2013-0305-man0887
万葉短歌0887 たらちしの0815
たらちしの 母が目見ずて おほほしく
いづち向きてか 我が別るらむ 山上憶良
0815 万葉短歌0887 ShuC179 2013-0305-man0887
□たらちしの ははがめみずて おほほしく
いづちむきてか あがわかるらむ
○山上憶良(やまのうへの おくら)=六首歌題詞原文には「筑前国守山上憶良」(下記編者注[作者名位置]参照)。第63歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「熊凝(くまごり)のためにその志を述ぶる歌に敬和する六首」。その第二首(下記編者注[長短歌合算]参照)。第886歌(第一首)は長歌。
【訓注】[真名仮名略全対応]たらちしの(多良知子能)。母(はは=波々)。おほほし(意保々斯)。いづち(伊豆知)。我が(あが=阿我)。別る(わかる=和可留)。
【編者注-作者名位置】依拠本の底本は、題詞の上に作者名を置くが、その形式は他に例がなく、また他本に従って、題詞の下へ置く、と依拠本。
【編者注-長短歌合算】この六首歌の形式は、題詞・作者名・前文(漢語)・長歌(886)・短歌(887~891)となる。反歌としないことや歌数合算は異例であるが、複雑な事情については依拠本を参照されたい。