午前中はポンペイ遺跡の観光だった。
ポンペイはヴェスヴィオ火山で滅亡した古代都市。
かつてポンペイはナポリ湾に面していて、美しい海岸線と、ヴェスヴィオ火山に挟まれた風光明媚な街だった。
それが西暦79年夏の夜にヴェスヴィオ山の大噴火が起こり一瞬にして街は廃墟となってしまった。
今では「ポンペイ、エルコラーノ及びトッレ・アヌンツィアータの遺跡地」として世界遺産に登録されている。
16世紀に井戸を掘っていた際、地下に大理石の柱が発見され、ポンペイにはなんらかの遺跡があることが分かり、その後の発掘調査によって大規模な遺跡が確認できたようだ。
驚くほど保存状態が良かったのは一瞬で火山灰や岩石に覆われたためだったらしい。
発掘された街並みはローマ時代のままで、城壁に囲まれた中心部や整備された道路、神殿などがそのまま残っていた。
遺跡に入る門はいくつかあり、マリーナ門から入ってすぐのところにあった広場。
正面がヴェスヴィオ火山。
[メインストリートのアボンダンツア通り]
通り沿いには商店や大邸宅が並び、ポンペイ一の繁華街だったらしい。
歩行者通路と馬車が通る道に分かれていた。
[道路中央の3つの石は横断歩道]
幹線道路は石畳で馬車のための轍や横断歩道、車止めまで整備されていて、住居よりも低い位置にあるのは、排水溝の役割も果たしていたからだとか。
公共の建造物以外にも、個人の邸宅や劇場、商店、娼婦のいた家などがあり、またそこに描かれたフレスコ画やモザイクまでもがきれいに残っていた。
遺跡の中を歩いていると、ローマ時代の生活が手に取って分かる様な気もしてきた。
[アポロ神殿]
中央には大理石の祭壇と周囲を取り囲む石柱。
アマポーラ(ひなげし)が一面に咲いていた。
午前中でポンペイ遺跡の観光を終え、午後からはローマまで260kmのバスの旅となった。