トルコ5日目。
クシャダスから「イズミール」を通って「ベルガマ」までエーゲ海沿岸を移動した。
イズミールは車窓からの風景を見ただけだったが、車は多く、工場らしきものもたくさんあり、海に面した工業都市といった感じだった。
ベルガマに着いたときにはもうお昼になっていた。
ベルガマはかつてはペルガモンと呼ばれ、ペルガモン王国の都として非常に繁栄した場所。
今ではペルガモン王国の都跡地であり、丘の上にあるアクロポリス遺跡が有名な観光名所になっているが、このツアーはそこには行かず「アスクレピオン遺跡」だけを見学した。
[アスクレピオン遺跡から見たアクロポリスの丘]
昼食後「アスクレピオン遺跡」の観光をした。
ベルガマ郊外にあるアスクレピオンはギリシャ神話に登場する医学の神アスクレピオスの神託を授かる場所だった。
さしずめ今ならば総合病院のようなもので、ギリシャのエピダウロスにもあった。
その昔、ひとりのペルガモン人がエピダウロスの近くで怪我をしてアスクレピオンへ行き、治療を受けて完治した。
その人は自分の故郷にもアスクレピオンを造ろうと、エピダウロスを模範に建設したと言われている。
完成したこの施設は800年近くも機能していたらしい。
ガイドさんは「この遺跡は病院跡です」と言っていた。
入口から石畳の道の両側に大きな丸い柱が並んでいた。
かつてはこの柱の道は「聖なる道」と呼ばれ、1km近くもあったらしい。
その先には広場があり、右の奥には半円形の段が並ぶ劇場の跡がある。
かつて広場の前には門があり、ここから先は神域で、そこへ入る前には医学の知識のある神官による予診を受けなければならなかった。
この施設は「ここへ入院した患者は絶対に死なない、必ず良くなって退院する」とあがめられていたそうだが、予診で治る見込みがないと判断された人は門前払いされていたのでそれは当たり前だと思う。
この施設には治る見込みのある人だけが入れたのだから。
治るか治らないかの判断方法は「聖なる道」を走らせたらしく、完走した人は治る人、途中で走れなくなった人は治らない人、と簡単に振り分けていたらしい。
1kmの道を走れたら病気ではないと思うけど・・・
ここから柱の道が始まる。
柱の道の先にある聖なる広場。
広場の右側には半円形の劇場があった。
劇場から柱の道を見たところ。
この半円形劇場は音楽や演劇に使われていて、それも治療の一つだったらしい。
劇場の向かい側には診療所に行くための約80mの地下道がある。
患者が治療所に向かって中を通ると「あなたの病は治る」と神の声が聞こえる仕掛けがあったとか。
それは天井に穴があり、診療所スタッフがその穴から患者に暗示をかけていたようだ。
「病は気から」という言葉はこの時代からあったのかな。
何だかなぁ・・・それでも昔の人は信じたのかも。
劇場の石積みの中に「フクロウ」がいたので写真を撮った。
フクロウって昼間からいるものなのかな?
これで「アスクレピオン遺跡」の見学を終え、この日のホテルのある「アイワルク」へ向かった。
アイワルクまでは60km、この日は少し早めにホテルに入れた。
ホテルは「ハリッチ・ パークホテル」、街からエーゲ海にかかった橋を渡って行った。
ツアー用のホテルらしいが、プールやスパもあり、エーゲ海がよく見えた。
[ハリッチ・パークホテル]
[ハリッチ・パークホテル内部]
[部屋から見えたエーゲ海とアイワルクの街]