数年前の秋、トルコ周遊ツアーに参加した。
周遊ツアーと言っても広いトルコのことなので、西側の半分だけを巡るツアーだった。
今のトルコの治安はどうなのだろうか?
少し前、イスタンブール経由でヨーロッパに行った時、イスタンブールを出て2日後に空港の爆破テロがあった。
自分たちが歩いた場所が爆破されたと聞いて、びっくりしたことがあった。
そういうことを考えるとあの時にトルコに行っておいて良かったと思う。
今では少し怖い気がする。
成田から直行便で12時間半、イスタンブールに着いた。
イスタンブールは既に夜になっていたので、ホテルに直行した。
トルコ1日目
アンカラに向かった。
アンカラへは朝早い飛行機を使ったため、ホテルの出発は6時だった。
ホテルでパンと卵の朝食を作ってくれたので、空港へ行くまでのバスの中で食べた。
イスタンブールとアンカラの距離は450kmあるが一般的なツアーはこの間もバス移動らしい。
アンカラまで約1時間、すぐに300kmのバスの旅に出発した。
目的地はカイマクルとカッパドキア。
車窓から見える道路の両側は広々とした野菜畑、オリーブ畑などしかなく、さすがに食料自給率が100%の国だと思った。
途中でトゥズ湖に寄った。
トゥズ湖はトルコで2番目に大きな湖で塩湖となっている。
トゥズ湖という名前はトルコ語で塩湖という意味らしい。
もっと一面真っ白な塩の様子を想像していたが、ちょっと違った。
でもトゥズ湖でこの光景が見られるのは、夏の7月~9月ごろの期間限定らしい。
秋だったからそろそろ塩湖の時期も終わりに近づいたのかも。
雨季に当たる冬の時期には、たまった水に塩分が溶け込んでしまって、ただの湖になってしまうらしく、この光景がみられただけでも良かったと思わないと。
トゥズ湖からカイマクルへ向かった。
その間、ツアーによくある途中の土産物屋に寄った。
ここでは絨毯店だった。
絨毯は高価なものだし、誰も買わないと思っていたが、中には買っていた人もちらほらと。
こういうところで買う人はどんな人なんだろうなどど思ってしまった。
だって、数十万円もするものなのだから、ここで買わなくともいいのに・・・と。
よほど気に入ったもので、本人が納得したものならいいけど。
カイマクル地下都市の入り口に着いた時は午後3時を回っていた。
地下都市は他にもたくさんあるが、ここは特に規模が大きいらしい。
紀元前から存在している地下都市は、地下8階にもおよぶ巨大な空間で、イスラム教徒からの迫害を逃れたキリスト教徒たちが住みついた場所。
隠れながら何世紀にもわたって掘り進めたので、アリの巣のように複雑な形になっていて、カイマクルだけでも4千人~8千人が住んでいたとも言われている。
内部には教会、学校、食料や物品の貯蔵庫、ワイナリー、そして馬小屋などもあった。
観光で見られるのはほんの一部だけだったが、それだけでもすごいものだと感心させられた。
[寝室]
大小さまざまな部屋があった。
[馬小屋]
地下で馬を飼っていたなんて信じられない。
[石の扉のある通路]
敵から攻められた時に使う扉、円盤状の石でできている。
内側からは簡単に閉められるが、外からは開けられないようになっている。
これをどのようにして造ったのかも不思議。
トルコの土産物屋でよく見かけたのが「ナザールボンジュウ」と言われるガラス製の青い目玉の飾り物。
魔除けのお守りらしいが、カイマクル地下都市入り口に並んでいたお店は、特にこれ一色だった。
大小さまざまな「ナザールボンジュウ」があり、お店の人と値段交渉しながら買うのも楽しかった。
1日目の行程はこれで終わり。
これからカッパドキアのホテルに向かうのだが、その前にホテル近くの世界的に有名だという「ガーリップ陶器工房」を見学した。
この工房も岩山を掘った洞窟の中にあった。
洞窟になっているので寒暖差がなく、適度な湿度もあるため陶器作りに適しているらしい。
この工房を訪れるのはほとんど日本人観光客らしく、説明係のスタッフは流暢な日本語で陶器が出来るまでの工程を解説してくれた。
ろくろを回していた人がガーリップ氏らしく、彼を「カッパドキアのアインシュタインと呼ばれているガーリップ先生」と紹介してくれた。
確かにガーリップ氏の風貌は白髪交じりの長い髪、口髭があり、アインシュタインの写真そっくりだった。
そして陶器作りを実演してくれた。
これでトルコ1日目の観光は終了した。
ホテルは「デデマン・カッパドキア」、室内・室外プール、フィットネスセンターなどもある大きなホテルだった。