台湾産レタス 日本商社が開発輸入 秋冬期供給不安定化で 国内産地の脅威に (2014/2/17):日本農業新聞
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天候不順で秋冬期の国産レタスの供給が不安定化する中、日本の輸入商社が中・外食向けに台湾産レタスの調達を強め、独自の産地開発にも動きだしている。台湾の政府も対日輸出を全面的に支援。歩留まりの良さなど品質面での評価が高い台湾産の台頭は、日本の産地にとって大きな脅威になる。
http://image.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2014/02/17/uid000354_20140217145534627637a1.jpg 「葉肉が厚い。これなら日本のレタスより歩留まりが良さそうだ」
台湾最大の農業地帯、雲林県の石榴。=益生さん(69)が育てた収穫間際のレタスの感触を確かめながら、輸入商社サングローブフードの安斎良邦会長が満足そうな笑みを浮かべた。葉肉が分厚く、1個当たりの重量があるレタスは、加工の際に歩留まりが良く、中・外食業者から好まれる。「冬場に限って言えば、葉肉が薄く、軽くなってしまう国産より品質的に優れている」という。
2期連続で秋冬期の国産レタスが天候不順に直面した。不作で国内農家が契約取引分の数量を用意できなかった。その結果、中・外食業者が必要量を確保できず、輸入商社に割安な台湾産の注文が殺到。レタス輸入で日本最大手の同社の今季(昨年11月~今年4月)の取扱量は、昨季の1200トンから一気に2000トンまで増える見通しだ。
少子高齢化が進む中、簡単に食べられるカット野菜を中心に業務用のレタス需要は増加。天候不順で国産が入手しづらくなることを見越した業務筋からの安定供給の要望は、今後さらに増えるとの見方が業界で強い。
そこで同社は、これまでの既存の契約産地に加え、新規取引先の開拓に着手。その一つが、=さんら雲林県の複数の農家を束ねてレタス生産販売事業を始めた加工食品メーカーの永豊食品工業(雲林県斗六市)だ。日本国内のカット野菜業者に向けた新たな調達先として今季から取引し始めた。
=さんは同社との取引を機に今季、経営する水田10ヘクタールのうち1.5ヘクタール分の裏作でレタスを栽培。同社は、使用する農薬や肥料の種類や量、時期を指定。施肥と農薬の散布を農家に任せるのではなく、第三者に委託し、実行してもらうことで、残留農薬が基準値を超えないように徹底している。
同社は2003年、日本の大手ファストフード店向けに台湾レタスの輸入を開始。現地農家への技術指導も手掛け、日本の実需者が求める品質のレタスを生産できる体制を産地に根付かせてきた先駆者だ。日本向け輸出に不可欠な残留農薬の検査、パッキングや予冷施設の設置に掛かる費用の一部を政府が助成する制度も、同社の働き掛けがきっかけで生まれた。
農水省の植物検疫統計によると、1月の台湾レタスの輸入検査実績(速報値)は2812トン。前年の1.5倍、前々年と比べると3.1倍の水準に急増。この2年で同社以外の商社の参入も相次ぐなど、台湾産レタスをめぐる仕入れ競争も激化している。
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天候不順で秋冬期の国産レタスの供給が不安定化する中、日本の輸入商社が中・外食向けに台湾産レタスの調達を強め、独自の産地開発にも動きだしている。台湾の政府も対日輸出を全面的に支援。歩留まりの良さなど品質面での評価が高い台湾産の台頭は、日本の産地にとって大きな脅威になる。
http://image.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2014/02/17/uid000354_20140217145534627637a1.jpg 「葉肉が厚い。これなら日本のレタスより歩留まりが良さそうだ」
台湾最大の農業地帯、雲林県の石榴。=益生さん(69)が育てた収穫間際のレタスの感触を確かめながら、輸入商社サングローブフードの安斎良邦会長が満足そうな笑みを浮かべた。葉肉が分厚く、1個当たりの重量があるレタスは、加工の際に歩留まりが良く、中・外食業者から好まれる。「冬場に限って言えば、葉肉が薄く、軽くなってしまう国産より品質的に優れている」という。
2期連続で秋冬期の国産レタスが天候不順に直面した。不作で国内農家が契約取引分の数量を用意できなかった。その結果、中・外食業者が必要量を確保できず、輸入商社に割安な台湾産の注文が殺到。レタス輸入で日本最大手の同社の今季(昨年11月~今年4月)の取扱量は、昨季の1200トンから一気に2000トンまで増える見通しだ。
少子高齢化が進む中、簡単に食べられるカット野菜を中心に業務用のレタス需要は増加。天候不順で国産が入手しづらくなることを見越した業務筋からの安定供給の要望は、今後さらに増えるとの見方が業界で強い。
そこで同社は、これまでの既存の契約産地に加え、新規取引先の開拓に着手。その一つが、=さんら雲林県の複数の農家を束ねてレタス生産販売事業を始めた加工食品メーカーの永豊食品工業(雲林県斗六市)だ。日本国内のカット野菜業者に向けた新たな調達先として今季から取引し始めた。
=さんは同社との取引を機に今季、経営する水田10ヘクタールのうち1.5ヘクタール分の裏作でレタスを栽培。同社は、使用する農薬や肥料の種類や量、時期を指定。施肥と農薬の散布を農家に任せるのではなく、第三者に委託し、実行してもらうことで、残留農薬が基準値を超えないように徹底している。
同社は2003年、日本の大手ファストフード店向けに台湾レタスの輸入を開始。現地農家への技術指導も手掛け、日本の実需者が求める品質のレタスを生産できる体制を産地に根付かせてきた先駆者だ。日本向け輸出に不可欠な残留農薬の検査、パッキングや予冷施設の設置に掛かる費用の一部を政府が助成する制度も、同社の働き掛けがきっかけで生まれた。
農水省の植物検疫統計によると、1月の台湾レタスの輸入検査実績(速報値)は2812トン。前年の1.5倍、前々年と比べると3.1倍の水準に急増。この2年で同社以外の商社の参入も相次ぐなど、台湾産レタスをめぐる仕入れ競争も激化している。
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