第37回岩国行波の神舞が4月7日、8日にかけて行われた。
同じ岩国市内の神楽とはいっても、山代神楽とは大きく種類が異なる。その本質は「神事」にあり、決して見せ物的な雰囲気はない。演目には、目的はあるものの、物語やストーリー性は観客には分からない。古くから伝わる舞の中に、現代の感覚ではない何かがあるのだろう。その型を最重視するため、時代にあわせて舞いを変えることはないし、国指定無形民俗文化財として、むしろ頑なに守り続けることが義務づけられている。
そのため、1演目の時間も長い。山代地域の神楽は1演目30分前後、長くても1時間程度だけど、行波の予定表を見ると2時間30分という演目もあった。
さて、一番の見せ場と言われる「八関」にあわせて会場へ。普段は50世帯程度の集落に対し、この日は多くの見物客が訪れるため、川向こうへ渡る唯一の橋はもう大渋滞!河原も車で埋まってました。出店も出てて、神楽の囃子とあわせて本当に「祭」の雰囲気。
で、その八関では、30人近い囃子、舞子が熱演。クライマックスの綱渡り(?)の場面では、多くの観客から拍手がおこった。
神楽は、舞いの内容だけでなく、その伝え方、環境、舞台までを含めて見るべきだと実感した。