洗濯

「私の頃は、川でおむつ洗ったのよ、大変だったー」

イシカワさんは沖縄のひとだった。
北海道のひとと結婚して、あちこちに住んだ。
わたしの娘が生まれてすぐに顔を見に来てくれた。
三鷹の６畳一間のアパートに住んでいたころ。


一年間とちょっと、布おむつを使った。
バケツに放り込んでいくとすぐにいっぱいになり
毎朝２０枚のさらしの布おむつがひるがえるのは壮観とも言えて、
これを毎日毎日、川で手で洗うの、と思った。


子どもが生まれる前からなにかとかわいがってくれて
今朝はまわる洗濯物を見ながら、彼女のことばかり何故か思い出されて
今からでももし会えるならすぐに会いたいと
会って「お見舞いに行けなくてごめんなさい」と謝りたいと

「お母さんだと思ってなんでも言って」
と言ってくれた彼女に