3月のライオン 1〜8巻
漫画、羽海野チカ
中学生でプロ棋士になった高校生 桐山零
が主人公の将棋漫画。
読んだことなくても色々と話題なので
見聞きしたことはあったし、
アニメをチラッと見たことあります。
読んだらハマりそうなので避けてた作品。
はっはっは、予想どうりハマったよ。
面白い漫画って、没入感がエグい。
最初、主人公の桐山くんは
とにかく孤独なんだなということと
プロ棋士をやらないと生きていけないんだな
ということだけはヒシヒシ伝わってきますが
それ以外の情報は、
桐山くんの心が周りの人たちによって
少しずつ解れていくごとに分かっていく感じ。
その中心が和菓子屋 三日月堂を営む川本一家。
祖父が大黒柱で、姉が母親代わりの あかりと
中学生の ひなたと保育園のモモの妹がいます。
もう一つは将棋の方で
桐山くんをライバルだと言って纏わりつく
二階堂くん。そして島田さん。
もう一つは高校の担任(2年に上がると元担任)
と部活の面々。
桐山くんは、良い人たちに囲まれてなぁ。
桐山くんはプロ棋士になったけれど、
将棋しかなかったから将棋をしてるだけと
言い聞かせてる感じもあります。
きっと根っこは将棋が好きで負けず嫌いで
もっと強い人とやりたいと望んでそうなのに
それを思ってはいけないと思ってそう。
そうさせる複雑な事情は伝わってきます。
両親が亡くなり引き取ってくれた家が
将棋の家で大黒柱の父親は将棋しか興味がなく
娘と息子も将棋をして
何とか父親に振り向いて欲しいと
努力してたところに
フラッと父親が息子にした桐山零が
全部掻っ攫って行ってしまう。
桐山くんは将棋で強くならないと
家に置いてもらう意味がなくなる気持ちと
強くなるほどに家族を壊している気持ちの
板挟みから、
プロ棋士で一人暮らしできるようにして
逃げ出してきたわけです。
よくぞ逃げた。偉いな桐山くん。
だけど、将棋をしてるので
縁は切れないし、またそれを言い訳に
切らないでいる感じもある。
まだまだ高校生だもんね。
そんな桐山くんが心を開いていった川本一家。
その優しさと正義感ゆえに
ヒナちゃんが学校でイジメを止めようとして
イジメの対象になってしまいます。
苦しい苦しい。
桐山くんは自分に出来ることはないかと奔走し
それが勝ちたい気持ちに繋がったり、
元担任に積極的に話したり
アドバイスを聞いたりと
今まで出来なかったことをしていきます。
ヒナちゃんの方は
ひたすら耐えて耐え抜いて頑張りました。
豪快なお爺ちゃんが支えてくれて
お姉ちゃんが一緒に泣いてくれて
何も分かってないモモちゃんが明るくして
桐山くんが話を聞き続けてくれて
(元担任アドバイス)、
ヒナちゃんの担任は自分にもイジメが広がり
壊れてしまいましたが、
それによって学年主任が臨時担任となり
イジメはつまびらかになり
一応の収束を迎えます。
首謀者は反省はしてないけど
イジメを継続することは不可能になり
ヒナちゃんと喋ったら
自分がターゲットになるかもと遠巻きにしてた
子たちは心から謝ってヒナちゃんと友達に。
あぁ良かった。
漫画ならではの着地点だとは思いますが、
それでもいい!ヒナちゃんがツラいよりイイ!
桐山くんは怒りパワーで新人王を取ったので
記念対局として宗谷名人との対局。
対局後、
宗谷名人は耳が聞こえないのではと
気づく桐山くん。
そんな宗谷名人との不思議な感覚の他局後、
桐山くんも少しその世界に突っ込みかけてた
ようですが、
二階堂くんが引き戻してくれた感じ。
持つべきモノは親友ですね。
柳原棋匠と島田さんの対局も凄かった。
最年長の柳原棋匠、カッコイイ。
皆んなが勝手に渡してくる
自分はリタイアするけど頑張って欲しいという
エールの襷の重さに潰れそうになりながらも
支えられて逃げ出せない逃げ出さない柳原棋匠
やっぱカッコいい。
島田さんにも勝って欲しかったけど。
さぁ、ここから桐山くんは
タイトルを取るべくガツガツ行くのか!?
(想像できないけど)
どうか桐山くんが、ヒナちゃんが、
二階堂くんが、島田さんがetc
幸せになりますように。
島田さん推しかもしれない。
この漫画がスタートした頃は
まだ藤井聡太さんは
プロ棋士になってないというか
小学生になってたかどうかぐらいなのかな。
藤井聡太さんがプロ棋士になった時に、
中学生プロ棋士って
どれどけ凄いかとか
どうやってなるのかとか
何を食べたかとか
よく特集されてたので
それでなんとなく知ってる世界が
漫画になってる凄いなぁと思いながら
読ませてもらいました。
そんな藤井聡太さんも今月21歳。
感慨深い。