つぶやき、遊び・仕事・日常

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「最期(さいご)」を恐れない

2021-03-22 06:54:20 | 日記
俳聖松尾芭蕉の句は、それぞれが味わい深い。
だがそれだけではなく、何か人生を考えさせられる気がするものだ。
おいらは、芭蕉のこんな句にも惹かれる。

◆やがて死ぬ 気色は見えず 蝉の声
 「やがて死ぬ」、人生はいろいろあるが、ただそれだけのことだ。
 そこには未練もなければ恐れもない。

 風鈴の音を聞くと、涼しくまた寂しくもなる。
 赤子の輝く目を見ると、気持ちは明るく前向きになる。
 何かをじっと見たり聞いたりしていると、自分もそうなっていくようだ。

 「やがて死ぬ 気色は見えず 蝉の声」
 蝉は、植物の根から養分をもらって、数年、地中で幼虫として生きる。
 外国では、13年蝉とか、26年蝉なんてのもいるらしいが。
 それが地上に出て、羽を付けると、わずか一週間で死ぬ。
 しかし、しきりに鳴く元気な蝉の声に死の恐れはどこにもない。
 むろんこれは、蝉のことだけではない。
 「やがて死ぬ」に芭蕉自身が重なっているのだ。
 自分もあの蝉たちのように、あのように、まったく死を恐れずに、今この時を生きられるか、ということなのだろう。

 なるほど、そんな達観に達したいものです。
 「やがて死ぬ」、ただそれだけのこと、たしかに未練や恐れは薄れていくようです。