尖閣
(一部抜粋) 【ハノイ=大木聖馬】東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議出席のためにハノイを訪問している中国外務省の胡正躍外務次官補は、29日夜、中国の温家宝首相は、ハノイで菅首相と会談しないことを明らかにした。
胡次官補は同日午前行われた前原外相と楊潔チ(ようけつち)外相との日中外相会談に関して、「日本は中国の主権を侵す不誠実な言論をまき散らした。日本側が(首脳会談を行うための)雰囲気を破壊した」などと日本を批判した。これにより、修復に向かっていた日中関係に影響が出ることは避けられない見通しとなった。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)
胡次官補は、香港メディアなどを呼び、日中首脳会談の取りやめを公表した。日本側が同日夜、首脳会談は行われるとの見方をしていた中での突然の発表だった。
この中で、胡次官補は外相会談について、「日本側が外相会談の内容について、事実と異なる言論をまき散らした」と日本側の発表内容を非難。その上で、「日本側のふるまいは、両国の指導者がハノイで会談をする雰囲気を破壊した。これによって生じる結果は日本側が完全に責任を負わなければならない」と断言した。(続きあり)(2010年10月29日22時25分 読売新聞)
首脳会談拒否 「中国の国内事情だ」「前原外相が悪い」 政府・民主で飛び交う声 (1/2ページ)
中国が29日、ハノイでの日中首脳会談を拒否したことに対して、政府・民主党から、さまざまな声が出た。
政府高官は同日夜、困った表情で「分からない。分からない」と繰り返し、会談拒否の理由は中国の国内事情との見方を示した。そして、「たぶん、首脳(会談)はできない」とぽつり。
11月1日に、尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件のビデオ映像が、一部国会議員に公開される件との関連を推測する議員は多かった。
閣僚の1人は「よく分からないけど、ビデオの影響じゃないか」。閣僚経験者は「きょうビデオの公開を決めたからだ。シナリオを立てずにやるからだ」と述べた。これに対し、前原誠司外相への批判もあった。
党中堅幹部は「日中両国のために前原はつぶした方がいいというメッセージじゃないか。中国に言われてすぐに辞めさせるのはよくないが、前原が外相をやるのは無理だ」と、中国そっちのけで外相批判を展開した。
別の若手は「前原がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で中国包囲網みたいなことを言ってきたから、牽制しているのだろう」との見方を示した。
一方、中国内の権力闘争が原因との分析もあった。
外務省出身の議員は「中国の国内事情だ。菅(直人首相)さんと仲良く映る姿が本国に伝われば、温家宝首相はまた弱腰だと批判される。外交日程のキャンセルはだいたい国内事情であって、ビデオ公開や前原さんの態度はあまり関係ない」との見立てを示した。
中国への不信感、警戒感を示す議員は多かった。中堅は「中国お得意の揺さぶりだ。領土に関して中国は絶対譲らない。日本は、『会ってくれないと顔が立たない』みたいな軟弱なことではだめ。原則論を主張し、毅然とするしかない」と語った。
保守系若手は「中国の言いがかりで、あきれてモノが言えない。日本は毅然としていればいい。中国は冷静になった方がいいんじゃないか」と語った。(MSN産経)
もとはと言えば中国漁船が衝突してきた事件が原因なのだが、予想されたこととはいえ、この中国側の高飛車な態度とむちゃくちゃな主張には一国民として頭にきた。
しかし、この件に関して情けないのは、なんといっても日本側の菅政権と与党民主党である。安易さ軽薄さ幼稚さ対応のまずさ。そして、首脳会談ができなかったと閣僚や民主党議員らの大騒ぎ振りはあまりにも情けなく、国会で「属国」という言葉が浮上するのも無理はないと思った。
自民党時代の外交にも物足りなさは感じていたけれども、ここまでオタオタと幼稚で馬鹿まるだしの醜態にはならなかった。中国のご機嫌に一喜一憂するだけの小心者集団民主党。こんな稚拙な集団が今は政府与党であり、一年前は野党の第一党だったことさえ恥ずかしい。「日本は毅然としていればいい」そのとおりだが、この政党にそれは絶対に無理である。
そしてこの政党には、外交だけでなく国政運営そのものが無理だ。