自宅に戻っている時、電話が鳴った
急いで受話器を取る
『前の事務所に居るんですけど、誰もいないんですが・・・』
耳に伝わるその声に、すぐに行きますと答える事務員でありました
だけど~ 事務所の前に、人も車も見当たりません
前の事務所って言ってたけど、もしかして国道をまたいだ目の前にある◇◇商事?
そこにも来客の様子は無い さてはすでに帰ってしまったのか?
事務所と自宅は、市道を挟んではいるが、歩いて何歩・何秒の距離なので
そんなに待たせた訳ではない 何故だろ???
暫ぁ~くして、再び同じ番号で電話が掛かって来た
すると、開口一番 『前の事務所でずっと待っているんですが、いつまで待たせるんですか!』
「えっ!? いつまで待たせるも何も、事務所の前にはどなたもお越しではありませんが」
『そんな筈は無い 事務所があった場所に居ます いったい何処に移転したんですか!』
「ひぃ~ 移転だなんて、うちは何処にも移っていませんよ」
『道路工事で事務所は解体してあるし、空き地に何も無いし、、、事務所は何処~ぉ』
「ですから、事務所は解体もしてないし、まだ元の場所で頑張ってます」と、こっちも必死の攻防
押し問答の挙句、相手方からこんなひとことで結末を見ることになる
『お宅のプラントが見える、道路工事中の場所に居ます』
「うちはすぐ傍の信号機の角で、その工事中の警備員さんがここから見えますがぁ~」
『あは あはは あはははは じゃ~ ここは何処ですか?』
「そこは隣です 交差点の角に看板ありますから、それを目印にお越し下さい」
何だかんだと言い訳しながら、その人はやって来た
自分の思い込みな勘違いだったと更に言い訳は続き、もう良いだろうと思うくらい延々と~
勘違いで事務員は怒られ続けていた訳で、すっかり疲れてしまったのでありました(笑)
工場の塀の向こうで待っていたらしいその人は、製品のカタログを持って帰ったまま
それからは音沙汰無し いつまで待たせるんですか。。。 事務員は言いません
ただ 吉報を待っている そう それだけです
何と言っても、勘違いをさせてしまったのは、道路拡張工事がすぐ隣で止まっていること
巷の噂ばなしだけが、勝手に独り歩きしている状況 ほんと 待つのは辛いゎ