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[不安の連鎖 TPP・カナダの葛藤 4] 疑念 巨大企業が利益独占 (2013年01月19日):日本農業新聞記事です。

2013-01-19 19:54:12 | 言いたいことは何だ
[不安の連鎖 TPP・カナダの葛藤 4] 疑念 巨大企業が利益独占 (2013年01月19日)





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 「環太平洋連携協定(TPP)はカナダ養豚業界の貿易機会を増やす」「政府の判断を感謝する」――。カナダのTPP交渉参加が正式に決まった昨年10月、同国の豚肉協議会や肉牛生産者協会などの生産者団体は相次いで、交渉参加を歓迎する声明を発表した。競争力が強い小麦、ナタネ、豚肉、牛肉の輸出を拡大できるとの思惑だ。

 しかし、農家からは輸出拡大が所得向上に結び付くのか疑問視する声も上がり始めた。背景には、農家から安く買い上げて利益を上げる穀物メジャーの存在がある。http://www.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2013/01/19/uid001010_20130119114127a703d8b3.jpg

 カナダ中央部の平原にあるサスカチワン州デリーズル。50頭の肉牛を飼養するネティ・ウィーブさん(63)は「輸出が増えても生産者の所得に反映されない。加工業者が利益を得るだけだ」と嘆く。

 カナダの牛肉加工業者は、穀物メジャーの「カーギル」など米国に本社を置く大企業数社が経営を支配する。地元資本を駆逐し、肉牛肥育から食肉処理、加工、販売までを支配、価格形成にも大きな影響力を持つ。

 カナダの肥育牛の生産者価格は100ポンド(約45キロ)当たり100~110カナダドル(8200~9000円)で、1キロ換算では180~200円にとどまる。カナダ産は多くが米国に輸出されるが、米国での小売価格の5分の1程度にすぎない。

 ウィーブさんは「農家が少しでも価格形成で力を持つことが大事だ」と指摘、穀物メジャーなどによる搾取に憤る。

 カナダの家族経営の農業者で組織し、ウィーブさんも参加する生産者団体ナショナルファーマーズユニオンは、TPPをはじめ新自由主義的な政策に懐疑的だ。同団体が政府の統計を基に作成した資料によると、カナダの2011年の農産物輸出額は400億カナダドルを超え、20年余りで4倍に拡大した。しかし農家の所得は横ばいで、輸出増加の利益が還元されていない。http://www.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2013/01/19/uid001010_20130119114123bd15614a.jpg

 同団体の研究員のキャシー・ホルツランダーさんは「(TPPで関税撤廃を推し進めて)低価格の国との価格競争が激化すれば、(穀物メジャーは)農家への支払いをますます少なくするのではないか」と予測。TPPが巨大企業の利益にしかならないことを懸念する。

 オーストラリアなどは別として、多くの国は守りたい品目がある。米国は砂糖や一部乳製品、カナダは乳製品や鶏肉などの供給管理品目だ。

 しかしカナダの生産者はTPPに不安を覚えながらも危機感が弱い。背景には、米国と結ぶ北米自由貿易協定(NAFTA)などで供給管理品目を関税撤廃の例外にしているため、TPPでも同様の着地点を見いだせるとの期待があるとみられる。

 一方、日本が貿易自由化交渉で守ってきた農産物の重要品目は米や小麦、砂糖、牛肉、乳製品などで、品目を細かく分けると全品目の約10%を占める。米国とカナダが例外にしてきた品目の割合は1%で、状況は大きく異なる。両国に仮に関税の例外が認められても、日本が参加した場合、重要品目を守れるという保証はなにもない。(おわり)


 
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 日本でこうした情報を伝えるのは限られている。



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