切られお富!

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円楽の脳梗塞と落語家の病気。

2005-10-14 20:05:11 | 新釈落語噺
六代目三遊亭円生の落語の艶っぽさを好むわたしでも、円楽の下世話さはもうひとつ…。といっても、談志や志ん朝に比べれば聴いた量が少ないので、個人的には判断保留の落語家か…、なんて思ってたら、脳梗塞で入院という報を知り、円楽本人はもとより、円楽党って大丈夫なの?って気になってしまった!

以前も書いたんだけど、本来なら師匠である円生の名を継ぐはずの円楽。そのあたりをどう考えてるんだってかねがね思っていたのだけど、円楽本人に何かあった場合、それどころではない一門の問題になるわけで、ほんとに一体どうなるんだろう…。

とまあ、不謹慎な話はこの辺りで慎むとして、「落語家と病気、そして復活」というテーマでいうなら、忘れてはならないのは、なんといっても古今亭志ん生

志ん生といえば、1961年に巨人の優勝祝賀会で一席頼まれ、そこで演じるものの誰も聞いておらず、脳溢血で倒れてしまったという話が有名。その後、奇蹟の高座復帰を果したものの、芸はかつての輝きを失ってしまったままだった。(高座に出ているだけでOKというファンも多かったというし、そういうオーラも放っていたといいますが、やっぱり巨人って罪作りなチームですよね!)

確かに、志ん生の高座復帰後のテープなんかを聞くと、かなり聞き取りにくいし、元気な頃の志ん生を知ってる人なら、随分枯れた感じだなあという印象を持つはず。でも、これはこれで聴きなれると妙な味があったりもして、このあたり、精神障害を負ったジャズ・ピアニスト、バド・パウエルの晩年に通じるものがあるんだけど…。

で、円楽の場合なんだけど、脳梗塞のリハビリって楽ではないと聞いているし、高座復帰できるのかどうかわからないなあというのが、わたしの推測。でも、今年の五月に27年ぶりに末広亭の高座に上がったばかりだし、本人もさぞや悔しいだろうと思う。

でも、志ん生じゃないけど、病後新しい境地を開いた円楽が高座に上がれるなら、一日だけでも師匠の名前・円生を継いでみたらって感じもしてくる。というわけで、早い回復をお祈りしています。

PS①:癌になってもなかなか死なない談志は、落語だけに専念しなさいよってつくづく思うな。独演会でも言い訳が多すぎる!!

PS②:こういうネタを書いちゃうと、あんた一体幾つなんだってすぐ知り合いから突込みが入っちゃうんだけど、若い人が落語が好きで何が悪い!って居直っておこうかな?映画「GO!」だって窪塚は円生の「紺屋高尾」を聞いてたでしょって。

三遊亭円楽さん倒れる「意識はしっかり」 (夕刊フジ) - goo ニュース
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2 コメント

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sakaeue2056@yahoo.co.jp (sakae.u)
2005-10-14 21:01:37
鈴々舎馬風さんも、昨年、脳こうそくで倒れたようですが、回復なさったと夏ごろのスポーツ紙に出ていましたね。円楽師匠も順調に回復なさっていただきたいものです。
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Unknown (deputyminister)
2005-10-15 08:53:34
死んだ父も同じでして、人工透析患者は水分摂取が制限されるので、常に脳梗塞と狭心症のリスクを抱えています。

更に、“低タンパク・高脂肪”“カリウム厳禁”の食事で、カラダはガタガタ。

長時間正座で高座・司会を努めるのは、相当つらい筈ですよ。

個人的に円楽は嫌いですが(苦笑)
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