星守る犬
漫画、村上たかし
映画化もされた話題作。
犬とおとうさんの切ないお話。
もう、泣く泣く泣く…と思いながら
ギリギリ堪えて読みました。
ワンコってそうだよね…(ウルウル)。
犬目線のお話。
捨てられていた子犬だったけど、
女の子に拾われハッピーと名付けられる。
おとうさんは散歩に連れてってくれて
おかあさんはゴハンをくれて
おんなのこ(みくちゃん)は遊んでくれる。
何年か経つと
散歩もゴハンもおとうさんになる。
ミクは不良になってて
お母さんは何を相談しても
“まかせる” としか言わないお父さんに
嫌気がさしてまう。
リストラされ持病があるお父さんに
支える気になれないとお母さんに離婚される。
お父さんに残ったのは車と少ない財産と
犬のハッピー。
お父さんは自分の田舎を目指し
ハッピーと車で旅立ちます。
途中で虐待されてる少年を善意で拾ってしまい
彼に裏切られて財布を盗まれてしまい
身分を証明するものがなくなり
お金持もほとんどなくなる。
それでも少年を恨むことなく、
人を信じれなくなってる少年の心を悲しむ
おとうさん。
ハッピーが尿路結石になり
動物病院に駆け込み手術してもらいます。
動物病院の支払いのために、
車に乗せていたモノを売ってお金を作ります。
ガソリンも残りわずかとなり
キャンプ場の近くで止まり
キャンプ場の水と捨てられてる食品で
ホームレス生活となります。
おとうさんは、持病の薬も捨ててしまってて
目が見えなくなってて
星を見ることも出来なくなってます。
体が動くうちにと
ハッピーに“ありがとう”と言って
車のドアを開けて
(ハッピーを閉じ込めないため)
動かなくなります。
ハッピーはおとうさんに話しかけて
キャンプ場からゴハンを持ってきたりして
そのあと1年ほど過ごします。
キャンプ場に来てた親子連れに
野犬と勘違いされ棒を投げつけられ
怪我をするハッピー。
もう疲れてしまったと
動かないおとうさんの元へ。
そしたら、おとうさんがおきていて
“いこうか”と言ってくれます。
そして、1人と1匹の旅は終わりました。
という涙なみだのお話です。
最初、泣くのをギリギリ踏みとどまれたのは
みくちゃんに腹が立ってたからかも。
どういう経緯で
おとうさんがハッピーを引き取ったかは
描かれてない名ですが、
母親もミクもハッピーへの関心が
全くなくなっていて
全ての世話を父親がするようになっていたので
なんの諍いもなく父親が引き取ったのだろうと
思えたからです。
ハッピーはおとうさんといて
幸せだったと思うし、
おとうさんだったから結石にもすぐ気がついて
助かったんだと思うし
でもでもやっぱり切なすぎる。
いや、おとうさんは間違いなく
ハッピーがいて幸せだったと思うけど。
後半は、そんな遺体を手続をする
お役所の方が、
車からリサイクルショップの伝票をみつけ
これで身元がわかるかもと
おとうさんとハッピーの痕跡を
逆の順路で辿っていくお話。
結局、偽名だったため身元はわからず。
でも、彼らは幸せだったんじゃないかなと
想いを巡らせて、
彼らの最後の場所に
ひまわりの種を蒔いて咲きほこり終幕。
最後まで読んで表紙の
ひまわりとハッピーの絵を見ると泣けます。
あとがきで、
お父さんはこんな終末をむかえなきゃいけない
ような悪人ではない。
家族や社会の変化に対応するのを
少し面倒くさがったり、
自分を変えることが苦手だったため
今の時代だと
「普通の生活」を失ってしまうことなる。
つまらない(世の中)になったなと
嘆いてらっしゃいます。
そして、2人(1人と1匹)は幸せだったと
作者さんは断言してくれてるのが
ほんの少しだけ救いだなと思いました。
ハッピーが可愛すぎる。