映画雑感9 コードネームは孫中山
2014年 台湾映画
監督 イー・ツー・イェン
出演 ジャン・ファイユン
ウェイ・ハンディン
第10回大阪アジアン映画祭グランプリ受賞
☆☆感想☆☆☆
2組の高校生グループが学校の倉庫にある孫中山(孫文)の銅像を盗み出そうと争奪戦を繰り広げるドタバタストーリー。 貧乏で学費も払えないアツォは学校の倉庫に放置されている孫文の銅像を盗み出して学費を捻出しようと計画を立てる。二人の仲間も引き入れて着々と準備を続けている。あるノートを拾ったことから、同じ銅像を盗み出そうという別のグループがいることに気付く。 そのノートの持ち主はアツォよりも厳しい環境に置かれている同じ高校のシャオティエンだった。 食事はスーパーの試食、夜は公園で野宿している。 同情したアツォは、共同で銅像を盗み出そうと持ち掛け、準備した道具が置いてある空き家にシャオティエンを案内し泊めてやる。翌朝、アツォが行くと、シャオティエンと準備した道具が消えている。シャオティエンに出し抜かれたと気づいたアツォは、シャオティエンを出し抜く計画を立てる。シャオティエンのグループの計画実行の夜、同じ少女アニメのキャラクターのお面をつけたアツォのグループも紛れ込む。
今や台湾では孫文の銅像は倉庫の片隅で無用の長物の扱いを受けているのかもしれない。 泥棒計画も緻密なようで抜けていて、高校生らしい人の良さもあり、競争心もあり、抱腹絶倒だ。 しかし主演の二人とも貧乏で苦労しながら育ったように見えない。荒んだ感じがしない。大事に育てられた雰囲気がある。今は本当に豊かな時代だからだと思う。
11月に第25回映画祭TAMA CINEMA FORUMで上映。