ポケットの中で映画を温めて

今までに観た昔の映画を振り返ったり、最近の映画の感想も。欲張って本や音楽、その他も。

高校生のころ・2〜『007 危機一発(ロシアより愛をこめて)』

2015年09月04日 | 1960年代映画(外国)
高校に入学してみると、クラスには名古屋からの生徒が大半で中学からの知り合いは一人もいなかった。
それでもどうにか友達ができて、同級の一人から映画に誘われた。
ロードショウの『007 危機一発』(テレンス・ヤング監督、1963年)を観に行こうと言う。
今の題名で『007 ロシアより愛をこめて』である。
話が決まると早速、学校帰りに二人で名古屋の駅前まで出かけた。

秘密結社スペクタ-は、ソ連諜報部のクレッブ大佐が密かに同首脳部に転向したのを受けて、
イスタンブールのソ連総領事館にある新型暗号解読機レクターを手に入れる計画を立てた。

そのやり方は、領事館の女性暗号部員タチアナ・ロマノヴァをおとりに使って、
英国諜報部員のジェームス・ボンドを貶めながら、レクターを手に入れる方法である。
理由は、前回のドクター・ノオの敵討ちのために、ボンドには「怨念を込めた悲惨な死を与えよ」という訳である。
そして、英国諜報部員とソ連諜報部員の情死によって、英ソ両国には相手国の仕業と思わせ、
スペクタ-の陰謀とは気づかせない作戦である。

英国諜報部長Mのところに、同トルコ支局長ケリムから重要な情報連絡が入った。
ボンドが英国まで護送するという条件で、ソ連諜報部員・タチアナがレクターを盗み出すがどうか、という確認である。
何か罠の臭いもあるが敢て挑戦しようと、ボンドはイスタンブールに飛んだ・・・・

エキゾチックな女性がくねらせて踊るその身体に、映し出されるカラフルなクレジット。
オープニングのタイトルバックに、私は目が奪われもう最初からワクワクした。

レクターを盗み出すことに成功したボンドとタチアナ、ケリムの三人が、逃げながらオリエント急行に乗る。
それを目撃したソ連保安局のベンツも飛び乗る。
そのオリエント急行には、スペクターの刺客・グラントも乗っていた。
列車の動きと共に、後はハラハラドキドキ、手に汗を握る展開となる。
場面にのめり込んだまま最後までのノンストップ。
そして、ラストのベニスでのモーターボートのボンドとタチアナ。
エンディング・クレジットに流れる『ロシアより愛をこめて』(マット・モンロー唄)が何と言っても心地よい。

映画を観終わって、私は幸せな気分と満足感とで一杯になった。
と同時に、都会の人間は違うなぁ、田舎出の私が知らないハイカラな映画を知っていて凄いなぁ、と誘ってくれた友人を尊敬してしまった。

当時買ったシングル盤レコードの「マット・モンロー」と「ジョン・バリー楽団」の『ロシアより愛をこめて』の二枚が、今でも私の愛蔵盤となっている。

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