憂生’s/白蛇

あれやこれやと・・・

笑う女・・・6

2022-08-19 20:57:48 | 笑う女

江崎と交代して、俺は自分のアパートに
帰るために
車を走らせていた。

途中、コンビニによると、
出来合いの弁当を物色し
1冊、週刊誌をかいこんだ。

車に乗って
エンジンをかけたとき
俺は
自分の中にある疑問に
新たな疑問を感じている自分を
はっきりと自覚した。

簡単にエンジンキーを差込み、ぐっとひねる。

こんな簡単な動作でも
笑子には、むつかしいことだ。

と、なると、
笑子のあの行動が欲求行動であるとするなら・・・。

笑子が俺の手に性器を押し付けてくる前に・・・。

笑子がその部分の快感を学習した。

と、考えられる。

俺は男だから女の欲求はよくわからないが、
女の欲求というものは、
接触なしに身のうちからわいてくるものだろうか?
おうおうにして、
性器への何らかの形での外部からの接触が
きっかけで、
性器に快感を感じるポイントがあることに
きがつかされるのではないのだろうか?

ところが笑子は自分で性器へ手を伸ばすこともままならない。

そんな笑子が
自分の性器に快感ポイントがあると
知っているかのように
俺に触れろと腰をもちあげてみせたのだとしたら・・・・。

それとも、やはり俺の考えすぎで
女は女の場所で
「もやもや」したものをもってしまうのか?
男が
「もやもや」したものに、つい引きずられ
自慰行為をはじめてしまうのと同じように、
女もそこは同じなのか?

それならばいいのだが・・・・。

俺はいやな予感にひきずられ、
もう一度
施設に車を引き返すことにした。

笑子の部屋の前にそっとたって、
ドアを静かに引いたのは
俺の考えが
もう、そのときに
間違いがないとわかったからだ。

俺は
このとき、
ドアを開けなければ良かったとおもう。

そして、
俺はなぜ、わざわざ、事実を確かめにいったんだろうとおもう。

そのきっかけが
触れてはならないことに触れることになると、
俺の頭の中で何度も警告があった。

F・バーネットの児童文学に
「秘密の花園」ってのがあったとおもう。

その花園の鍵を知った人間が
花園の中に入るんだ。

俺もどこかでその鍵を知ろうとしている自分だと
きがついていた。

だから、
ドアの中で目撃した江崎の行為を
俺が本気でとどめようとしていたかというと、

きっと、
ほんきじゃなかった。

と、言うしかない。



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