TPA早期可決 黄信号 委員長に慎重派 与党も反対続出 米議会 (2014/2/18):日本農業新聞記事
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米政府に貿易交渉の強い権限を与える「大統領貿易促進権限(TPA)」法案の早期成立に黄信号がともっている。議会上院で審議を担当する財政委員会の委員長が、同法案に慎重とみられるワイデン氏(民主党)に交代。また与党・民主党の幹部が、相次いで同法案に反対を表明しているためだ。法案成立のめどが立たなければ、米政府が環太平洋連携協定(TPP)交渉で身動きが取れなくなる可能性もある。
・TPP交渉影響必至
前任のボーカス氏(民主党)の駐中国大使への任命を受け、ワイデン氏は12日、上院財政委員会の委員長に正式に就任した。ボーカス氏はTPA法案の共同提出者の一人だが、ワイデン氏は早期可決に慎重な構え。米通商専門誌インサイドUSトレードによると、ワイデン氏は11日、「同法案の審議は最優先課題ではない」との考えを同誌記者に示したという。
http://image.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2014/02/18/uid000354_20140218135926dcf2d164.jpg もともと民主党は、伝統的に自由貿易に慎重な立場を取る。オバマ大統領は1月の一般教書演説でTPA法案の成立に議会の協力を求めたが、反発の声は与党・民主党内の方が根強い。オバマ氏の演説直後には、同党幹部のリード上院院内総務が法案への反対を表明。さらに2月12日には、下院のペロシ院内総務も反対を表明した。
甘利明TPP担当相はリード氏の反対表明を「(自民党の)石破茂幹事長が反対しているような話」と表現したが、米議会の「院内総務」は日本の国会対策委員長と議院運営委員長を合わせたような役職。議案の審議計画を決めるため、院内総務がTPA法案に反対すれば審議は後回しになる可能性があり、「単なる党幹部の反対以上の意味を持つ」(外交筋)。
TPAがなければ、米政府が各国とTPP交渉を妥結しても、米議会に修正を求められる可能性が高い。このため同法案成立の見通しが立たない中では、米国が各国に歩み寄るのは難しく、各国も米国との協議に慎重になるとの見方がある。
しかし「米国は交渉の中で、そんな姿勢はおくびにも出さない」(交渉筋)。また米国内には「TPP交渉で成果を出した後にTPA法案を成立させればいいという見方もある」(同)。22日から始まるTPP閣僚会合を前に、ある自民党農林幹部は「TPAがどうなろうと、最大限の警戒が必要なことに変わりはない」と語る。
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米政府に貿易交渉の強い権限を与える「大統領貿易促進権限(TPA)」法案の早期成立に黄信号がともっている。議会上院で審議を担当する財政委員会の委員長が、同法案に慎重とみられるワイデン氏(民主党)に交代。また与党・民主党の幹部が、相次いで同法案に反対を表明しているためだ。法案成立のめどが立たなければ、米政府が環太平洋連携協定(TPP)交渉で身動きが取れなくなる可能性もある。
・TPP交渉影響必至
前任のボーカス氏(民主党)の駐中国大使への任命を受け、ワイデン氏は12日、上院財政委員会の委員長に正式に就任した。ボーカス氏はTPA法案の共同提出者の一人だが、ワイデン氏は早期可決に慎重な構え。米通商専門誌インサイドUSトレードによると、ワイデン氏は11日、「同法案の審議は最優先課題ではない」との考えを同誌記者に示したという。
http://image.agrinews.co.jp/uploads/fckeditor/2014/02/18/uid000354_20140218135926dcf2d164.jpg もともと民主党は、伝統的に自由貿易に慎重な立場を取る。オバマ大統領は1月の一般教書演説でTPA法案の成立に議会の協力を求めたが、反発の声は与党・民主党内の方が根強い。オバマ氏の演説直後には、同党幹部のリード上院院内総務が法案への反対を表明。さらに2月12日には、下院のペロシ院内総務も反対を表明した。
甘利明TPP担当相はリード氏の反対表明を「(自民党の)石破茂幹事長が反対しているような話」と表現したが、米議会の「院内総務」は日本の国会対策委員長と議院運営委員長を合わせたような役職。議案の審議計画を決めるため、院内総務がTPA法案に反対すれば審議は後回しになる可能性があり、「単なる党幹部の反対以上の意味を持つ」(外交筋)。
TPAがなければ、米政府が各国とTPP交渉を妥結しても、米議会に修正を求められる可能性が高い。このため同法案成立の見通しが立たない中では、米国が各国に歩み寄るのは難しく、各国も米国との協議に慎重になるとの見方がある。
しかし「米国は交渉の中で、そんな姿勢はおくびにも出さない」(交渉筋)。また米国内には「TPP交渉で成果を出した後にTPA法案を成立させればいいという見方もある」(同)。22日から始まるTPP閣僚会合を前に、ある自民党農林幹部は「TPAがどうなろうと、最大限の警戒が必要なことに変わりはない」と語る。