やっと秋風が吹きはじめた。
この夏は暑すぎた。
豪雨や洪水がひどすぎた。
コロナに振りまわされすぎた。
ステイホームもキツすぎた。
たまに出かけると、街も人もディスタンスの異世界。
マスクは吐く息と吸う息がごっちゃになって、まるで自分が吐き出した空気を自分で吸い込んでいるようで、酸欠や熱中症になりそうだった。これでは、むりやり生きてるみたいで、まつたく息が詰まるような夏だった。
季節も凌ぎやすくなって、4連休はどうなったか。
みんな戸外の新鮮な空気に飢えていたとみえて、いっせいに街や郊外に飛び出していったようだ。いままで抑圧されていたものから、解放されたい思いがいっきに爆発したようだ。
GoToトラベルにも乗り損なったので、テレビの観光地ニュースに便乗。高速道路の渋滞や観光地の人混みをみていたら、かえって不思議な感動があった。
天気も快晴、花火も上がったりして祭りのように賑わっている。久しぶりに見た光景だった。妙に懐かしくて気分もスカッとした。ひとときコロナのことなど忘れてしまった。
いつのまにか、春も夏も終わってしまったのだ。
そして今は、しみじみと秋。
ここにきて、わが家の朝顔の花もいっきに数を増している。重なり合って咲ききれない花もある。まるで三密だ。
だが花にむかって三密を避けろなどと、いくらコロナに疲れた頭でも、そんな野暮なことを言ったりはしない。