先日投稿した北八ヶ岳にゅうと同じ年の8月末に赤岳から横岳、硫黄岳を縦走していた。
このときは、始発の電車と茅野からの路線バスで美濃戸口からはいった。
出発の時点ではいい天気で、八ヶ岳全体が見渡せていたのに、いざ山にはいると2日ともガスに包まれた山旅となってしまった。
8月も終わりなので、バスの窓からは満開のそばの花を見ることができた。
美濃戸口に11時20分ごろに到着するバスだったと思うが、登山の客は私一人だけだった。
美濃戸口から美濃戸山荘まで約1時間てくてく歩く。
マイカーならこの近くまで車で入ることができるのに、なぜこの時は電車とバスにしたのか、よく思い出せない。
美濃戸山荘からは北沢にそって赤岳鉱泉へとむかった。
行者小屋泊りを予定して予約してあったので南沢コースで直行してもよかったのだが、赤岳鉱泉から中山乗越をこえる道をえらんだ。
山深く入るとともに山は雲におおわれてきた。でも今日は小屋に入るだけなのであまり気にはならなかった。
行者小屋へと抜ける中山乗越の道もずっと樹林帯の中だった。
行者小屋には午後2時45分に到着。予約は素泊まり。
でもなんだかもう少し歩きたかったので、予約取り消しと小屋に声をかけて、稜線にある赤岳天望荘まで行くことにした。
ガスってはいるけど稜線はよく見えていて、雨になる心配はなさそうだ。
地蔵尾根を登って地蔵の頭をめざした。
急峻な登りだったが、危ないところには梯子が設置されていて順調に登れた。
高度が増すにつれてあたりはガスが次第に濃くなってきた。
あちこちに立ち上がっている岩がなんだか生き物に見えてくる。
午後4時をまわったころ稜線上の赤岳天望荘に到着。
狭い稜線上に建物が細長く建てられていた。
広い部屋で雑魚寝だと思ったら一人用の個室だった。
ありがたかったが、部屋がせまくて斜めに寝ないと頭がつかえてしまう。
外がすっかりガスに包まれていたので、小屋の中で自炊をさせてくれた。
夕日を見ようと外に出てみたが、ガスのすきまからわずかに見えてだけだった。
さて翌日、晴天を期待していたが、昨日以上の濃いガスだった。しかも西風が強い。
展望は期待できないが、リュックは小屋において6時前に赤岳頂上をめざした。
岩陰にトウヤクリンドウ。
ガスの中、足元だけを見ながら30分ほど登ると岩陰に建物が浮かび上がった。
赤岳頂上山荘だ。山頂はこのすぐ裏にあるはず。
しかし、三角点に行ってもなにも見えないので、小屋の前で記念写真を撮って引き返した。
ふたたび天望荘へとくだる。
西からの風をうけて沸き立つような雲が稜線をのりこえて行く。
その雲の中から天望荘の建物がわずかに姿を見せていた。荘厳さを感じた。
リュックを受け取り横岳へと向かう。
ただただ足元をみて黙々と登った。
行く手のガスの中に岩峰が姿をあらわしたり、小さな花が咲いて居たり。
岩稜帯の道がつづく。いくつかピークがあったはずだが、景色が見えないので足元ばかり。
ちょっとコースに迷うようなところもあった。
8時20分、横岳山頂に到着。赤岳からちょうど2時間だ。
山頂をすぎて少し下ると尾根が広くなってきた。
そして硫黄岳に近づくと砂礫におおわれるようになり、コマクサが姿をあらわした。
次第にひろくなる稜線の斜面にたくさんのコマクサが。
広い硫黄岳の斜面をゆっくりと登り返していく。
9時5分、硫黄岳の山頂に到着。
天候の回復は期待できないので早々に下山開始。
峰の松目やオーレン小屋との分岐点、赤岩の頭。
赤岳鉱泉にむかって下っていく。このあたりのことはあまり覚えていない。
赤岳鉱泉まで下ってみるとガスが薄れて横岳が見え始めた。
大同心、小同心の岩峰が見えていた。
まだ11時前だった。そこからは昨日登ってきた道をたどって美濃戸口へと戻った。
せっかくチャレンジした八ヶ岳核心部の縦走だったけど、残念な天候で展望を楽しむことはできなかったが、印象に残る山旅となった。
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