切られお富!

歌舞伎から時事ネタまで、世知辛い世の中に毒を撒き散らす!

本日、よみうりホールで立川談春の「文七元結」聴いてました。

2010-12-21 23:59:59 | 新釈落語噺
凄演でした!CDより数段上の次元に行ってますね!ちなみに、もうひとつの演目は「棒だら」!

最初の「棒だら」もよかったんですが、珍しい噺ですよね。わたし、家に帰るまでわからなくて、帰りの電車で「あれ、何だっけ?」って、ずっと考えてしまった。

でも後で知ったんだけど、この噺、談春は以前から結構やっているんですね。渋いなあ~。この噺自体、CDもあまり出ていないから、貴重ではあります。

そして、いよいよ、大ネタ「文七元結」!

枕なしでいきなり噺にはいったのですが、佐野槌のおかみの説教が凄いと思っていたら、次の吾妻橋も数段パワーアップ!吾妻橋の情景描写から、文七の語る親子論!

佐野槌のおかみの語る仕事論、職人論も熱が入っていて凄かったけど、ここは談志以来の左官屋の職人技の強調に加えて、談春らしい博打論みたいなものが入って、おかみの貸す50両の値打ちが強調されていく。

そして、吾妻橋。

暮れの寒い橋の情景から、文七の死ななければならない理屈から一種の親子論へ~。

このくだりは、この噺の一番無理のある箇所で、以下の2点がいつも気になる。

①文七はなぜスラれた50両のために死のうと思うのか?
②左官屋長兵衛はなぜ娘が身を売って作った50両を見ず知らずの文七にあげてしまうのか?

でも、今回の高座は聞き手を説得してしまう理屈なり聴き応えがあるような気がしました。それも。江戸情緒的なものではなくて、現代的な説得力というかね・・・。

とかく、談春というとテクニシャン的なイメージがありますが、今回の「文七元結」には、談志一門らしい「噺の中に自分の考えや生き様を放り込む」というところが大いに感じられて、今年聞いた談春の噺のなかでも、特別なものに思えました。(円楽死去直後の「紺屋高尾」にも少しそんな感じはあったけど・・・。)

志ん朝の「文七元結」の文七も演劇的なよさがあったけど、談春のようなあられもない自分を語るというところはないですものね。このあたり、「粋な落語」を聴きたいのか、「等身大の落語」を聴きたいのかという問題になってきますね~。もっとも、わたしは両方好きなんですけど!

というわけで、今年聴いた落語は印象深いものが多かったけど、年末に来て「大物」に当たったなあ~という感じ。

でも、じつはもうひとつ思いがけない「大物」に立ち会う予定なんですが・・・。(それは、また後日にご報告!)

ということで、気持ちよく家路につけた夜でした!

PS:談春のよさって、CDでは伝わらない部分があります。口跡のよさ、調子のよさって、ライブの方が断然よい!CDしか聴いてない方は、是非生で!

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2 コメント

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談春独演会 (与太郎)
2010-12-23 12:03:35
2/5シビックホールは売り切れなんだよねぇ。
1/28蕨か1/8甲府まで行くか・・・

返信する
コメントありがとうございます。 (切られお富)
2011-01-01 02:38:21
>与太郎さま

あけましておめでとうございます。

ご返事遅れてすいません。

ところで、わたしの悩みと同じですね。

蕨とか甲府はさすがにちょっと…。

シビックはすぐ売り切れましたし…。

あと、練馬で談志一門会もありますね~。

今年は昨年に続いて、落語に期待って感じだな、わたしは。

ということで、本年もよろしくお願いいたします。

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