ドラクエ9☆天使ツアーズ

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2015年03月07日 | ツアーズ SS

対外交官執務室。

その末席に所属し、公使としての権限を与えられている身の上では、やはり細やかな報告は義務だろうと思う。

ので。

ここ一週間程、ヒロの故郷に滞在していた間の事を報告しに登城したミカだったが。

室長が不在であり、代わりに出迎えた書記官は、一通りの報告を記録し終えてから、深々とため息をついた。

「本当に貴方は融通の利かない性分ですね」

一応聞き取りは行いましたが、と、机上の書類を公式文書として保管するのを、もてあましているような素振り。

何が言いたいのか、と口をつぐんでいれば、ミカに対応した年若い書記官、ヤン=ナルナーは顔を上げる。

「これは友人の宅に招かれた、娯楽で済まして構わない事例だと思いますが」

そんなことまでいちいち報告にくるな、とでも言いたげだ。

しかし、未発達の地に暮らす人々の行いや質、それによってもたらされている益と害、その先の展望、

そのような類は、国の導には十分な視点だと考えたからこその、報告。

ミカがそう言えば、その言葉をしばし吟味したヤンは、書類に公式の印鑑を押した。

「貴方がそう判断したのであれば、一つの材料として手配するようにいたしますが」

なんなんだ。

さっきから随分と歯切れの悪いヤンの態度が、納得いかない。

いや、さっきから、というか、ミカが登城する度、その所在を明確に報告する度、出迎えるヤンは、

決まって、このように思い切りの悪い反応をしてきたように思う。

自分の行動に不備があるなら、明確に言ってもらいたい。

その旨を告げると、書類を公式の綴り箱に保管したヤンは姿勢を正す。

「いえ、貴方の好きにさせるよう公爵様には言いつかっているのですがね」

また、「が」、だ。

と、いい加減、聞きあきた逆接「が」に知らず眉根を寄せているミカを見て、ヤンが苦笑する。

「一辺倒というか、堅物すぎるというか、柔軟性がないというか、機転が利かないというか」

全部同じ意味だ!

そんなことはもう、自分でも十分自覚している(今ではやいのやいの言う奴らがいるので)。

それを不都合だと思うのならば、そちら側から弊害の具体性を示せばいいのではないか。

と、ミカ自身は思っている。

口に出すべきかどうか考えあぐねたのは、まず、やいのやいのいう奴ら、の存在が頭をよぎったからだ。

ウイやヒロは、ミカの態度に障りがあれば、モノ申す!と言わんばかりに騒ぎ立てる。

その非難に納得できる事もあれば、感心することもある。必要なら、勿論改める。

そうした関係は、あの仲間たちにしか成り立たないものなのか、と、ふと思い。

何故成り立たないのかを考えようとした矢先。

「貴方を見ていると、つい、心配になりますよ」

と、意外な事を言われ、思考は完全に中断された。

心配?

「臨機応変に立ちまわれないで、この先、城の内部に関わっていけるのかどうか、とか」

対外交執務室内では、若造、と揶揄され、経歴も立場も未熟である事を自他共に把握しているヤン。

そんな彼が、ミカに対して抱く不安要素。

それに興味をひかれたが、ヤンは、軽く首を振った。

「いえ、それは過分でした」

捨て置いてください、と言われても、もう言葉は取り消せない。

互いに、その「過分」を挟んで向かい合う構図が出来あがってしまった事。

この年上の書記官は、頭が良い。むしろ、それを狙って失言したのではないかとも勘ぐれる。

では、ミカに対してそう策略しなくてはならない闇の部分とは何だ?

立場か、階級か。あるいは、もっと深淵の部分。貴族社会に巣くう闇の、脅かし。

そう考えざるを得ない自分からは、おいそれと返答するわけにもいかない。

無言を貫くミカを前に、ヤンは何事もなかったかのように、口を開く。

「たとえば、公使としての貴方に城下での調査を依頼したとして」

簡単なお使いを済ますことは容易い、けれどそこに突発の事故が発生した場合。

「ひったくりにあったとか、負傷したとか、手助けを乞われたとか」

そんな、単純すぎる突発の事故の例を上げて、ヤンはわざとらしく、ミカの顔を覗き込む。

「そういう事一切を無視して、任務一直線、最短でここへ戻ってくるでしょう」

公使の宝飾を奪われて、血みどろで、人々に罵られながら戻ってくる貴方が見えるようです。

と、やれやれと言いたげに首を振って見せるヤンに、呆れて文句の一つも出てこない。

ばかばかしい。

ひったくりには対処できるし、負傷すれば応急処置に時間を割く。

他人の手助けも要不要を判断し、助けるか人員を手配するかくらいはできる。

そう返せば、ヤンは、大げさにのけぞってみせた。

「えっ、そう言う事はできるのですか!」

小ばかにしているのか、と目を据わらせるミカに、全く動じず、ヤンは感心した風を見せる。

そして。

「はー、では何故それが、外の国ではできないのでしょうね?」

と、新たな問いかけ。

いや、外の国でも同じだ、と反論すれば、出来ていませんよ、と返される。

「貴方がこうして律儀に国を離れる報告と戻った報告を繰り返すのは」

つまり、今のたとえ話と同じ事です、とヤンは言う。

それも、ばかばかしい話だ。

城下での立場と、外国での立場を同じに考える事がおかしい。

そういえば、どちらでも公使としての立場ですよ、と重ねて「同じ」を主張する。

いや、同じであるわけがない。

城下では、公使としてのミカは侯爵家を背負う。その権力に守られている。

だが、国を出れば、侯爵家の肩書などお飾りに過ぎない。公使としての権力を背負うのだ。

守られるのではなく、自分が国を守らなくてはならない。

そのミカの主張を、真摯に聞き入っていたようなヤンは、しばらく考え込み。

「なるほど」

と、ようやく顔をあげた。

「貴方は、自分より立場が上の方に就いたことがないのでしたね」

それもまた、意外なことを言われた気がした。

幼少より、立場が上の者たちにはおのずと関わってきている。

侯爵家の実権を握る祖父を初め、幾人もの家庭教師、そして学校の教師、近衛では師団長、と

何事も彼らにつき従い、導きを受けて来た。

その事を、ヤンは、「いいえ」、と退けた。

そのどれらも貴方より立場は下です、と続ける。

「何しろ、あなたは時期侯爵家の正統なる後継者ですからね」

誰もミカには逆らえない。

そして。

「誰も、貴方を守りえない」

それは。

階級の話を持ち出されれば、それを認めざるを得ないことも確かだ。

その階を、一度たりとも忘れたことはない。だがそれをあえて行使したこともない。

そんなミカの言い分に、そうでしょうね、とヤンは頷く。

「貴方は、この私にも一様に礼儀正しいですから」

余程、気高く教育されてきたのでしょう、と言われ、それは嫌味か論いの類か、と困惑する。

ヤンには、随分と居丈高に振る舞っていると思うが。

率直にそう言えば、ヤンが苦笑した。

貴族社会での権力を行使した振る舞いなど。

「貴方のそれとは比べ物になりませんよ」

その物言いは、初めて彼が見せた本音のようなものだと思えた。

内面を悟らせず、常に沈着冷静、およそ一己とは無縁のように執務に身を置いている彼の、

抱えているもの。

その不穏さに気づかれた、と悟ったのか、一瞬、ヤンの表情が硬くなったが。

すぐに、平静を装って見せた。

「そういうことではなくて、ですね」

今、貴方は公爵様に仕えているということがどういうことか解っておられないようなので、と前置いて。

「あの方が、貴方に、好きにせよ、と仰られているのは、それだけの権力がおありだからです」

対外交の権力でもって、国中を掌握し、国外を把握できる。

加えて、公爵という貴族世界での最高権力者。

王の信任を引き受ける重責。

「貴方よりはるか高みにあるものなのですよ?」

…それは、理解している。

侯爵家の後継者として、かの公爵との間がもっとも緊迫しているのは、まさにその高みだ。

「ええ、理解できてはいても、実感してはいないようですね」

実感?

これ以上、何を実感しろと?

「貴方の、国を出るときの覚悟は相応にふさわしいものだと、恐れ入りますが」

そんなものは、あの方にとっては塵も同然でしょう、と言い放つ。

「貴方がどこで何をしようと、好きにさせているのは、それだけの権力で」

あなたを守っているのだ、とヤンが言う。

公使として、ミカが国を守るのではない。

国を守っている公爵が、自分の使いとしてミカを守っている。

城下で、侯爵家の跡取りとしての盤石の地位、それは外つ国においては、そっくりそのまま、

公爵の地位に置き換えられる。

侯爵家をいとも簡単に囲い込める、公の爵位。

「だから、貴方が何をしようと構わないと、思っておられるのですよ」

ミカのとるどんな失態も、愚行も、国と国にとっての致命傷にはならない。

そうさせないだけの確証も、実力も兼ね備えているからこその、今の地位。

どれだけ今のミカがあがこうと、あの権力の前には無に等しい。

「貴方の誇りを傷つけるつもりはありませんが」

と、すっかり押し黙ったミカの様子に、ヤンの口調が柔らかくなる。

「つまり、それだけ貴方のことを高く評価していると言ってもいいでしょう」

あの方を失望させない限り、貴方は何があっても守られる、と断言する。

だからもっとよく考えてみてください、とヤンは言う。

城下でできることは、外の国でも同じようにできるのだということ。

わかっているようで、わかっていない。

「あの方が貴方に期待しているのは、任務ではないんですよ」

じゃあなんだ、と問えば。

「貴方自身です」

と即答されては、それ以上、どうやっても突き詰めることができない。

ミカの中では未消化のまま、話が終わってしまった。

 

 

 

守られている、とヤンは言った。

確かに、公爵家に守られるという意識はなかったな、と城を出ながら、考える。

立場が上の者に就いたことがない、と言ったヤンの言葉も理解できる。

だが、期待されていると言われ、それに応えるために自由になれと言われても

何もかもがあいまいで、確固たるものがない。

と。

背後から突然、軽い物に体当たりされ、思わず前のめりになるのを踏ん張ったと同時に。

「ひゃっほぅ、ミカちゃん!おかえり!」

と、よく聞きなれた声が背中から聞こえ、抱きつかれたのが解った。これは。

コノヤロウ!

怒りの形相で振りかえっても、どこ吹く風、ウイはいつも通り笑顔を見せた。

「やー、丁度良かった、昨日ヒロも帰ってきたよ」

これで全員揃ったね、と無邪気に喜ばれては、怒りよりも脱力しようというものだ。

とりあえず人々の好奇の目から逃れるために足早にその場を離れれば、ウイもついてくる。

ウイのこの背後から飛びかかってくる神出鬼没っぷりは、どうにか改まらないものか。

と、苦く考え、そういえばウイの突撃だけは防げないな、と気づく。

ミカは、常に周りに気を張っている。

それは侯爵家の後継者としての自覚と責任の成せる習性だ。

日常の中で闇雲に不意を突かれたり、出し抜かれたりしたことはないと言っても良い。

なのに。

ウイにだけは、どうしてもダメだ。

「ん?なあに?」

ウイの様子に他の者たちと何か違いはあるのかと、そんな話をすればウイは首をかしげた。

「それは、うーん、ほら、…ウイは天使だから?」

天使たちが地上を守っていたころ、羽も光の輪もあった頃、人は天使を認識することがなかったから。

その名残かな?と、逆にミカに問うてくる。

そんなことを聞かれても困るが。

天使、という言葉に、もうひとつひらめいた事があった。

地上で天使の任務を遂行し、天に還る。それは、今の自分と同じ形態に思える。

「あー、ホントだね、ウイも地上で光を集めて持って帰るっていうお仕事だったよ」

じゃあそれを自由にやれ、と言われたらどうか。

「ええ?自由に、って何?光を集めてー、帰るー、…でしょ?それ以外にないよ」

そうだよな、それ以外にないよな。それが当たり前だよな。

と、ようやく孤軍奮闘から解放されたような気がしたが。

あーでも、と言うウイの声にそちらを見る。

「羽をなくしちゃってた時は、自由だったかな」

それが自由?

羽がない状態の時は、まず自由以前に任務が成り立たないのではないか。

「そうだね、だからウォルロ村を離れてどこまでも行けたし、何でもできたよね」

ミカ達にも出会った、果実集めも手伝ってもらえた。天界にも付いてきてくれた。

本来、人は天使を見ることも、存在を確かめることもなかったはずなのに。

「こうして今も手をつないでいられるし」

あの自由がなかったら、今はなかった、というウイの言葉を考える。

ヤンが言っていることは、…公爵が期待しているのは、そういうことなのか。

では、ミカにとっての「ウイの羽」は、侯爵家か。

それを切り離し、世界を好き勝手にひっかきまわしてこい、と言われているのか?

そんな話をウイに聞かせてやると、遠慮なくウイが笑った。

「無茶いうよねー、型物なのがミカちゃんの良い所なのにね?」

なんだそれは。

その言われ方もなんだか心外だ。

「良いって良いって、ウイはミカちゃんのこと大好きだから」

ウイにはそれでもいいが、自分は対外交室では困るのだ。

「ほほう、困っている?それはなかなかミカちゃんには珍しいね」

面白がってるな、コノヤロウ。と、軽く睨みつけても、ウイは全く動じない。

「まあ人なんて勝手に期待して、勝手に失望したりするんだよ」

そういったウイが、ひょいっ、と通りがかった橋の欄干に飛び乗る。

知らず手をつないだままだったので、おい!と、慌てたが、ウイはその手を離さず、欄干を歩きだす。

「その期待をぶっつぶすにはー」

ウイは時々、幼い顔や甘ったれた態度に似合わず、好戦的な事を言う。

そういうところは嫌いではないが。

「その人の期待をはるかに超えた高みに登ることかな?」

そういうのミカちゃん得意でしょ?と、上から見下ろされ、一瞬、天使像を見上げている錯覚に襲われる。

天使の指導というには粗く、乱暴で、めちゃくちゃだ。

だが。

期待なんていう生易しいもので大人しく飼い慣らされているようでは、ぬるいということか。

そう考えて、対外交室という檻の中で飼われようと従順になりかけていた自分に気づく。

既存の檻を窮屈だと否定して飛び出しておきながら、だ。

ミカがその事に気付いたのと、欄干からウイが身軽に飛び降りたのが同時だった。

「でもね」

と、ウイが並んで歩みを進めながら、ミカを見る。

「その人が心配しているのは、本当なんだと思うよ」

心配?

ヤンが、ミカの堅物なところを問題視し、立ち入りすぎたから無かった事にしてくれ、と言った件。

それをウイは、ウイなりにこの話の要だと、判断したらしい。

「その人が、真実、ミカちゃんの味方になるかどうかとかウイには解らないし」

そう、世界が違うから。

「ミカちゃんが、策略とか陰謀とか常に警戒して疑わないといけないのは解るけど」

世界が違いすぎて、ウイには不似合いな単語が出て来たな、とどこか意識が散漫になる。

それらを一気に引き戻す言霊。

その人が心配しているっていう部分は信じていい、とウイは言い切った。

「その人は今のミカちゃんの在り様だと心配だから、忠告してくれたんだと思うよ」

誰も、ミカには逆らえない。

そして、誰もミカを守りえない。

そういう立ち位置であるミカのことを注視したヤンが、言いたかった事はたった一つ。

「お城にはミカちゃんを守る立場の人がいるっていうこと」

貴族社会において孤立無援ではないということ。表立ってそうとは解らなくとも。

それを理解して欲しかったのではないか、とそう言われて、ミカは歩みを止めた。

唐突に立ち止まられて、ウイが軽くよろめく。そしてミカをみる。

「ミカちゃん?」

「複雑すぎる…」

なんなんだ。対外交の話じゃないのか。

ミカが対外交室での立ち位置を誤っているがゆえの、書記官としての勧告ではないのか。

「あ、うーん、それもあると思うけど」

では何故、それらを雑多にかき回し秩序なく一つの話にしようとするのかが解せない。

順序とか、手筈とか、そういう…。

「書記官としてのその人も、ただ一個人としてのその人も、一緒なんだから解ってあげないと」

わかるかあ!!

と、難解すぎて何かに八つ当たりしたい気分を、吐き出すように、ため息をひとつ。

くそ、知恵熱が出そうだ。

「それが、ミカちゃんの世界なんだよね」

自棄になったミカの心を静めるように、ウイの言葉は穏やかだ。

「階級があって、陰謀があって、戦いで、騙しあいで、真実が真実の形をしてなくて」

ああ、そうだ。

それは、嫌というほどわかっていたはずの事を、改めて指摘される重み。

「でもね、その中にも、心はあるんだよ」

その言葉で、解っていたはずの事に、一つの波紋が広がっていく。

心があるから、人が動く。

人の本質には、心が深く関係している。

そうした人の中から発される言葉の嵐をかいくぐって、生き抜かなくてはならない現実。

「それが解らなくなったんだったら」

ウイに手をひかれ、目を上げる。

「そこから出てくる事が、自由だよ」

自由。

あいまいで、頼りなくて、明確にとらえる事が出来ないもの。

「ミカちゃんの自由は、ウイたちが持ってるでしょ」

そう言われて、瞬く。

ウイが、ヒロが、ミオがいる。

その存在。それは、あいまいではなく、頼りなくもなく、明快で単純で、この手に捉えられる。

「ミカちゃんが複雑だ、って思うならウイたちが助けるよ」

一緒に考え、悩んで、答えを導き出す。そうすることができる、自由がある。

正しくても、間違っても、何度でもやり直す。何度挫けそうになっても、もう一度やり直す。

そうやって強靭になっていく魂。

「そうしたら、いつの間にか人の期待なんて軽く超えちゃうよ」

簡単でしょ、とウイに容易く言われると、先行きの不透明さも晴れていくようだ。

そうだ、この仲間だからこそ、築ける関係だと思った。

ウイたちは、ミカのもつ階級をものともしない。

もっといえば、ミカのいる世界を壊滅させるほどの破壊力をもって、つながっている。

それを自由だというのなら、確かに、自分は自由を手にしている。

そして、そのことをこそ期待されているというなら、その期待が指し示すものは、

階だ。

世界を取り巻くもの。

嘘と、真実。人と、心。期待と、…反骨。

そういうものを結び合わせる存在であればこそ、という働きを担う。

確かに、それは対外交室の誰でもなく、今のミカにしかできないことだろう。

…なるほど、簡単だな。と、嘯けば、でしょでしょ?とウイが応える。

「そんなミカちゃんに、朗報です」

うわ、とたんに胡散臭くなりやがった、と憎まれ口を叩けば、ウイもにやり、と笑う。

「ヒロの家に行ってミオちゃんは、里心がついたみたいなのであります!」

それには、へえ、と素直な声が出た。

目標を果たすまで帰れません!えっと目標は今から考えます!とか何とか。

つまらないことを主張していたミオが家に戻る気になったというなら、それはそれで

彼女の中で何かが変わったのだろう。

「だから、今度はナザム地方でございます」

と、敬礼のポーズで報告してくるウイに、解った、と告げる。

ちょっとここで待ってろ、とも。

「待ってるけど」

「対外交室に報告してくる」

そう言えば、解っていたかのようにウイが晴れやかに笑った。

「それでこそ、ミカちゃん」

と、後押しされて、今来た道を戻る。

戻りながら、間髪いれず戻ってきたミカの出国報告を聞かされて、ヤンがまた渋い顔をするのか、と思えば

なぜか、愉快な気分になった。

 

 

 

 

 

きざはし。

離れた場所と場所をつなぐもの。その在り様。

 

檻から外へ、つなげる役割を担い、型にはまらず世界を広げ続ける、階。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

何故か今日唐突に思い浮かんできて慌てて書きなぐった突発SS

なので、話に意味とかオチとかありません!

推敲とか構成とかもしてないので、本当にだらだら生まれる文章を記録しただけの

下書き状態になっちゃってます

(マンガ的にはただのイメージ画、って感じ)

 

実は以前、公爵とヤンさんがミカの事を噂するSSが唐突に浮かんだことがあって

「やったね、いつか書こうっと♪」

なんて温めていたら、脳内ノートから影も形もなくなってしまっていたので…

多分それの鎮魂歌…的な…

(公爵との話しがあったがゆえに今回ヤンさんが心配して気遣ってくれてるっていう) 

それはそうと、公爵と侯爵がややこしくてすみません(;'▽')

書いてる時もこれだけは間違ってはならぬ!!とそればっか気が気がじゃなくて困るっす 

(ミカのターンで、貴族階級の設定も公開しますよ)

 

 

 

 

 

 

脳内ノートに、「いつか」などない!と思った日

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