いつもと変わらない、入院して2ヶ月目突入の日。
朝ごはんを食べて、何人かの先生がいつも通りに顔を見に来てくれて。
食後2時間の血糖値を測ったら、
毎週木曜日の診察に呼ばれました。
10時半頃。
「お腹の張りも落ち着いてるようですし、頚管長もいいですね。ではエコーで赤ちゃんたちを診てみます。」
診察台に横になって、エコーを当てる先生。
でも
時間がいつもより長い。
映り方を変えて、血流を見ているみたい。
画面には赤と青い色が心音に合わせて動いています。
この前の月曜日も、先生はうーん、って表情で念入りに見ているようだった。
「羊水が、多いですね。片方の子は少なくはないけれど、もう片方の子との違いがあります。」
決定的な差ではないので、注意して診ていきます、というのが、月曜日の話。
それが、この日、木曜日になったら、もう一人の先生を呼んで、
「深さが測れないですね…。
大分少なくていいと言えますよね。」って確認をして。
「むらっちん!さん、手術室が空いているか確認します。今日か明日、出しましょう。」
週末、連休に入るので、今日出せれば出して、経過を見て週末を過ごすというのがいいと思います。
平日で人手があるうちに、安全に出してあげましょう、と。
すぐに旦那さんかお母さんに連絡して来てもらってください。手術室と時間の調整が出来次第詳しく説明します、と部屋に返されました。
11時頃。
ここ二日間くらいの双子の感じから、もしかしたら、って予感はしてた。
十中八九切るだろう事も、双子とわかった時から覚悟していた。
だから先生の診断は、
「双胎間輸血症候群でいいと思います。」
聞きたくなかった言葉。
でも、やっぱりという気持ち。
残念とか思う前に、
26週を過ぎた、胎児鏡を使って胎盤の血管にレーザーあてたりする治療はそれ以前の適用という事は知ってる。
この病院の方針では、もう、出してあげるしかない。
それなら早く。それしか思いませんでした。
先生からも思った事と同じ説明がありました。
トイレを済ませたり、術前の検査をしながら、okapiさんにかける電話だけがどうしても震える。
思ったよりお腹に居させてあげる時間が短かった、ごめん。
でも、動揺したのはこれだけ。
あとは、
自分が何の為にこの検査をして、支度をしてるか。
どこに行って、どんな物が置かれているのか。
ドラマや漫画でみた画とどんな違いがあるのかを見るのに興奮してました。
つわりで初めて入院して、
里帰りしてすぐに長期入院して、
初めて身体にメスを入れている自分。
目の前はシートで覆われて術野は見えません。
見たかったけど、見えなくてよかった。
絶対興奮するから。
外科医でママのブログで、本人が帝王切開した時の記事でそんな話がありましたけど、まさに。
12時半頃。
オペ室に入って
背中がちゃんと丸められるだろうか、なんて心配もなく、すんなりと麻酔がかかりました。
すぐに脚が痺れ、ほんわか暖かくなって、何が管が入れられたのがわかります。
尿道にカテーテルが入ったそうです。
「ここ冷たいですか?」
何度か繰り返し色んなところに冷たいスポンジを付けて確認する麻酔科医の先生。
目がイイ!!
何で、こんな時にそんな事を思ったのか自分でもおかしいんですけど、いい意味で緊張が解けた気がします。
いい所まで麻酔が来たようで、何をしてるのか、身体が揺さぶられたり、引っ張られたり。
消毒液がかけられた液体が流れる感じとかも、わかる。
痛みはないけど、肌が動いてないのに内臓が動いてる感じもわかる。
13時頃。
執刀医が話してる事も所々聞こえて、
「あぁ、いよいよ取り出される…。」と思ってすぐ。
1人目の微かな産声。
何も。
湧き上がる感情とか、あるのかと思ったけど、何も。
ただ、声が聞こえた、その事実。
さっきまで興奮して周りを見回してた自分がそこに集中して、一滴だけ涙がでた。
そして1分もしないうちに2人目が出されたような感触。
でも、やっぱり1人目とは様子が違うのか、すぐに声は聞こえない。
「赤ちゃん、2人とも元気に出てきました!今処置をしてます。終わったら会えますから頑張ってくださいね!!」
新生児科の先生が知らせてくれる。
お腹をグリグリされてるなーって、ボーっとしてたら、
か細くて優しそうな2人の泣き声が聞こえた。
良かった!
ちゃんと泣いてる!
一先ずは、と思ったら今度、急に腰から下がムズムズしてきて、もう…!!
動きたくて仕方がない!!
麻酔が効いてるので、もちろんピクリとも動かせるはずはないのですが、動くとこだけでもジタバタ。
固定されてる腕を少しだけ、とか肩をモゾモゾ。
「気分どうですかー?」
動きたくなったのに気付いたのか、声をかけてくれる。
「気分悪いとかはないです。ムズムズして動きたくなりました。」
それはいい、大丈夫そうですね、とにっこりして貰えました。
どのくらい時間が経ったんだろう…と思った頃。
「おめでとうございます。頑張りましたね、男の子2人、元気ですよ。」
それまで外されていたメガネをかけてもらい、左側、顔をむけるとまず、お兄ちゃんが保育器に入って運ばれてきました。
動いてる…!
あ、okapiさんにそっくりだ。
続いて弟くんが運ばれてきます。
あ、同じ顔だ…!動いてる…!
既に挿管され、呼吸のサポートを受ける2人。
でも動いてるのを確認したら、また涙が一滴。
まず、ここではそれがわかっただけで、十分。
目だけで、ここからの72時間、まず一山頑張れ!!
外の世界にようこそ、と思うよりもそっちを強く願って見送りました。
「そろそろお腹を閉じましょうかね。」
執刀医の先生の声。
自分のお腹は、ちゃんと血が止まってきたのかな、戻せるほど収縮したのかな。
グリグリと押されたりする感じがなくなって、皮が引っ張られたりする感じ。
2人を見送ってからは、ただひたすら待つだけ。
「ありがとうございました!」
先生達が互いに挨拶した事で、手術が終わった事を知りました。
「お母さん、頑張りましたね~。
無事に終わりましたよー。台を移動してお部屋に行きますね。」
来た時に乗ってきたベッドに戻され、術着の肩が止められ、布団をかけてもらいました。
手術室をベッドごとゴロゴロ出て行って、病棟のスタッフが迎えに来てくれるまでの数分、ウトウトしました。
部屋に着くまで、少し寒くて、電気毛布を入れてもらいました。
この日は、1時間ごとくらいかな、こまめに体温と血圧のチェック、悪露と尿量の確認がありました。
麻酔が切れてからも思った程痛みはなく、合間合間にちょこちょこ眠る事が出来ました。
痛みはなく、とは言っても、普通の生理痛のようなものはあります。
でも、
双子がお腹の中で暴れたり、肋骨や胃をグリグリ圧迫してた痛みに比べれば屁のようなもの。
吐き気にもならないレベルです。
しかし今は、一刻も早く回復して2人に会いに行って、母乳をあげる事が何より優先すべき事。
痛くなったら使う痛み止めの特徴と、効果が出るまでの時間を聞いて、早めに使う事にします。
注射で入れるものを試して、相当の間隔を開けて切れたあたりで座薬を試しました。
どちらも、よく効いてくれたので、助産師さんが様子を見に来てくれた時に気がつくものの、グッスリ休めました。
今回、とてもいいタイミングで、診察や、予防的というか、前もって処置をしたものもあって、素人目にも本当にベストなタイミングで手術に臨む事が出来たのではないかと感じています。
それらについては、また別の記事で…。
朝ごはんを食べて、何人かの先生がいつも通りに顔を見に来てくれて。
食後2時間の血糖値を測ったら、
毎週木曜日の診察に呼ばれました。
10時半頃。
「お腹の張りも落ち着いてるようですし、頚管長もいいですね。ではエコーで赤ちゃんたちを診てみます。」
診察台に横になって、エコーを当てる先生。
でも
時間がいつもより長い。
映り方を変えて、血流を見ているみたい。
画面には赤と青い色が心音に合わせて動いています。
この前の月曜日も、先生はうーん、って表情で念入りに見ているようだった。
「羊水が、多いですね。片方の子は少なくはないけれど、もう片方の子との違いがあります。」
決定的な差ではないので、注意して診ていきます、というのが、月曜日の話。
それが、この日、木曜日になったら、もう一人の先生を呼んで、
「深さが測れないですね…。
大分少なくていいと言えますよね。」って確認をして。
「むらっちん!さん、手術室が空いているか確認します。今日か明日、出しましょう。」
週末、連休に入るので、今日出せれば出して、経過を見て週末を過ごすというのがいいと思います。
平日で人手があるうちに、安全に出してあげましょう、と。
すぐに旦那さんかお母さんに連絡して来てもらってください。手術室と時間の調整が出来次第詳しく説明します、と部屋に返されました。
11時頃。
ここ二日間くらいの双子の感じから、もしかしたら、って予感はしてた。
十中八九切るだろう事も、双子とわかった時から覚悟していた。
だから先生の診断は、
「双胎間輸血症候群でいいと思います。」
聞きたくなかった言葉。
でも、やっぱりという気持ち。
残念とか思う前に、
26週を過ぎた、胎児鏡を使って胎盤の血管にレーザーあてたりする治療はそれ以前の適用という事は知ってる。
この病院の方針では、もう、出してあげるしかない。
それなら早く。それしか思いませんでした。
先生からも思った事と同じ説明がありました。
トイレを済ませたり、術前の検査をしながら、okapiさんにかける電話だけがどうしても震える。
思ったよりお腹に居させてあげる時間が短かった、ごめん。
でも、動揺したのはこれだけ。
あとは、
自分が何の為にこの検査をして、支度をしてるか。
どこに行って、どんな物が置かれているのか。
ドラマや漫画でみた画とどんな違いがあるのかを見るのに興奮してました。
つわりで初めて入院して、
里帰りしてすぐに長期入院して、
初めて身体にメスを入れている自分。
目の前はシートで覆われて術野は見えません。
見たかったけど、見えなくてよかった。
絶対興奮するから。
外科医でママのブログで、本人が帝王切開した時の記事でそんな話がありましたけど、まさに。
12時半頃。
オペ室に入って
背中がちゃんと丸められるだろうか、なんて心配もなく、すんなりと麻酔がかかりました。
すぐに脚が痺れ、ほんわか暖かくなって、何が管が入れられたのがわかります。
尿道にカテーテルが入ったそうです。
「ここ冷たいですか?」
何度か繰り返し色んなところに冷たいスポンジを付けて確認する麻酔科医の先生。
目がイイ!!
何で、こんな時にそんな事を思ったのか自分でもおかしいんですけど、いい意味で緊張が解けた気がします。
いい所まで麻酔が来たようで、何をしてるのか、身体が揺さぶられたり、引っ張られたり。
消毒液がかけられた液体が流れる感じとかも、わかる。
痛みはないけど、肌が動いてないのに内臓が動いてる感じもわかる。
13時頃。
執刀医が話してる事も所々聞こえて、
「あぁ、いよいよ取り出される…。」と思ってすぐ。
1人目の微かな産声。
何も。
湧き上がる感情とか、あるのかと思ったけど、何も。
ただ、声が聞こえた、その事実。
さっきまで興奮して周りを見回してた自分がそこに集中して、一滴だけ涙がでた。
そして1分もしないうちに2人目が出されたような感触。
でも、やっぱり1人目とは様子が違うのか、すぐに声は聞こえない。
「赤ちゃん、2人とも元気に出てきました!今処置をしてます。終わったら会えますから頑張ってくださいね!!」
新生児科の先生が知らせてくれる。
お腹をグリグリされてるなーって、ボーっとしてたら、
か細くて優しそうな2人の泣き声が聞こえた。
良かった!
ちゃんと泣いてる!
一先ずは、と思ったら今度、急に腰から下がムズムズしてきて、もう…!!
動きたくて仕方がない!!
麻酔が効いてるので、もちろんピクリとも動かせるはずはないのですが、動くとこだけでもジタバタ。
固定されてる腕を少しだけ、とか肩をモゾモゾ。
「気分どうですかー?」
動きたくなったのに気付いたのか、声をかけてくれる。
「気分悪いとかはないです。ムズムズして動きたくなりました。」
それはいい、大丈夫そうですね、とにっこりして貰えました。
どのくらい時間が経ったんだろう…と思った頃。
「おめでとうございます。頑張りましたね、男の子2人、元気ですよ。」
それまで外されていたメガネをかけてもらい、左側、顔をむけるとまず、お兄ちゃんが保育器に入って運ばれてきました。
動いてる…!
あ、okapiさんにそっくりだ。
続いて弟くんが運ばれてきます。
あ、同じ顔だ…!動いてる…!
既に挿管され、呼吸のサポートを受ける2人。
でも動いてるのを確認したら、また涙が一滴。
まず、ここではそれがわかっただけで、十分。
目だけで、ここからの72時間、まず一山頑張れ!!
外の世界にようこそ、と思うよりもそっちを強く願って見送りました。
「そろそろお腹を閉じましょうかね。」
執刀医の先生の声。
自分のお腹は、ちゃんと血が止まってきたのかな、戻せるほど収縮したのかな。
グリグリと押されたりする感じがなくなって、皮が引っ張られたりする感じ。
2人を見送ってからは、ただひたすら待つだけ。
「ありがとうございました!」
先生達が互いに挨拶した事で、手術が終わった事を知りました。
「お母さん、頑張りましたね~。
無事に終わりましたよー。台を移動してお部屋に行きますね。」
来た時に乗ってきたベッドに戻され、術着の肩が止められ、布団をかけてもらいました。
手術室をベッドごとゴロゴロ出て行って、病棟のスタッフが迎えに来てくれるまでの数分、ウトウトしました。
部屋に着くまで、少し寒くて、電気毛布を入れてもらいました。
この日は、1時間ごとくらいかな、こまめに体温と血圧のチェック、悪露と尿量の確認がありました。
麻酔が切れてからも思った程痛みはなく、合間合間にちょこちょこ眠る事が出来ました。
痛みはなく、とは言っても、普通の生理痛のようなものはあります。
でも、
双子がお腹の中で暴れたり、肋骨や胃をグリグリ圧迫してた痛みに比べれば屁のようなもの。
吐き気にもならないレベルです。
しかし今は、一刻も早く回復して2人に会いに行って、母乳をあげる事が何より優先すべき事。
痛くなったら使う痛み止めの特徴と、効果が出るまでの時間を聞いて、早めに使う事にします。
注射で入れるものを試して、相当の間隔を開けて切れたあたりで座薬を試しました。
どちらも、よく効いてくれたので、助産師さんが様子を見に来てくれた時に気がつくものの、グッスリ休めました。
今回、とてもいいタイミングで、診察や、予防的というか、前もって処置をしたものもあって、素人目にも本当にベストなタイミングで手術に臨む事が出来たのではないかと感じています。
それらについては、また別の記事で…。