矢嶋武弘・Takehiroの部屋

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ラーメンあれこれ

2024年10月27日 06時52分58秒 | 経済、生活一般、衣食住など

 <以下の記事は2010年3月11日に書いたものですが、原文のまま復刻します>

ラーメンは日本の“国民食”と言われる。ほとんどの人がラーメンを食べたことがあるだろう。私もラーメンが好きだ。
 学生時代(もう50年ほど昔だが)、早稲田や高田馬場あたりで食べたラーメンは普通、一杯35円だったことをはっきりと覚えている。少し上品な中華料理店だと40円、場末のラーメン店だと30円というのもあった。
 他の物の値段はすっかり忘れたのに、ラーメンの値段だけははっきり覚えているということは、ラーメンがいかに身近な食べ物だったかという証だろう。ちなみに、早稲田の30円の某ラーメン店は味が落ちるのだが、私好みの可愛い女店員がいたのでよく通ったものだ。
 
就職して暫くすると、インスタントラーメンがもの凄い勢いで普及し始めた。「日清」だったか「明星」だったか忘れたが、泊り勤務の時はいつも食べた。
 警視庁記者クラブで泊っていると、大きな風呂敷包みを抱えた行商のオバサンがやって来る。われわれ若い記者はオバサンからインスタントラーメンを買って食べていた。それほど美味いわけではないが、手っ取り早くていい。
 昼間は上司が排骨(パーコ)ラーメンが大好きだというので、有楽町のビル地下街へよく行ってパーコ麺を食べた。その店はサラリーマンやOLでいつも超満員であった。
 そのうち、カップラーメンが流行り出した。これも非常に便利で、仕事で超多忙の時などによく食べた。調べてみると、1972年(昭和47年)の2月、日本中を震撼させた連合赤軍「あさま山荘事件」が起きた時、マイナス20度にも達する厳冬の中で、機動隊員らが夢中でカップラーメンをすする光景がテレビに映し出され、これを契機によく売れるようになったという。とにかく便利な食品だ。
 ラーメンは出汁(だし)がポイントだと思う。つまりスープだ。これが美味いかどうかで勝負がつくのではないか。醤油味、味噌味、塩味のタレは好き好きだが、スープの善し悪しが売れるかどうかの秘訣ではないか。 私はラーメンの専門家ではないが、この出汁をめぐって大変な創意工夫が行なわれていると思う。
 
ここで話が脱線するが、お許し願いたい。出汁で面白い話を聞いたことがある。昔、福田赳夫という政治家(元首相)がいたが、福田さんもラーメンが大好きでよく食べていた。
 ある晩、国会からの帰りに行き付けのラーメン店(東京都心)に立ち寄り、おいしいおいしいと思って食べていた。そして、ふと厨房の中を覗いたら、出汁を作る釜に“犬の頭”が浮いているのを見つけたのだ。とたんに食べる気がしなくなったと話すから、われわれ記者たちは大笑いしたことがある。
 
もう一つ、出汁に関するとんでもない話を紹介しよう。それは「手首ラーメン事件」と言って1978年(昭和53年)に起きたことだ。その年の夏、某暴力団内部の抗争である幹部のバラバラ遺体が発見された。
 警察が捜査したところ、バラバラ遺体の両手首だけがどうしても発見されない。そこで警察が某容疑者を厳しく追及したところ、彼はその両手首の始末に困り、子分どもがやっている屋台ラーメンの出汁に使ったと自供した。
 この話がマスコミで報道されるや大騒動になった。特にその屋台ラーメンが営業していたのが東京の尾久から荒川土手、西日暮里にかけてだったが、警視庁に問い合わせが殺到したのである。 結局、事の真相はウヤムヤのまま終わった(終わらせた?)が、あの「手首ラーメン事件」は忘れられない話だった。この事件でラーメンの売り上げが30%もダウンしたというから、非常にショッキングなニュースだったのである。
もともと“事件記者”だった私なので、つい忌まわしい話をしてしまったのは申し訳ない。しかし、これは本当の話だったのだ。
 そこでラーメンそのものの話に戻るが、私は今は醤油味が好きである。以前は味噌味のものや広東(カントン)麺をよく食べたが、このところ醤油味の微妙な違いを楽しんでいる。
 スーパーやコンビニでよくインスタントラーメンを買うが、最近はコンビニの方が多い。スーパーより若干値が高いが、味の種類が豊富だ。テレビなどでラーメン特集をよくやっているが、日本人には欠かせない食品だと思う。何か取り留めのない話になってしまった。失礼 (2010年3月11日)


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