言わなければならない事は言わないと前には進まない

生活する中において言わなければならない事や、他の記事で共感したことなどを中心に。今その時の思いを表す。

どこまで不誠実な政府なのだろう・・・・・・

2015-02-05 22:44:08 | 言いたいことは何だ
 よくよく考えてもらいたい・・・・特に安倍を支持するという方々には・・・・・・・
 
 菅官房長官が「ISISとは、全く交渉をしていない」との言及に及んだ・・・むろん、身代金支払いによる交渉のことである。
 
 テロリストとは交渉しない・・・・国際的コンセンサスであるのだが、これは建前論である、各国ともその状況に応じて、それなりにテロリストとの交渉に及んでいることは、欧州を始め、米国人などにも開放されて生還した人も少なからずいる・・・各国とも公式には身代金支払いを否定しているが、現実には、ISISとの間にプロの交渉人を立てて、交渉しているのは明々白々の事実である。交渉しなければ、解決の糸口すら見つからない。
 
 業を煮やしたISIS側が、身代金ではなく、ヨルダンの死刑囚釈放という難題を出してくることになる。身代金交渉より以上に難しい状況になったという事だが、現実には、ヨルダン政府に丸投げしたという意味で、責任の転嫁を図ったのが事実である。
 
 無論、誘拐したISIS側が一義的には悪いのだが、戦闘状態の中で取材に及ぶジャーナリストの不見識が問われる状態に発展している。これは以前にも書いたが、国際社会がISISを国家、つまり国として認識せずに矮小化して、テロ集団とする為に、シリアやイラクの一種の紛争程度に公式に発表している事が、問題を生んだとも言えるのではないか・・・・国と認めたくないのは、理解できるが、しかし、既にこのテロ集団は、領土を確保し、民がおり、そして何より、組織だった軍を維持し、内政まで行い始めている事実を公正に判断すれば、これが単なるテロ集団ではないことは、だれの目にも明らかであり、この地域は、紛争なのではなく、内戦、反乱軍と政府軍、そういった組織的な戦闘状態になっているという事を、国際社会が認めない限り、第二、第三の後藤さんや湯川さんが出るだろう。紛争と言ってしまえば、アフガニスタンや、アフリカ諸国で起こっている紛争なども同様で、こういった地域と同列に考えてしまえば、ジャーナリスト、特にフリーのジャーナリストは、一攫千金ではないが、危険を冒してでも取材をと考えるのは致し方あるまい。
 
 しかし、これが戦争であると認識すれば、敵地に潜入しての取材など、国が雇ったスパイでもない限り、あり得ない。ISISがもし国であれば、この二人は、密入国であり、敵地に潜入したスパイであると判断されても致し方ないことになる。
 
 どんな命知らずのジャーナリストでも、もし戦争状態であれば、敵地に潜入する危険性を判断できたはずである。しかし、テロ集団による武装蜂起ていどの公式発表であるから、シリアにあるいはイランに正式に入国したジャーナリストは、そのまま紛争地に取材に行く・・・・今回の事件は、この矮小化の犠牲であるといえるのではないか。
 
 交渉だが、建前のテロリストとは交渉しないは、ISISがアルカイダと同次元のテロリストの集団であるとした場合で、イラクのアルカイダと、スンニ派の地元民が、イラク政府によって迫害、あるいは著しい人権侵害などによって追い込まれていた人々の鬱憤が一気に破裂する形で、イラクのアルカイダと統合し、このISISが出来上がった経緯を鑑みると、このISISは通常のテロ集団というよりは、イラクに於いては、反乱軍であり、シリアに対しては、侵略軍であるといえる。そして、その組織だが、大きな軍という存在は、イラクの旧バース党の残党たちが集めた元軍人などで形成され、アルカイダなどのテロリストなどのメンバーは、指揮官の一部として軍を統括しているとみるべきだろう。内政に関しては、かつてのイラクなどの政府に努めた行政官などが役割として行い、原典主義的な非常にストイックなイスラムを国教として成立させた・・・・・・
 
 そうなると、このイスラム国は、そのまま呼び名通りに国であると認識すべきである、テロリストとは交渉しないは建前であり、昨年出された条件20億円を中心に裏工作ではないが、交渉人を立てて交渉することは必ずしも国際的コンセンサスであるテロリストとは交渉しないを著しく損なうものではあるまい。
 
 あくまで裏工作である。もし何らかの状況で露見した場合でも、国家は身代金支払いをしていないと口裏を合わせればそれで国際社会も追及しない、これは前歴がある、フランスも、スペインもイタリアも、イギリスもアメリカも同様に釈放交渉を過去に何度もあちこちでしているからだ。
 
 日本の場合もイランの人質問題、アフガニスタン、フィリピンなどでも同様に裏工作をして民間企業などに立て替えさせて支払、開放に成功している。政府は今なお、公式には支払の事実を認めていないが、立て替えた企業の責任者などから、既に言及のある事実である。
 
 これが本音と建て前の使い分けである。しかし安倍政権は、これを一切否定して、交渉していないとすれば、ヨルダンに作り上げた対策本部は、何のために存在したのだろうか???外務副大臣まで滞在させて、ヨルダン政府との交渉?ISISとは、直接間接を問わずに交渉していない日本政府だとすれば、この程度の役割であれば、現地の在留外交官で十分である。形式的に相手が大臣だからこちらも大臣である必要はない。
 
 つまり、政府として重大な事案として認識し、対策本部を立ち上げて、二人の人質を生還させるための行動を起こしているという内向きなアリバイ作りのために膨大な税金を使って本部などを作ったというのが事実である。
 
 これは、大変に不誠実であり、残酷なことであると国民は怒らねばならない、ISISに対してではない、安倍政権の不誠実をである。国民の命がかかっているときに建前を押し通し、支払を拒否するのであれば、最初から交渉しないと突き放すべきだろう、それを交渉しているふりをして、結果がでると、実は交渉などしていないと自ら暴露した、これは内政ではなく、テロリストとは交渉しないという国際的コンセンサスのためには、国民の命すら差し出すと宣言するためである。
 
 国際的枠組みの中の平和を維持するためには、日本は、これから国民の命すら差し出す覚悟があるのだと知らしめて、戦争の可能な国家、自衛隊という最新鋭の武器で武装された軍隊を持つ国家が、非常任理事国にはふさわしいと名乗りを上げるためのスケープゴートとして二人の日本人の命を差し出したのである。
 
 最低の政府である。
 
 この安倍政権を支持する人々は、この軽薄なスタンドプレイをするために二人の日本人の命、つまり血の上に、その支持があるのだと認識すべきである。
 
 交渉しないを是とするのであれば、最初から誠実に身代金支払いによる裏工作も、あるいは条件闘争も一切しないとして、ISIS側を突き放すべきで、長引かせた結果、ヨルダンという別の国まで巻き込んでしまった・・・・・最悪の結果である。
 
 
 
 安倍よ!国民の命を差し出すのであれば、まず最初に自らの命を差し出すものである、その覚悟なしに国民の命を弄ぶのは、為政者として最低の存在であると認識すべきである。
 
 認識できるほどの知能も持ち合わせていないか!
 
 
        残念!!


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