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やりたい放題の米国?:日本農業新聞記事

2013-11-19 06:16:05 | 言いたいことは何だ
米国がGI骨抜き主張 日本の立ち位置曖昧 「ウィキリークス」TPP秘密文書 (2013/11/18)





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 内部告発サイト「ウィキリークス」が13日に公開した、環太平洋連携協定(TPP)の知的財産権に関する条文案とされる文書で、農業と深く関わるのは地理的表示(GI)の条項だ。GIは、古い伝統や風土と結びつく高品質食品を地名とともに保護する仕組み。欧州連合(EU)が対外交渉で強く主張している。GIに消極的な米国が、TPP交渉の中で徹底的に骨抜きにしようと各国に働き掛けている姿が文書からは浮かんでくる。

 GIは医薬品や著作権など知的財産権全9項目の中の1項目を占める。8月末時点の交渉を反映したとされる文書では「商標登録によってGI保護ができるようにしなければならない」ことなどが盛り込まれている。食品分野の知的財産保護は登録商標を基本に据え、GIは二の次にするべきという米国の主張に沿ったものだ。この他、GI保護の対象を狭めることを定める条項などもある。

 この文書を読む限り、日本政府は米政府の強硬な姿勢にブレーキをかけようとしている場面もあったようだ。

 EUは地域特産のチーズやハムなどの高級食品で、品質保証をした上で古い地名などと組み合わせGI保護をすることを求めている。ワインや蒸留酒では国際的に合意されているが、一般の食品全体にまで広げる狙いがある。EUが各国と結ぶ自由貿易協定(FTA)ではGI保護条項を必ず入れて、世界での普及を目指している。

 一方で欧州移民が多い米国などは欧州の地名をかぶせた食品も多く、GIの広がりでEU産以外を「偽物」とされてしまう事態を心配する。

 日本政府の立ち位置は微妙だ。米国と足並みをそろえてTPPを早期妥結に持ち込むというのが基本だが、EUとの関係を悪化させたくはない。今回の文書から、そうした日本の苦悩の姿がかいま見える。

・条文案が流出

 「ウィキリークス」が公開したTPP交渉の知的財産分野の条文案とみられる文書は、英語で95ページ約3万語に上り、8月30日の首席交渉官会合の配布資料とされる。特許権や著作権、商標の保護策などについて、原案への各国の立場や意見も盛り込んでいる。

 焦点となっている医薬品の特許権保護をめぐっては、強化を求める米国と新興国が対立。著作権では、権利侵害を権利者が訴えなくても関係当局が法的措置を取れる「非親告罪化」について、日本とベトナムが反対し、他の10カ国が賛成していると記述している。

 交渉参加国には秘密保持が義務付けられており、交渉の内容はほとんど公になっていない。しかし、今回の文書からは、医薬品価格の高騰・高止まりや表現の自由が脅かされるといった市民団体などの懸念につながる内容が、交渉の俎上(そじょう)に上っていることがうかがえる。


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