朝からの雨、風のある寒いなかを農業園芸センターに集まった16名、
久しぶりの会のイベントに安堵と嬉しさでいっぱいでした。
佐藤真由美さん司会進行で髙橋弥生会長挨拶のあと、
懐かしい菊地先生のセミナーは始まりました。
とにかく面白く、あっという間の一時間半を聞き入ってしまいました。
会場は寒かった~~
司会進行:佐藤真由美さん
高橋弥生会長のあいさつ
農学博士 菊地秀喜先生
【ナシ編】
弥生時代にはすでに食されていた野生のナシがあったとか、梨園とは、もともとは梨の花を舞台に飾って踊ったことから歌舞伎の世界のことをそういわれるようになったとか。うんちくは続きます。
ナシは大きく分けると3種類(日本ナシ・西洋ナシ・中国ナシ)、宮城県は最大の産地の蔵王町、利府町、角田市を控え、取り立てのナシを食べられる恩恵に浴しています。
ずっと以前は長十郎というジャリジャリといった食感のナシが多く、あまり好きではなかったという印象ですが、最近のナシは美味ですね。
幸水・豊水・二十世紀・あきづき・新高・かおり・甘太・王秋・・・等々、いろいろな品種のナシが店頭に並ぶようになりました。
購入する時は、品種ごとの地色と表面色を見極めて、皮がぱちっとした感じのナシを選ぶといいとは菊地先生の弁。
野菜ソムリエとしては見極めが大事ということですね、お勉強になりました。
今や長十郎が生産、販売されているのは希少という宮城県ですので、案外、食味や食感の違いで食べ比べするのは面白いかもしれません。
蔵王町には西洋梨の産地もあり、追熟した食べごろを知って食べたいものです。
ブドウ編
最近は「シャインマスカット」が高価ながらも出回っていて、皮ごと食べられるブドウが美味しいという代名詞でもあります。
さて、ヨーロッパではブドウは皮ごと食べますが、それは皮が薄いからという理由だそうです。
このシャインマスカットは日本が生んだブドウです。
アメリカ種1種類とヨーロッパ種3種類の掛け合わせによって生まれたブドウで、案外栽培が容易だそうで、そのせいか近年は価格も安価になってきました。
そして、シャインマスカットの種無しの技術は、植物ホルモンの「ジベレリン処理」によるもので、なんとこれまた世界に誇る日本の技術なのです。山梨県果樹試験場の岸光夫博士の発見です。
この処理を2回することによって種無しで実の大きいブドウが誕生するわけです。おなじみの巨峰もこうしてできた、日本うまれのブドウなんです。
ブドウといえばやはりワインですから、実は日本のように生食する国は少ないそうですが、こういった知識も野菜ソムリエとしては是非知っておきたいものです。
いよいよお勉強の内容は濃くなってきました。
もともとは雨が少ない気候がブドウには適しているために、主にヨーロッパやアメリカならカリフォルニア、チリといった産地が有名で、日本ならば山梨、長野というところが主な産地になります。
近年は宮城県でもワイナリーはいくつかできていますが、この理由から太平洋側では栽培が難しいとのことで、今後の品種改良や栽培技術などの向上や対策が課題になるだろうと思います。
そして、ブドウの栽培と川は関係があるというお話もありました。
ドイツワインというと、ほとんどが白ワインですが、偉大なライン川があるために土地が温まりにくく冷めにくいという特徴が早生のブドウしか作れないということで、白ブドウの種類になってしまうとか。
最後に、家庭でのブドウの保存法として、実粒を一粒ずつ切離して密閉度の高い容器や袋に入れておくと、なんと冷蔵庫で2ヶ月程度は大丈夫、という嬉しいお話を伺いました。その時に、一粒一粒はそれぞれ軸をつけたままということをお忘れなきよう、申し添えます。
セミナー後、集合写真を撮り、
さあ、ここからは収穫体験です。
超がつく「雨男菊地先生」だそうですが、私達の意欲熱には敵わないと見えて、雨は上がり無事収穫できました。
ナシは「南水」「甘太」「あきづき」の順で収穫。
地色と表面色を見極めて、少しでも大きいナシをゲットすることを自らの使命に課しただけあって、皆さん満足の様子でした。
その後のまさかのシャインマスカットの収穫は興奮しました。
こちらも重くずっしりとした一房をゲットして、収穫体験はかくも速やかに終了しました。
今回はご参加できなかった皆様、ほんとうに残念でした。
「このようなセミナーはお見逃しなく」、という一言を是非とも言いたい満足度の高いイベントになりました。
ご参加の皆様、お疲れ様でした。
文責 大宮牧子