以下の記事は 常連さまには既知の内容です。
かつて小沢氏の簿価は、とても高かった。湾岸戦争時に差し出した、戦費の分担金の115億ドルが、小沢を評価した雨の値踏みだ。
最近の雨の評価はいくらかは知らぬが、そうとう安いはずだ。『第七艦隊だけで充分』と言ってのけた、昨年の2月には底値になったのではないか。アメリカ市場原理主義の強い影響下にある、三井住友銀行出身の、西川郵政社長のかんぽの宿バルクセール責任での、去就が取り沙汰される、中での発言だけに、この時ばかりはさすがの小沢氏も、衆院選の選挙民に事大する発言となったのだろう。この内容は是で良い。しかし最近は、普天間に言及するのは避けている。ご都合主義の面目躍如ではある。
カネで陣笠議員をなびかせて、建設利権などで地方や中央の建設会社などをこき使う。これが彼流の選挙の手法なのであろう。故に暫定税率の実質維持である。自民党時代に培った官僚シンジケートを維持するには、自民党型予算は維持したい。これが古いタイプの政治家小沢の限界であり、現実である。民意はそれを乗り越えて進んでいる。法治の証(あかし)が政治資金規正法。限界は大いにあるが、政党助成金も政界浄化の一助ではある。小沢のような政治ゴロを排除するには、この政党助成金を、個人のレベルに引き下げて改正せねばならぬ。
アメリカ金融の剰余資本捏造のカラクリは、金融市場で高騰した株などの、金融証券を担保にした、巨大融資である。額面価格が、百億円しかない株式会社でも、株価が100倍に高騰すれば、総額はアラジンのランプの魔神の様に膨らんで、なんと1兆円となる。この1兆円が全て株式市場で現実に売り買いされているワケではなく、ごく一部がその日その日に取引されているにすぎない。堀江などは、リーマンなどの米国金融から信用の賦与を請けて、放送株を買い漁り、株価をつり上げた。フジテレビでは膨大な融資を受けて、株を買い取りかろうじて、支配権を維持したわけだが、カネの流れを見れば、政府保障の巨大融資資金がホリエモン等にながれただけである。株屋は儲けて、フジテレビには膨大な借財が重くのしかかった。そのツケを払うのは、局員であり、スポンサーであり、その一般購買者である。
株式取引と一般金融の猿芝居で、一部の当事者が巨利を貪る。これが剰余資本発生のメカニズム。これと全く同じような構図の茶番劇が、日航再建事案である。自民も民主もこの『剰余資本捏造』の泥棒の片割れ体質は、それほど差異が無いようだ。
選挙前には、第七艦隊云々と見栄を切ったが、政権を手にしてからは、頬被り。これと同様のことが、予算編成でも行われていた。国債による冗費の使用は、負債を勝手に身内で、公的な費用・予算計上で策取する手口であり、前出の手口と同様だある。
選挙の時は国民にリップサービスするが、ほとぼりが冷めれば、国家財政に食らいつく、ウジ虫に変貌する。民主の前原誠司なども同類である。国益とは国民一般の利益のことであり、「安保利権屋」や「道路建設などなど利権屋」のものではない。実際に経済の現場で智慧を搾り、腕を磨く勤労者の所得が増えてこその、日本国体の存在意義であろう。
いつかも書いたが、斜めに見れば、「国家とは大衆から財貨を収奪する機関」でではある。この収奪度が少なければ少ないほど、国家は『民主的』といえる。日露戦争の戦費は当時の国内総生産(GDP)の3割もかけられた。現代に直せば、率で言うと150兆円ほどか。自衛隊の予算が46,825億円で約5兆円弱である。この分だけ民主的ともいえるが、アメリカに収奪されている金額は、計算にも拠るが、50兆円は下らないであろう。一番の大物は、為替差損である。次には国際市場を軍産に毀損・混乱させられている損害である。
本当に、日本の国益を考える政治家には、この巨視的に眺めた世界が、見えねばならぬ。鳩山元首相にそれが見えていたのか。彼の個人的な財の泉はブリジストン。かの会社の財務諸表を見れば、株式などの評価は、時価会計となっている。剰余資本のふくらし粉でふやけた資産が富の源泉の大きな一部を形成している。だからこそ彼は上から目線で国政をなめていた。しかし暴漢の雨の犬は恐かった。
土建・建設からのキッバックは検察からは見えるが、剰余資本の幻術は見えなかろう。湯田菌の菌糸の毒は甘くけだるく身に廻る。
この剰余資本の狼藉を取り締まる法が整備出来る政権を日本が持つときこそ、東アジアの盟主となり得る。アメリカ国内で日本からの資本剰余金が力を増す中で、そのカウンターとして、この法の萌芽が芽生える。
日本の経済構造に取りついた、余分な脂肪分が平均体重の倍以上。これではフットワーク軽やかに運動することはできません。GDPが500兆円で貯蓄残高が1,400兆円などと喜んでばかりもいられません。『財政出動』はこのいらない脂肪をどんどん増やす、高カロリーの食事なのです。
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