千葉に住む兄から、秋田駒ケ岳はどのくらいで歩けるか、というメールが入った。
ちょうどテレビ番組で花の秋田駒ケ岳があった直後なので、それを見て自分でも歩きたいと思ったのでしょう。
たしかに、八合目までバスを利用すればリハビリ中の兄でも十分に歩けそうです。
でもこちらにもまだ登っていなくて行きたい山がある。悩ましいところです。
私は2011年10月9日に日帰りで秋田駒ケ岳に行ったので、その時のことを投稿します。
2011年は東日本大震災があった年だ。
秋に秋田駒ケ岳に行ってみようと考えたのは、大震災で東北のことが気になっていたこともあった。
立てた計画は新幹線を利用しての日帰り。こんな計画では、JRが儲かるだけで東北の役に立つわけはない。
田沢湖駅発10:05の八合目行きのバスの時刻にあわせてこまちを利用。
新幹線は、もう少し早くつくものもあるのだが、残念ながらバスがない。
途中、バスの窓から目的の駒ケ岳が見えた。いい天気だ。ワクワクしてくる。
バスは八合目直通なので、紅葉の斜面を登っていく。
緑の笹原にナナカマドらしい灌木の紅葉が点々と広がっている。
八合目には11時4分の到着。すぐ横には八合目の避難小屋も建っている。
テレビ番組ではここで一泊していた。
笹の緑の中に、これから向かう山道が見えている。
このコースは、最高峰男女岳の西の斜面をトラバースして阿弥陀池まで登っていく。
急なところがないので登りに最適。阿弥陀池まで1時間ちょっとだ。
山道に入るとさっそく黄葉した木が迎えてくれた。
すぐに火山らしい地形のところに出た。
ガスでも出ているのか、植物が生えていない灰色の斜面が広がっている。
道はその下を通過して西斜面へとむかう。
振り返ると、八合目の施設と笹森山、湯森山などのたおやかな丸みを帯びた山々と緑と赤の斜面が広がっていた。
いいなぁ。来た甲斐があるというものだ。
広大な駒ケ岳の西斜面全体がいい色に染まっている。
足元にも秋を迎えた植物たちが。これなんか線香花火みたいだ・
紅葉した灌木の中をすすむ道。
まわりの登山者たちも紅葉と広大な展望を楽しみながらのんびりと歩いている。
男女岳(おなめだけ)を振り仰ぐ。どの山も丸みを帯びてやさしげだ。
見下ろす先に田沢湖が見えてきた。
少しかすんでいるが、この湖もまん丸なんだなあ。
男女岳を回り込んで、いよいよ阿弥陀池へと向かう。
めずらしくとんがった峰々が目に入ってきた。
この峰々の向こう側は、新しい火口のあるカルデラなので、山の姿も少し荒々しい。
でもその手前は平らな地形で、その中心に少し細長い阿弥陀池がある。
木道が左右に分かれて池をめぐっている。
私は池の南側の道をたどって阿弥陀池と男女岳を写真におさめた。
風がなければ逆さ男女岳になるはずだけど、残念ながら池は波立っていた。
男女岳への登り口について北の方をみると大きな山が見える。
これは岩手山だろう。その間に高原のような山なみが広がっている。
いずれこんなところを乳頭温泉まで歩いてみたい。
山頂には12時10分に到着。さすがに山頂なので風が強くなった。
1637mの標識の前で記念撮影。
すぐ下に火口跡なのだろう丸いくぼ地が広がっていた。
三角点も記念にパチリ。
山頂から下る人たち。木道がうねうねと続いている。
阿弥陀池のほとりから北を見ると一段低いところにも池と平がある。
ここは浄土平と呼ばれている。
秋田駒ケ岳はなかなか複雑な地形をしている。
阿弥陀池のほとりには避難小屋もある。そこから池と男女岳を振り返る。
これから外輪山にある横岳へと登り、焼森をめざす。
横岳まであがると反対側の大きなカルデラと最近の噴火でできた大焼砂が現れた。
カルデラの底には小岳とよばれる火口丘がみえる。
その間、木道がみえるあたりが有名はムーミン谷だ。
テレビ番組でも花の宝庫として紹介していた。
小岳と女岳、そしてそれをぐるっと取り囲むカルデラ壁が遠くまで続いている。
ふたたび阿弥陀池を振り返る。右が男女岳、左は男岳。
秋田駒ケ岳の峰々のネーミングは複雑で混乱するなぁ。
広々とした高原を焼森へとむかう。
焼森のてっぺんから北を望む。
特徴のあるとんがりは乳頭山。その右が笊森山。
手前にある湯森山もそうだけとこのあたりの山の名は森がつく。
というより山ではなくて森と呼ばれてきた。
だから今いる焼森と同じように笹森、湯森、笊森と呼ぶのがただしい。
こちらは笊森の右手の広がり。
奥に岩手山。手前は笊森から乳頭山へとつづく広大な熊見平。
ますますここを歩いてみたくなった。
焼森の斜面。初夏にはコマクサやキバナコマノツメなどの大群落が見られるところだ、
日帰りのつらいところ、なごりは惜しいがそろそろ下山だ。
焼森からシャクナゲコースをたどって八合目へと戻った。
八合目からは、アルパこまくさ行きのバスに乗り、そこで乳頭温泉からのバスに乗り換えて田沢湖駅へと戻った。
バスの乗り換え地点。アルパこまくさ。
バスを待つ間、駒ケ岳をみあげて名残を惜しむ。
また来たいなぁ。
結局また来たのだ。2018年の6月に妻をともなって。
その時のことはいずれまた。
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