夏の日差しが眩しい木曜日です
朝っぱらから気温がぐんぐん上昇~ そして元気はだんだん下降気味?
倉庫の前に、一台の乗用車が止まっている
配達に出て行ったから、事務所には誰もいない 「きゃ~ 行かないと!」
大慌てで靴を履き、焼けた地面をバタバタと(ノソノソかも~)事務所へ向かった
その時、倉庫前で何か積み上げている人を発見! きっとお客様です
「いらっしゃいませ こんにちは~♪」
事務所に現れたその人に、満面の笑みの事務員でした
「あのう・・・」 黒いTシャツに半ズボン、ベージュの帽子にゴム草履姿の紳士は
笑顔の事務員にこう言った 「あそこにある瓦礫は貰えますか?」
瓦礫? 瓦礫って何じゃろ? 確かに敷地の片隅に、廃材は置いてあるけど
それが欲しいって訳? でもさっき、積み木遊びみたいなことしてたのは何?
紳士と連れだって、その瓦礫とやらに向かって歩いた そして、倉庫の前に来た
すると紳士は、自信たっぷりに指を差した 「これです この瓦礫です」
ば、馬鹿な。。。 確かに、無造作に置いてありますが、瓦礫ではございません
一応~売り物です 仕入れた製品ですし、タダで貴方に差し上げる訳、、、ないです
ピンコロ。。。と申します
口に出して言いたいのをぐっと我慢しながら、単価を説明したりの炎天下
「そうですか 売りモノですか」 不服そうな紳士に、唖然とする事務員でした
やっと買う気になった紳士を残し、ひとあし先に事務所に戻った事務員は
ちょちょいと計算して待っていた
暫くして戻って来た紳士は「あそこにあるのは貰ってもいいんですか?」と言う
廃材置き場に、小高く積まれたモノのことらしく、良いですと答えるとさっと踵を返した
「あの。。 その前にお会計を~」 (お客様ぁ さっきのあれですよ)
「あ! あれはいいです もう要らない」
「へっ???」
さっさと去って行ったその紳士は、結局、廃材置き場の山から、宝モノを探し始めた
ゴム草履で大丈夫? 怪我などなさいませんように- 事務員はポツンと呟いた