田中正造は、記憶力の悪さを苦にしていたという。
愛妻や養子の名すら失念したという逸話もあるらしい
愛妻や養子の名すら失念したという逸話もあるらしい
▼ 三十代に殺人の冤罪(えんざい)で、三年の獄中生活を強いられた。
病死した囚人の衣類をもらい受けて寒さをしのぐほどの過酷な
日々の中で、記憶力の悪さを克服する道を見出す。
「要はただ専門と云(い)うに外(ほか)ならず。他の事は忘れよ」。
一つのことに専念し打ち込めば、記憶力など問題にはならないはずだと
病死した囚人の衣類をもらい受けて寒さをしのぐほどの過酷な
日々の中で、記憶力の悪さを克服する道を見出す。
「要はただ専門と云(い)うに外(ほか)ならず。他の事は忘れよ」。
一つのことに専念し打ち込めば、記憶力など問題にはならないはずだと
▼ 正造が専心したのは「一身を以(もっ)て公共に尽くす」こと。
明治の富国強兵の世にあって、為政者が目をつぶってほしいこと、
忘れ去ってほしい問題を、自分が生まれ育った農村の視点で考え、
死ぬまで行動し続けた
明治の富国強兵の世にあって、為政者が目をつぶってほしいこと、
忘れ去ってほしい問題を、自分が生まれ育った農村の視点で考え、
死ぬまで行動し続けた
▼ 渡良瀬川の恵みの中で暮らしていた農民が足尾銅山の鉱毒で
生活を奪われると、国策のまやかしを追及し続けた。
軍事費の負担増を批判して、同じ使うのなら、
外交に費やし諸国の信頼を得るように求めた
生活を奪われると、国策のまやかしを追及し続けた。
軍事費の負担増を批判して、同じ使うのなら、
外交に費やし諸国の信頼を得るように求めた
▼ 記憶力の乏しさを補うためだろうか、膨大な日記を遺(のこ)した。
<天地は皆我(わが)身なる事を知るべし…山を掘り金属を出して
便利とす、之(これ)我肉を売って衣食に代るの類なり>
<天地は皆我(わが)身なる事を知るべし…山を掘り金属を出して
便利とす、之(これ)我肉を売って衣食に代るの類なり>
▼ <国家のため、国家のためと唱えて…山を盗み…村を潰し、
古になき大毒海の如(ごと)きを造り、
以て窮民を造り多く人を殺す。国家のためとは何を>
古になき大毒海の如(ごと)きを造り、
以て窮民を造り多く人を殺す。国家のためとは何を>
▼ 正造が七十一歳で世を去って、きょうで百年。
その言葉は、今の日本に重く鋭く響く。
その言葉は、今の日本に重く鋭く響く。
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真の文明は山を荒らさず 川を荒らさず 村を破らず
人を殺さざるべし
人を殺さざるべし
己の愚を知れば則ち愚にあらず、己の愚なることを知らなければ
真の愚である。
民を殺すは国家を殺すなり、法を蔑ろにするは
国家を蔑ろにするなり、人が自ら国を殺すのである。
(田中正造之生涯 大空社より)
真の愚である。
民を殺すは国家を殺すなり、法を蔑ろにするは
国家を蔑ろにするなり、人が自ら国を殺すのである。
(田中正造之生涯 大空社より)
足尾銅山鉱毒事件は100年前です。
福島の事故後何も変わらぬ日本の政治ですが、
福島の事故後何も変わらぬ日本の政治ですが、
何も変わらぬなどと言っていては何も変わりません。
私たちはそれぞれの立ち位置で、声を上げ続けなければなりません。
私たちはそれぞれの立ち位置で、声を上げ続けなければなりません。
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