世界を見渡し認識できるのかも知れない



私の場合は、高卒で入った東京の会社で半年後の配属が

なぜか、大阪だった

他人の飯を食うと言うことを思い知らされた

青春時代だったのかな



今にして思えば、私のなかにある「よからぬもの」は、こうして育っていったのかも知れない



あららっ、なんだか、フィクションが過ぎたようで てへへ

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国鉄 (タネ)
2006-08-09 20:40:08
家の近くには私鉄しか通っておらず、親の付き添いがなく国鉄に乗ったのは高校二年 



友達三人と学校をサボって県外で電車の駅を降りるとすぐに海という場所を地図帳で捜した



なんとセーラー服で学校のカバンを持ったまま

よく補導されなかったもんだ



静岡舞阪の海は遊泳禁止、季節も夏はもっと先で、浜辺でオカーサンの作ってくれた弁当を食べて

砂浜にスキな男の子の名前を書いて波に消してもらった



何の不満も反発も抵抗もなく ただの「悪い子」のポーズだけだった

それが証拠に2度とそんなことはしなかった

大して楽しくなかったからだ



もっと遠くに楽しい家出を実行するにはそれから4年を待たねばならなかった(笑)
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揺らいで揺れて (たけぞう)
2006-08-09 01:22:46
小さな河にかかる橋を渡ると

そこは、小さい頃預けられた海辺の集落



夕暮れに砂浜に出れば

オニヤンマ、ギンヤンマが空を覆ってた



海に注ぐ河でモズクガニを取り

岩礁で採った海ホウズキ



いつも傍にいてくれたおねえさん

優しかった初めての女の人



網置き小屋で過ごした幼い二人のあの時

おねえさんは、まだ、覚えているのかな



++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

このブログに、たけぞうの名で書かれていることは、

フィクションです ^^



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 (dokoiku644)
2006-08-08 22:34:04
高校の3年間電車に揺られていた

きっと一生分揺られてしまったのだろう

その癖が染み付いて抜けられずにいるのかも



僕は川沿いで育ったせいか

心に流れる川を探してしまう

『そこに行けばきっと安らげる』

けれど その川がなかなか見つからない



少年の頃 確かにそこで

泳いだ筈なんだけれど・・・



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