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『大きな玉ねぎの下で』(草野翔吾監督、2025年)を観てきた。
同じ場所にいるのに会ったことがない2人。
丈流(たける)と美優(みゆう)は、 夜はバー、昼はカフェになる「Double」でそれぞれ働いている。
“夜の人”と“昼の人”を繋ぐのは、連絡用の<バイトノート>だけ。
最初は業務連絡だけだったが、次第に趣味や悩みも綴るようになった。
会ったことがないからこそ、素直になれた。
でも実は、2人は顔見知り。しかも、全くそりが合わず関係は最悪。
お互いの素性を知らないまま、2人は大きな玉ねぎの下(武道館)で 初めて出会う約束をするがー。
一方、あるラジオ番組では30年前の文通相手(ペンフレンド)との恋が語られていた。
顔は知らないけど好きな人と武道館で初めて会う約束をして・・・
(映画『大きな玉ねぎの下で』より)
爆風スランプのヒット曲「大きな玉ねぎの下で」(1985年)に影響を受け、イメージをふくらませてこの作品ができたらしい。
今のスマホ時代に、一風時代遅れにみえるノートを媒体としたやり取り、そこんとこが上手に繰り込まれてるなと感心する。
丈流と美優。ある日、別々のグループだけど飲み会で席が横ということがあって知り合う。
でもお互い、印象が良くない。
そんな二人が、相手を知らずに交換ノートをし、徐々にイメージをふくらませ思いを寄せていく。
その片方の美優。演じる桜田ひよりの表情が何とも言えなくってとってもいい。
もう知らず知らずのうちにスクリーンにのめり込み。
片や、昭和から平成に変わる時、文通してる高校生が友だちに代筆をさせてる話が加わる。
それは種を明かせば何と言うことはない、丈流の親のことだったりする。
現在の丈流と美優、過去の丈流の両親。両方とも武道館でのコンサートの約束、さあどうなるのでしょう。
過去と現在のストーリー展開が似ていて、内容が案外こじんまりじゃないの、そういう感じもするけど、何しろ全体の心地良い雰囲気があって許してしまえる。
観てるこっちだって、昔ペンフレンドと文通してたし、次の手紙が来る期待のときめきは知っているから、主人公たちの相手を想う気持ち、よくわかります。
この作品、この年になっても胸キュンの感じになって、とっても好きだなって意識する。
だからあの、流れてくるasmi(アスミ)の甘ったるい声、歌い方、始め気になったけど、そのうち何となく自然と快くなってしまった。
居心地がよくって何度でも観たい映画って、こういう作品だななんてつくづく思ってしまう。
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