若きの日に旅をせずば
老いての日に何をか、語る? 開高健
釣りに熱中しているころ、開高健の映像や
文章に影響を受けまくっていました。当時、私は二十代。
若い時分にこそ旅をしないで年老いたときに何を語ることがあろうか?
なるほど。名言や格言というものは極論が多いけれども
何事にも感化されやすい私は焦ったものです。
仕事を引退した後に旅ができる体力が残っているとも限らない。
そもそも、仕事を退く日が来るとも限らない。
若きの日に旅をせずば
老いての日に何をか、語る?
とはいえ、一般的に若い時にはお金がない。
開高健は「毎日、メザシやサンマを食べてでも金を貯めて旅に出ろ」と励ました。
そう、昔、サンマは庶民の味であった。
さすがに、カナダのキングサーモンを釣りには行けなかったけれども、
それなりの山に登り、それなりの海に潜ることはできたし、
それなりの釣りをすることはできた。
老いての日に語る相手はいないけれども
ここに書ける物語なら。いくつかは、ある。
7/19(月) 晴
オリンピック週間に突入した。開幕まであと4日。
猛暑が到来し、コロナウイルスもお構いなしに広がっている。
開会式の予行練習の映像が流れていた。スローダンス的なもの。
演ずる人はどれだけのモチベーションを保って練習してきたか。
その精神力と努力は褒めるべきだ。
しかし、水を差すのは音楽担当の小山田圭吾問題。
報道で知る限りだが、十代の頃の筆舌しがたい障害者に対する暴力暴言を
二十代になってから、何ら反省することもなく自慢しまくっていたという。
私はこれまで小山田圭吾を知らなかったが、一生知りたくなかった人間だ。
誰が小山田を五輪音楽担当に推薦したのだろう?
なぜ小山田はこの仕事を引き受けたのだろう?
東京五輪の秘密主義が生んだ不幸な事実である。
すべてが間違っていた。
そんな五輪にしたのは誰だ?
コロナウイルスだけではないことは確かだ。
おしまい。