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【緊急事態条項国会論戦】またまた逃げた安倍総理~IWJ

2016-02-01 05:39:04 | 言いたいことは何だ
【国会ハイライト】安倍総理、またまた逃げた!
「緊急事態条項は独裁政治、9条改定につながる!」
〜共産・志位氏の追及に回答濁す“とんずら総理”
「正々堂々、逃げずに議論する」は口先だけ! 

 安倍総理が、またまた改憲議論から逃げた。


 2016年1月27日、衆議院本会議の代表質問で、日本共産党の志位和夫委員長が自民党改憲草案に明記されている「緊急事態条項」について、「独裁政治、戦争国家に道を開き、憲法9条改定につながる危険きわまりないものだ」と追及。安倍総理の認識を質したが、安倍総理は「政府としてお答えすることは差し控える」と回答を避けた。
改憲をめざすと公言し、しかも「正々堂々と議論する」と言いながら、何の理由も根拠も示さず答弁を拒否。議論からはすたこらと逃げ出した。



 これに先立ち同月19日には、社民党・福島みずほ副党首が、緊急事態条項について「内閣限りで法律と同じ効力を持つことができるのであれば、これはナチスドイツの『国家授権法』とまったく一緒だ」と迫った際にも、「限度を超えた批判だ」などと気色ばんで見せたものの、議論の土俵には上がらず、議論の下から遠吠えするのみ。自民党の改憲案の緊急事態条項とナチスの授権法との違いも説明せず、「憲法改正の草案について個々にお答えすることは差し控えたい」などと回答を拒んでいた。まったくもって意味不明の遁走である。


 その後、安倍総理は22日の施政方針演説で、憲法改正をめぐる議論で「正々堂々とし、逃げない」と大威張りで演説。今度はいよいよ議論に応じるのかと思えた。


 しかし、わずか4日後の26日、民主党・岡田克也代表が緊急事態条項について、「基本的人権を制約することが可能となる。民主主義の根幹を揺るがしかねない問題」と指摘し、「現行憲法で、具体的に、何が足らないのか」と説明を求めると、安倍晋三は舌の根もかわかないうちに、「政府としてお答えすることは差し控えさせていただく」と、まさに「尻に帆をかけて」逃げ出した。恥も外聞もない。卑怯卑劣大嘘つきといわれようと、説明もしないし、議論にも応じない。


 確かに安倍総理は、これまでも卑怯であったり、卑劣であったりした。大嘘つきであることは周知の事実である。みっともないことを平気でできる無神経の持ち主でもある。


 だが、この逃げっぷりは、やはり尋常ではない。徹底している。逃げて、逃げて、逃げ回って、時間稼ぎをしているのは、明らかである。


 なぜなのか。「とんずら総理」と何と言われようと、議論に応じないのは、説明すればこれがとてつもなくひどい人権侵害を行いうる危険条項であることが万人に明らかになってしまうからである。かつて、これほど危険な改憲案が現在の政治課題として浮上してきたことはない。緊急事態条項の危険性については、我々は何度となくお伝えしてきた。


天賦人権説を否定した片山さつき議員。安倍総理の答弁の背景に見えてくる、倒錯した憲法観


 志位委員長の代表質問では、「お答えは差し控える」としながらも、「緊急時において、国民の安全を守るため、国家、そして国民みずからがどのような役割を果たすべきかを憲法にどのように位置づけるかについては、極めて重く、大切な課題と考えている」と回答した。


 緊急事態条項は、「緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も(略)国その他公の機関の指示に従わなければならない」と定め、強大化した国家権力を前に、国民は服従を強いられ、人権を制限することにも踏み込んでいるが、志位委員長に対する答弁で、安倍総理は改めて人権の制限規定が「大切な課題」であるとの認識を示したことになる。


 かつて自民党憲法改正案の起草委員のひとりである片山さつき議員が、改憲草案について、「天賦人権論をとるのは止めよう、というのが私たちの基本的考え方」と明言し、「国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか、を皆が考えるような前文にしました!」と改憲草案の性格を説明していた。これが悪い冗談ではなく、本気で、本当に本気で改憲を実行しようとしている巨大政党の議員の発言なのである。天賦人権論を拒否するという彼らは、人権が国家から与えられるものだとうそぶくのだろうか。とすれば、日本という国家はひとつの「監獄」であるというのに等しい。


 片山さつき氏の倒錯した憲法観こそが自民党改憲草案の本質である。安倍総理の答弁こそが、この事実を端的に物語っている。


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 自民党は今夏の参院選で3分の2議席を獲得し、憲法改正、それも緊急事態条項の新設を目指すと公言している。国民ひとりひとりが主人公であり、主権者である国から、国民が国家に服従し、国家のために存在するという、大日本国憲法下の日本のような時代錯誤の時代を受け入れるかどうか、今、瀬戸際に立たされている。
 以下に、緊急事態条項と憲法改正をめぐる共産・志位委員長による質疑と安倍総理の答弁を掲載する。(岩上安身)


「国民の役割を憲法にどう位置づけるかは重い課題」共産・志位委員長の質問と答弁を避けた安倍総理の回答部分全文


志位和夫・日本共産党委員長「私は、日本共産党を代表して、安倍総理に質問します。(略)
 憲法改定について質問します。総理は、大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家そして国民みずからがどのような役割を果たしていくべきかを憲法にどのように位置づけるかについては、極めて重く大切な課題と述べ、『緊急事態条項』の新設が憲法改定の重要なテーマになるとの考えを示しています


 そこで、うかがいます。


 第一に、自民党改憲草案の『緊急事態条項』」では、戦争や大規模災害の際に、首相の緊急事態の宣言のもと、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる、何人も、国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない、すなわち、内閣への権力集中と国民の基本的人権の制約を行うことを明記しています。総理は、こうした規定を憲法に明記することが必要だと考えているんですか?


 第二は、災害対策が緊急事態条項の理由になるか、という問題です。東北弁護士連合会は、災害対策を理由とする国家緊急権の創設に反対する会長声明を発表し、次のように述べています。

 『確かに、東日本大震災では、行政による初動対応の遅れが指摘された事例が少なくない。しかし、その原因は、行政による事前の防災計画策定、避難などの訓練、法制度の理解といった備えの不十分さにあると言われている。日本の災害法制はすでに法律で十分に整備されている。国家緊急権は、災害対策を理由としてもその必要性を見出すことはできない』


 この批判に、総理はどう答えますか? 緊急事態条項は、独裁政治、戦争国家に道を開き、憲法9条改定につながる危険きわまりないものであります


 日本共産党は、解釈改憲とともに、あらゆる明文改憲に断固として反対いたします。日本国憲法の平和主義、立憲主義、民主主義を貫く新しい政治、全ての国民の個人の尊厳を守り、大切にする社会の実現を目指して全力を挙げる決意を表明して、私の質問を終わります」


安倍晋三総理「志位和夫議員にお答えをいたします。(略)自民党憲法改正草案における緊急事態条項等についてのお尋ねがありました。
 憲法改正草案は、自由民主党として将来のあるべき憲法の姿を世の中にお示ししたものですが、その個々の内容について、政府としてお答えすることは差し控えさせていただきます
 その上で申し上げれば、大規模な災害が発生したような緊急時において、国民の安全を守るため、国家、そして国民みずからがどのような役割を果たすべきかを憲法にどのように位置づけるかについては、極めて重く、大切な課題と考えています。
 同時に、どの条項をどのように改正するかについては、国会や国民的な議論と理解の深まりの中で定まってくるものであると考えています。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義など、現行憲法の基本原理を維持することは当然の前提として、新しい時代にふさわしい憲法のあり方について、国民的な議論と理解が深まるよう努めてまいります




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