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カナダとメキシコが極めて不利な追加条件を受諾してまでTPPに喜んで参加する本当の理由

2013-03-13 07:00:51 | 言いたいことは何だ
http://blogos.com/article/57752/?axis=&p=1

●TPP参加に秘密条件~極めて不利な追加条件を課せられていたカナダとメキシコ(東京新聞スクープ)



 8日付け東京新聞紙面トップ記事は、TPP交渉参加国の中で後発のカナダとメキシコが、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていた事実と、その事実を日本政府があえて公表せずこれまで国民に伏せてきた疑義があることをスクープしています。

【経済】TPP参加に極秘条件 後発国、再交渉できず
 環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加問題で、二〇一一年十一月に後れて交渉参加を表明したカナダとメキシコが、米国など既に交渉を始めていた九カ国から「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」などと、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていた。複数の外交関係筋への取材で七日分かった。
 各国は今年中の交渉妥結を目指しており、日本が後れて参加した場合もカナダなどと同様に交渉権を著しく制限されるのは必至だ。
 関係筋によると、カナダ、メキシコ両政府は交渉条件をのんだ念書(レター)を極秘扱いしている。交渉全体を遅らせないために、後から参加する国には不利な条件を要求する内容だ。後から入る国は参加表明した後に、先発の国とレターを取り交わす。
 カナダなどは交渉終結権を手放したことによって、新たなルールづくりの協議で先発九カ国が交渉をまとめようとした際に、拒否権を持てなくなる。
 交渉参加に前向きな安倍晋三首相は、「『聖域なき関税撤廃』が前提ではないことが明確になった」と繰り返しているが、政府はカナダとメキシコが突きつけられた厳しい条件を明らかにしていない。日本がこうした条件をのんで参加した場合、「聖域」の確保が保証されない懸念が生じる。
 カナダ、メキシコも一部の農産品を関税で守りたい立場で、日本と置かれた状況は似ている。国内農家の反対を押し切り、対等な交渉権を手放してまでTPPの交渉参加に踏み切ったのは、貿易相手国として魅力的な日本の参加とアジア市場の開拓を見据えているからとみられる。
 先にTPPに参加した米国など九カ国は交渉を期限どおり有利に進めるため、カナダなど後発の参加国を「最恵国待遇」が受けられない、不利な立場の扱いにしたとみられる。
<TPP交渉参加国> 2006年、「P4」と呼ばれたシンガポールとニュージーランド、チリ、ブルネイによる4カ国の経済連携協定(EPA)が発効。これに米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアが10年に加わり、9カ国に拡大した。その後、カナダとメキシコも参加を表明し、12年10月の協議から11カ国で交渉している。
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013030790135117.html


8日付け東京新聞紙面は、1面2面3面に当該記事および関連記事を掲載する力の入れようですが、同紙によればカナダとメキシコが承諾させられた秘密条件の主要部分は以下の2つ。

TPP交渉参加をめぐる主な秘密条件
1:遅れて交渉した国は、既に交渉を始めている9ヵ国が合意した事項(条文)を、原則として受け入れ、再協議は認められない。
2:交渉を打ち切る権利は、9ヶ国にあり、遅れて交渉入りした国には認められない。


 うむ、先発の9ヵ国が後発の国に、不利な参加条件を求めることは、十分に有り得るし、あったとしても意外ではありません、年内という交渉妥結の目標期限を定めている中で、後から参加する国の要求を受け入れ、それぞれ例外を認めていては、とても妥結できないからです。
 日本政府関係者は現時点で日本にはこのような厳しい条件は提示されていないと反論していますが、これは反論になっていません現時点で日本は参加表明していませんから条件提示されていなくて当然だからです、日本に対する条件提示はこれからです、カナダとメキシコよりさらに後発の日本が、参加表明の後、同等の厳しい極めて不利な追加条件を突きつけられることはほぼ間違いありません、しかもそれは秘密裏に行われることでしょう。
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●「聖域なき関税撤廃は前提でない」~虚しい高度な政治的「言葉遊び」に過ぎない日米共同声明



 「遅れて交渉した国は、既に交渉を始めている9ヵ国が合意した事項(条文)を、原則として受け入れ、再協議は認められない」という、このような極めて厳しい秘密条件が明かされた今となっては、先の日米共同声明のあの牧歌的文章は一体何だったのであろうかと、の当然疑問を持つわけです。
 あらためて、日米両政府のTPP交渉参加に関する、共同声明を外務省公式サイトよりおさえておきましょう。

Joint Statement by the United States and Japan


日米の共同声明
The two Governments confirm that should Japan participate in the TPP negotiations, all goods would be subject to
negotiation, and Japan would join others in achieving a comprehensive, high-standard agreement, as described in the Outlines of the TPP Agreement announced by TPP Leaders on November 12, 2011.


両政府は,日本が環太平洋パートナーシップ(TPP)交渉に参加する場合には,全ての物品が交渉の対象とされること,及び,日本が他の交渉参加国とともに,2011 年 11 月 12 日にTPP首脳によって表明された「TPPの輪郭(アウトライン)」において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する。
Recognizing that both countries have bilateral trade sensitivities, such as certain agricultural products for Japan and certain manufactured products for the United States, the two Governments confirm that, as the final outcome will be determined during the negotiations, it is not required to make a prior commitment to unilaterally eliminate all tariffs upon joining the TPP negotiations.


日本には一定の農産品,米国には一定の工業製品というように,両国ともに二国間貿易上のセンシティビティが存在することを認識しつつ,両政府は,最終的な結果は交渉の中で決まっていくものであることから,TPP交渉参加に際し,一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する。
The two Governments will continue their bilateral consultations with respect to Japan's possible interest in joining the TPP. While progress has been made in these consultations, more work remains to be done, including addressing outstanding concerns with respect to the automotive and insurance sectors, addressing other non-tariff measures, and completing work regarding meeting the high TPP standards.


 両政府は,TPP参加への日本のあり得べき関心についての二国間協議を継続する。これらの協議は進展を見せているが,自動車部門や保険部門に関する残された懸案事項に対処し,その他の非関税措置に対処し,及びTPPの高い水準を満たすことについて作業を完了することを含め,なされるべき更なる作業が残されている。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_abe2/vti_1302/pdfs/1302_us_01.pdf
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/s_abe2/vti_1302/pdfs/1302_us_02.pdf


 うむ、この声明の"it is not required to make a prior commitment to unilaterally eliminate all tariffs upon joining the TPP negotiations"(TPP交渉参加に際し,一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではない)の部分をもってして「聖域なき関税撤廃は前提でない」と解釈した安倍首相ですが、この声明は難解な言い回しをしていますがTPP交渉に関しては何も新しいことは表明していません、例外のない交渉など存在しないのは自明なのですから、失礼ながらこれは高度な政治的「言葉遊び」に過ぎません。
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続きは、http://blogos.com/article/57752/?axis=&p=1へ。


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