大持山を歩いた後、若いころに名郷から武川岳、二子山を縦走して芦ヶ久保に出たことを思い出した。
武川岳は何年か前に名郷から登っている。
そこで次の山行を芦ヶ久保から二子山に登ることにした。
この日は、目覚ましをセットしていたのに寝過ごした。
でもなんとか予定の電車に乗れて、芦ヶ久保駅に到着。
ところが、ご覧のように観光氷柱のために予定した浅間神社コースは通行止めだった。
計画では尾根道である浅間神社コースをのぼり、岳の沢コースを下るつもりだった。
「通行止めはないだろう」と思ったが、仕方がない。
氷柱会場への道の途中から西武線のトンネルをくぐり岳の沢へとむかう。
すぐに斜面を登り始め、日陰のこちらに対して日向の反対斜面が明るく輝いている。
氷柱のためにこの日陰の谷を歩くはめになってしまったではないか。
まずは小さな峠をこえて岳の沢へとむかう。
岳の沢におりて、あとはこの沢にそって登っていく。
日陰ではあるが、割と明るいので少し気分がよくなった。
支沢をわたる。
このコースでは、こうしたポイントに学習登山のレッスン看板が設置されている。
学習の中身はともかく、位置の確認がしやすいので、その意味では理解できる。
沢に小さな滝を見つけた。
その滝の少し上に岩を流れ落ちる水場があった。
ここは夏でも枯れることはなさそうだ。
道にはオオバイノモトソウが目についたが、その水場のあたりから斜面をおおう大群落になっていた。
駅をでて1時間、9時34分、岳の沢の詰めについた。
ここから左手の斜面へと登っていく。
日陰を抜け出せるかと期待したが、まだしばらくはだめだった。
近くの山の斜面には日が差しているのに、歩いている斜面はまだ日陰。
でも谷底を歩いているよりは気分はいい。
ところどころ木々の間から丸山や横瀬の街がすけて見えたりする。
ようやく山頂へと続く尾根に到達した。木漏れ日もさしている。
武甲山も見えてきた。
木の枝越しではあるが、これから登る二子山雌岳もすぐ近くに見えた。
そんな尾根を200mほど歩くと目の前に雌岳の急斜面が立ちはだかってきた。
ロープが何本も設置されたあいだをほとんど直登だ。
これはロープ場を上から見下ろした写真。
土の急斜面なのでこれはロープがないとたいへんだ。
ロープ場がおわって10分弱で雌岳山頂に到着。山頂は木に覆われている。
駅から1時間50分だった。
最初登ろうとしていた浅間神社コースの入り口にはロープが張られ「立入禁止」の表示がしてあった。
次に三角点のある雄岳へとむかう。
またも急登だが、こちらは道に足場が多くてロープがなくても問題なかった。
二子山だけに雄岳と雌岳は高さもほぼ同じで山容もよく似ている。
この斜面の途中で、「藪岩魂」という山と渓谷社がだした本の著者とすれ違った。
奥さんをつれて下ってきたのだが、名前が出てこなかったので言葉はかけなかった。
二子山の三角点。
バックが明るくてうまく撮れなかったが、山頂標識には882.7mと書いてある。
地理院地図の表示は882.8mだけど。
測量後に少しすり減ったのかな(笑)。
山頂標識のあたりは木々に覆われているが、少し移動すると武甲山がよく見えるポイントがあった。
こちらは同じところから横瀬と秩父の街。
ガイドブックには大展望と書いてあるが、少し灌木が伸びてきて展望が失われつつある。
まだ10時40分だが、持ってきたお湯でカップラーメンを食べる。
大持山の時とは打って変わって風もなく暖かい。
失われつつある展望を惜しみつつ下山開始。
お昼が近づいたので岳の沢へとくだる斜面にも日が差している。
このあと山道が尾根の先端部から沢へと下るポイントで先ほどの方と再びめぐりあった。
奥さんが疲れたのでゆっくり休憩していたようだ。
その奥さんが少し笑いながら「早いですね」と声をかけてきた。
今度は名前も思い出したので「藪岩魂を書いた方ですよね」と男性に声をかけると笑いながら「打田です」と答えてくれた。
これがその本。打田さんは私と同じ年齢だ。
観光氷柱のために浅間神社コースが通れず、周回コースが組めなかったと話すと、別の尾根をたどるルートがあることを教えてくれた。
実はこの本にも書いてあったのだが、私は忘れていた。
今度はそのコースで登ってみようと思う。
ゆっくり休憩している二人をあとに先に下る。
岳の沢をそのまま下る道と芦ヶ久保駅への道の分岐。
そしてここが最初に越えた峠。打田さんがすすめてくれたルートは、ここから尾根をたどるルートだ。
駅に着いたとき目の前で12時18分の飯能行きが出てしまった。
駅前にある道の駅にもどってキノコを2種類と漬物をお土産に買い込んだ。
その後コーヒーを飲んで時間をつぶし、12時59分の電車で帰宅。それでも3時には帰宅できた。
駅のそばの山はやはり便利がいい。駅から近い割に高度差もあって適度のトレーニングになる。
打田さんのすすめるルートをつかって近いうちにまた登ってみようと思う。