昨年の公開されたヒット映画。
エアフォースワンが撃墜され、アメリカ大統領がフィンランド北部の森の中に単身落下する。大統領は13歳の少年ハンターに救われる。少年オスカルは一晩森で過ごし弓で獲物をしとめて帰るという、一人前の男になるための伝統的な通過儀礼の最中だ。大統領暗殺の陰謀は続き、森の中までその魔手が迫ってくる。
フィンランドの森の風景が雄大で美しい。ハンターとして未熟でもなんとか偉大な父に追いつきたいという少年の気持ちと勇気が、大人の常識を覆していく。大統領も少年を理解して優しいけれど、幼い者としか見ていない。保護して命を助けてやらなければと常識的に考えている。自分の命を度外視して大統領を助けるために飛び込んでくる勇気は、都会の大人には無鉄砲としか見えない。
子供にとっても大人にとっても楽しい映画だ。裏切りと悪は滅び、本物の勇気が勝利するからだ。
この映画の脚本監督はフィンランドのヤルマリ・ヘランダ。オスカルもフィンランドのオンニ・トンミラという少年で、監督の甥。大統領はサミュエル・L・ジャクソン。