先日宝永山に登ってみて、富士山南東部の山麓にはいろいろなコースがあることに気がついた。
富士山の山麓というと青木ヶ原樹海を思い浮かべてしまう。1000年以上前に流れ出した溶岩流の上に広がる広大な森だ。
それにたいして南東部である宝永山の下には、溶岩ではなくスコリアと呼ばれる砂礫におおわれた大地が広がっている。しかもその砂礫が噴出されたのは江戸時代の宝永年間。400年ほど前に過ぎない。
私が下山に使った須山口登山道でも、標高1700mより下になると森が明るくなって見通しがよかった。砂礫の斜面だからなのか倒木も多い。そんな中に側火山のあとである塚があちこちに点在している。そのいくつかには登山道があって登ることができる。広大な森の中のハイキングだが、たぶん明るいイメージで歩けて、しかも目標ポイントがある。夏を除くスリーシーズン楽しめそうだ。いや結構標高があるので夏でも涼しいはずだ。
考えられるハイキングプランとして、まず御殿場口五合目から、二ツ塚(二子山)を目指して、上下の塚に登ってから幕岩を経由して五合目に登ることが考えられる。
二ツ塚は、調べてみると周辺は疎林程度でかなり見晴らしがいいらしい。一周して4時間あまりで歩けそうだ。
同じ二ツ塚をスカイラインの途中にある須山御胎内入口から登れば、一合目の御胎内、幕岩を経由して二ツ塚へ登れる。帰りは同じ道を戻る。
私が下山に使って須山口登山道周辺は、2300m付近から樹林帯となるが、宝永火口より東側になる二ツ塚周辺はスコリアがたっぷり降り積もった場所なので、森林限界が低くなっている。二ツ塚の下塚で1804m、上塚で1929mだが、このあたりは木が生えていてもかなり少ない。だから見通しはよいはずだ。
こんなことを調べていて、宝永山下山中に見た「村山修験」というのは、村山という修験者のことだと思っていたが、そうではなくて、村山修験という修験道の流派の名前であることがわかった。スカイラインが開通して今は廃道に近いようだが、村山道という古くからの登山道があることもわかった。ただし、この村山古道は須山口登山道よりかなり西を通っている。
そのうちこのあたりでハイキングの会を催してみたい。秋か5月の花の季節でもいいだろう。